新組織の設立と3つの戦略を発表 ーパナソニック「現場センシングソリューション 事業戦略発表会」オンライン会見レポート

2020年7月2日に、パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社(以下、コネクティッドソリューションズ社)とパナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社は「現場センシングソリューション 事業戦略発表会」オンライン会見を開催した。

パナソニックの執行役員であり、パナソニックの社内カンパニーであるコネクティッドソリューションズ社の社長である樋口泰行氏は、「今回詳細を発表する現場センシングソリューションは、現場の状態をセンスする事により現場のプロセスイノベーションを起こすものだ。強みである画像認識技術を統合的に使用することで、顧客の喫緊の課題を解決する。」とした。

現場センシングソリューション事業の強みと新組織設立

スマートセンシング事業センターを設立し約1200名体制で事業を行う
スマートセンシング事業センターを設立し約1200名体制で事業を行う

現場センシングソリューション事業は、エッジデバイスと顔認証技術、画像認識を中心としたセンシング技術を融合し、顧客の現場課題の見える化や現場での対応の効率化を支援するものだ。

ソリューションの提案や構築からアフターサービスまでを一気通貫で提供し顧客とともに現場課題の解決に取り組むものである。

現場センシングソリューションの強みは大きく3つあるという。

1つ目は、家電のDNAを生かした利用者にも運用者にも優しいユーザーエクスペリエンス。2つ目は、顧客の現場に寄り添いともに課題解決に取り組んできた共創する文化と知見、ノウハウである。3つ目は、AIを駆使した顔認証技術とその運用実績だ。

現場センシングソリューションは、顧客やパートナーとの共創で進化・発展してきたという。様々なパートナーとの共創事例が多く存在している。

こうした中、更に事業を加速させるために新組織を設立した。スマートセンシング事業センターを新たに設立し、これまでそれぞれの事業に分かれていた顔認証ソリューション事業、センシングソリューション事業、高性能エッジデバイス事業を統合した。

スマートセンシング事業センターが中心となり、デザイン部門や開発部門、パートナー企業と連携し開発を加速させる。更に全国の営業や保守の部門を接点とし、法人や官公庁との共創を深め、社会課題の解決に取り組むとしている。

現場センシングソリューションの事業戦略

現場センシングソリューションの事業戦略
現場センシングソリューションの事業戦略

現場センシングソリューション事業の加速に向けた戦略が3つ発表された。

エッジデバイスのさらなる進化

顔認証ゲートにはパナソニックのデザインが詰め込まれている
顔認証ゲートにはパナソニックのデザインが詰め込まれている

まず、エッジデバイスを2つの観点から更に進化させるとした。

1つ目はパナソニックのUXデザインだ。これまでパナソニックが100年にわたり製造業として培ってきたノウハウや、家電のデザインに用いられてきた直感的なユーザビリティを、現場センシングソリューションにも活用することにより、システム利用者や運用者にとって使いやすさわかりやすさ安心を提供するという。

このパナソニックのデザインをソリューションに活用した事例が、国内の主要6空港に導入されている顔認証ゲートである。説明無しで誰でも操作できるパスポートリーダーやゲートへの入りやすさに配慮した形状によって、システム全体の使いやすさが向上している。

2つ目はセキュリティカメラの高機能化だ。セキュリティカメラ内の演算処理能力を向上させることで、カメラの中でAI画像認識処理を行うことができるようにする。これにより、サーバーへの負荷を軽減や導入維持コストの削減ができるようになり、システムの規模や用途に応じた設計が可能になる。また、AI機能を実装したデバイスとしてパッケージ化してSIパートナーに提供することも可能になる。

AI画像センシング技術の先鋭化

顔認証と異なる認証技術を組み合わせるマルチモーダルセンシング技術
顔認証と異なる認証技術を組み合わせるマルチモーダルセンシング技術

次に、AI画像センシング技術を2つの要素で先鋭化させるという。

1つ目は学習データの自動生成である。AIによる分析を行うためには、顧客の現場の特性や用途に応じた膨大な学習データが必要になる。しかし異常事象などそもそも発生する可能性が低いケースなどのデータは入手が困難である。

そこで、希少なサンプル画像から学習データの自動生成や拡張を行うことでAIを高精度化するという。

2つ目はマルチモーダルセンシング技術を活用することだ。複数のAIを組み合わせることで、精度を高めるという。画像認識技術だけでは区別困難な事象を、異なる認証技術で補完することで、現場での実用性を向上するという。

例えば、画像センシングと音のセンシングを組み合わせることで設備を監視する方法などが考えられる。

顔認識技術アプリケーションの提供プラットフォームの構築

アプリケーション提供プラットフォームで多彩なニーズに対応する
アプリケーション提供プラットフォームで多彩なニーズに対応する

3つ目の戦略は、顔認証技術を多くの顧客に提供するためのスキームの構築である。顔認証技術をプラットフォームを通じてクラウドサービスとして提供している。

顔認証APIをパートナー企業に提供することで、顔認証技術をパートナー企業のサービス内でも使用できるようにしている。更に、SaaS上で決済や入退管理システムなど顔認証以外の機能を組み合わせて、サービスをオンデマンドを提供することも検討しているという。

顔認証などの非接触で安全な技術は新型コロナウイルスの影響を受けて今後ますますニーズが拡大するだろうとした。

他にも新型コロナウイルス感染症の影響で現場における課題も大きく変化しているという。現場センシングソリューションの実現により、こうした課題の変化にも対応していくとした。

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