製造業のAIは運用フェーズへ、現場が使いこなせる異常検知ソリューション「Impulse」の新機能 ―ブレインズテクノロジー 榎並氏、中澤氏インタビュー

「学習の仕方を学習するAI」で、現場のノウハウを横展開

中澤: またAutoMLでは、「チューニング」のプロセスにも対話式を取り入れています。チューニングは、できあがった学習モデルを試し、その正答率を上げるために修正していく工程です。

2014年以降さまざまな案件を進めてきた経験から、チューニングのノウハウが弊社のエンジニアの中に蓄積されてきています。Impulse 2.0ではそうしたノウハウをAutoMLに組みこむことで、例えば「こういうデータならこういうクレンジングをした方がいいですよ」といった提案をチューニング時にすることができます。

また、モデルの正答率だけで決めるのではなく、「これくらいのレベルの傷なら許容できる」というお客様のポリシーも考慮しながら、チューニングを実行することができるのです。

小泉: AutoMLでは、全体でどれくらいのコスト(時間)を削減できますか。

中澤: ケースバイケースですが、一般的な分析プロセスを、AutoMLを使わずに行うときと比較すると、最低でも半分以下には削減できるはずです。あるお客様では、半年かけて行っていたことがAutoMLを使うことで「1晩でできた」ということもありました。

小泉: それはすごいですね。

製造業のAIは運用フェーズへ、ユーザーが使いこなせる異常検知ソリューション「Impulse V2」の新機能 ―ブレインズテクノロジー 榎並氏、中澤氏インタビュー
「Impulse V2」の3つ目の新機能、「学習の仕方を学習するAI」

中澤: Impulse 2.0の3つ目の新機能は、過去の学習履歴を再利用して学習モデルを構築する機能です。すでに別の類似したタスクで採用した前処理の方法などを読みこみ、互いに競わせて、最適な方策を推薦するしくみです。言いかえれば、複数のタスク(時系列解析や外観検査)に対して、「ユーザーがどのように学習するべきかを学習する」のです。

先ほどご説明したAutoMLの機能を使うことで、学習モデルの構築はかなりスムースに行うことができるようになります。とはいえ、タスクが変わるたびに毎回ゼロからモデルを構築するのは大変です。

そこで、この機能が活躍します。お客様は、既にある学習モデルをベースに、類似した新しいタスクのモデル構築を高速で行うことができるようになります。

小泉: 現場のノウハウをAIが学習し、さらに横展開までしてくれると。とてもありがたい機能ですね。

全体を通してお話をうかがっていて、とても感慨深いです。世の中ではAIが注目されていながらも、結局は人間が労力をかけ、試行錯誤でつくっているケースが多いなと感じていました。でも本来は、そうした労働から人間を解放してくれるのがAIの役割ですよね。そういう意味でImpulse 2.0は、本来のあるべきAIの姿を体現しているように思いました。

中澤: ありがとうございます。Impulse 2.0の特徴は、まさにそういう部分にあります。アルゴリズム選択などはこれまでエンジニアが血眼になって行ってきました。しかし、AIの力を最大限発揮するには、そうした工程すらも自動化していかなければなりません。

小泉: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

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