矢野経済研究所、2020年度の国内M2M市場は累計金額ベースで2,000億円を予測

矢野経済研究所では、国内のM2M市場の調査結果を発表した。

 

市場概況

2014年度の国内M2M市場は堅調に推移しており、累計金額ベースで1,490億円となった。

2015年度はM2M回線ビジネスでの上位事業者が順調に業容を拡大した他、ビジネス環境が整ってきたMVNO(仮想移動体通信事業者)においても、多様なサービスが開始された。一方で、設備機器・監視分野や自動車関連分野ではエネルギー分野ほどの伸びを見せなかったこともあり、伸び率自体はやや鈍化する傾向にある。
2015年度の国内M2M市場規模は、累計金額ベースで1,620億円を見込む。

国内M2M市場は、2016年度以降も依然としてエネルギー分野が牽引役となり、拡大基調が続くものの、今後はM2M回線あたりの単価が低下する見通しであることから、市場拡大にはややブレーキがかかり、2020年度の同市場規模は累計金額ベースで2,000億円になると予測。

 

分野別の国内M2M累計回線数
スマートメーター関連での需要が牽引し、エネルギー分野のM2M累計回線数が増加

2014年度末の国内M2M累計回線数を分野別にみると、「エネルギー関連」が410万回線(構成比27.0%)と最も多かった。以下、「設備・機器監視(同23.0%)」「流通関係(同20.4%)」「自動車関連(同17.8%)」「その他(同11.8%)」と続いている。

エネルギー分野については、スマートメーター関連での需要が牽引し、回線数が増加している。スマートメーターの設置拡大などスマートハウス関連需要の増加、電力自由化などの追い風もあり、今後も更なる拡大が見込まれる。またBEMS(ビルディング&エネルギー・マネジメント・システム)に関しても、省エネ志向の定着に加え、経済産業省がとりまとめた「ZEBロードマップ」により2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を実現する目標があり、奏功要因になると考える。

また、新たな需要が生まれることで注目される分野は、流通分野及び設備・機械監視分野である。流通分野では、省エネ対応のための店舗エネルギー監視やデジタルサイネージなどのデジタルマーケティング分野が牽引して、大手流通小売チェーン業態を中心にM2Mの浸透が進む。また品質管理などを目的とした店舗内トラッキングでも、M2Mの導入が進むとみる。

一方で、ものづくり領域の製造現場などの設備・機器監視分野では、これまで工場の生産設備などへの遠隔監視や予防保全用途が中心だったが、センサーネットワークビジネスにおいて新たな需要喚起が期待されており、周辺環境も盛り上がりを見せている。M2M導入事例を見ると、テレマティクスやコネクテッドカー用途などの自動車関連についても設備・機器監視と並び、需要拡大の見込みである。

 

「M2M市場の調査」調査要綱

1.調査期間:2015年9月~2016年1月
2.調査対象:国内外のIT事業者(SIer等)、通信事業者(キャリア)、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:MVNO 事業者を支援する事業者)、デバイスメーカー、ユーザ企業等
3.調査方法:同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用

M2M市場とは

同調査におけるM2M市場規模は、M2Mを実現するための、デバイスやモジュール、M2Mプラットフォーム、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、データ解析・制御などのソリューション、運用・保守サービスなどを対象とし、累計金額ベースで算出した。

 

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【関連リンク】
矢野経済研究所(Yano Research Institute)

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