デジタル時代の新しい儲け方 ーDXのビジネスモデル

書評コーナーでは、私がDXプロジェクトで、「よくある課題」を解決するヒントになる内容があると感じた書籍を紹介していきます。



書籍名:DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 

著者:小野塚征志

出版社:インプレス

出版日:2022/5/19

対象:プロジェクト推進担当、マネージメント

なぜ、この本を紹介するのか?

この本は、デジタルトランスフォーメーションをデジタルの目線ではなく、徹底的にビジネスの目線で語っています。

私自身、DXは「儲けるための取り組み」と思っているのですが、まさに、新しい視点でどうやって儲けているのかという事例が、80個も掲載されています。

しかも、それぞれの事例についてビジネスモデルが図解されていて非常にわかりやすかったのでご紹介したいと思います。

この本の解説

この本は、冒頭で、「DXとは?」というところをおさらいし、末尾では実現に向けたアプローチについても紹介されていますが、なんと言っても、80の事例が紹介されているところが興味深いです。

実際に小野塚氏と対談し、内容についてご本人から解説していただいた動画もあるので、こちらもご参照ください。

デジタル時代の新しい儲け方 ーDXのビジネスモデル

【YouTube】デジタル時代の新しい儲け方 ーDXのビジネスモデル

DXは儲けるためにある。 儲けるための4つの視点を80の事例をもとに対談形式で解説します。

対談した人:

  • ローランドベルガー・パートナー・小野塚征志氏
  • IoTNEWS代表 小泉耕二

DXで儲ける4つの視点

DXで儲けることを考える際、本書では4つの視点が重要だとしています。

  1. 場を創造して儲ける
  2. 非効率を解消して儲ける
  3. 需要と供給を拡大して儲ける
  4. 収益機会を拡張して儲ける

そこで、これら4つの視点の要点について事例と共に、そのポイントとチェック項目について紹介されています。

動画の方では、小野塚氏にそれぞれについて2個以上の具体例をあげて、それぞれの視点について要点をお話しいただいております。

視点1: 場を創造して儲ける

例えばYouTubeのようなサービスは、デジタル時代以前にはなかったわけですが、それが登場した結果、いつでもどこでも動画を視聴できるという全く新しい価値を生み出し、広告産業を生み出してきました。また、動画制作者もYouTuberとして参加することで、個人としても新しい儲け方を実現することが可能となりました。

場を創造して儲けるパートでは、こういった、新しい場を生み出すことで、新しい社会価値を創出し、儲けることに成功している企業が紹介されています。

視点2: 非効率を解消して儲ける

非効率を解消するというと、効率化や自動化をイメージする方が多いと思いますが、本書では、たとえば世界中の銀行に預金口座を持つことで、海外送金をする際の複雑な手続きをクラウド上で実現し、送金に必要な手数料を減らすことに成功した事例などが紹介されています。

これまでの仕組みでは、バケツリレーをせざるを得なかった業界がほとんどの中、デジタルを活用することでビジネスプロセスがシンプルになり、その恩恵を利用者は受けられるという企業が紹介されています。

視点3: 需要と供給を拡大して儲ける

需要と供給を拡大して儲けるのパートでは、民泊のようなこれまで使っていなかった資産を有効活用することで、新しい供給が生まれ、その結果需要が拡大する、というビジネスモデルが紹介されています。

しかも、トライアンドエラーによって、一見似通ったビジネスモデルが、全く新しい価値を創出するといったシーンにも注目。さまざまな需要を拡大する可能性があることが理解できます。

視点4: 収益機会を拡張して儲ける

1-3までが、これまでの業界慣習やあたりまえを疑うことで、全く新しいビジネスモデルを実現した事例であるのに対して、視点4は、既存事業が大きい企業ほど優位性のある視点について紹介されています。

例えば、世界中に農機を販売するグローバル企業が、農機にIoTデバイスをつけることで、どういう穀物がどれくらい収穫できるのかという予測データを取得、穀物メジャーに販売するといったデータ販売や、業務ノウハウの仕組みを販売することで、市場環境の異なるエリアでも儲けるといったことが可能であることが理解できます。

感想

80の事例を通して、「知ってしまえばできなくはない」という感想を持ちました。

しかし、実際にやろうとしたら、どの事例も経営トップの意思決定と、現実をよく見る目、トライアンドエラーを臆さない行動力が必要だなと感じました。

一方で、大抵の事例がそれほど高度なデジタル技術を使っていないことも重要です。DXというとなにかすごい技術力が必要と考える人も多いのですが、決してそんなことはなく、適切なデジタル活用が求められると改めて思いました。

小野塚氏のインタビューを通しも感じたことですが、「DXは、決してデジタル化や自動化ではない。儲けるためにやることだ。」ということの本質を本書を通して理解していただきたいです。



書籍名:DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略 

著者:小野塚征志

出版社:インプレス

出版日:2022/5/19

対象:プロジェクト推進担当、マネージメント