監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー

韓国の最大手企業でAIカメラの開発を手がけるハンファと、ビデオ監視システムで世界シェアNo.1のジェネテックがタッグを組み、AIカメラがもたらす価値を訴求している。AIカメラとは、画像認識AIを搭載したカメラのことだ。AIカメラの性能はこの1年ほどで急速に進化しており、カメラ単体だけで高度な画像認識が可能になっている。また、カメラをビデオ監視システム(VMS)につなげることで、さらに高度な映像解析を行ったり、目的に応じて複数台のカメラの情報を統合し、最適なオペレーションを行ったりできるなど、機能の幅が広がっている。

最先端のAIカメラでは何ができるのか。世界では、ビデオ監視システムはどのように有効活用されているのか。ハンファQセルズジャパン株式会社 セキュリティ事業部 チャネル営業部 部長の横山裕吾氏と、同社セキュリティ事業部 事業部長のユ・ジンソク氏、そしてジェネテック・ジャパン株式会社 カントリーマネージャーの室川豪氏の3名に話をうかがった。(聞き手:IoTNEWS代表 小泉耕二)。

本記事をおすすめしたい人や企業
  • 監視カメラの録画はしているが、何か問題が起こらない限り録画データを使うことはない。
  • 録画した映像を人が目視で確認して、必要な情報を探している。
  • 建屋の新設にともない、どんな監視カメラを採用するか検討している。

急速な進化をとげたカメラの解析技術

IoTNEWS 小泉耕二(以下、小泉): まず初めに、ハンファQセルズジャパンの会社概要について教えてください。

ハンファQセルズジャパン横山裕吾氏(以下、横山): ハンファ(Hanwha)は韓国の財閥企業で、ハンファQセルズジャパンはその日本法人になります。化学製品や精密機器、太陽光発電、鉄鋼などさまざまな事業を展開していますが、私が所属しているセキュリティ事業部では、ハンファテックウィン(Hanwha Techwin)が開発する監視カメラを含む映像監視ソリューション「Wisenet(ワイズネット)」を扱っています。

Wisenetではさまざまな種類のカメラを提供していますが、その一つがAIカメラです。日本では、監視カメラの録画データは何か問題が生じない限り使われないのが一般的です。また、リアルタイムの映像監視を行っていたとしても、その解析は専用のソフトやサーバーを使って、事後的に行うことが多いです。しかし、エッジ側(カメラ)の性能を最大限向上し、カメラだけでも高度な解析ができるようにすることで、映像監視システムははるかに効率的になるのです。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
防犯カメラ自体に画像認識AIが搭載されている。画像に映っているヒトや車などのさまざまなオブジェクトを認識し、多様な属性データを抽出できる。

小泉: 御社のAIカメラを使うと、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

横山: AIカメラは、撮影している映像の中から特定のオブジェクト(物体)をリアルタイムに認識します。具体的には、ヒト、乗物(車、バス、自転車など)、車のナンバープレート、ヒトの顔などです。画像認識にはディープラーニングの技術を利用しているため、(人間の眼と同じように)たとえ光の具合や障害物によってオブジェクトが見えにくくても、「これはヒトである」と正確に認識できます。

また、属性データを(メタデータとして)抽出することもできます。ヒトであれば男性/女性、年齢層、服の色、カバンをもっている/もっていない、マスクを装着している/していない、などです。

小泉: 属性データの抽出も、カメラだけでできてしまうのですね。

横山: はい。ほかにも、オブジェクト間の距離も抽出できます。たとえば、画像中のヒトとヒトの距離を測ることで、ソーシャルディスタンスを保てているかなどを調べることができます。また、「マスクを装着していない人」を検知するだけでなく、「マスクを装着していない人を検知したらアラートを出す」といった設定も、カメラ側だけで行うことができます。

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ハンファQセルズジャパン株式会社 セキュリティ事業部 チャネル営業部 部長 横山裕吾氏

横山: 具体的なシーンとして、監視カメラの録画データから不審者を探したいとしましょう。まず、何らかの目撃情報から不審者が着ていた服の色や、現れた時間帯などがわかります。従来の方法では、担当者が録画データを見ながら目撃情報に合致する人物を探すことになります。しかし、AIカメラを使えば、たとえば「赤い服を着た人」とクリックするだけで、録画データの中から「赤い服を着た人」の画像をピックアップしてくれるのです。これでオペレーションはとても楽になります。

また、活用例として多いのが「侵入検知」です。弊社のAIカメラでは、あらかじめ映像の中に線を引いたり、ゾーン(区画)を設定したりすることができます。そして、そのゾーンにヒトというオブジェクトが侵入してきたらアラートを出す、という設定ができるのです。また、その侵入をトリガーとして、侵入があった瞬間からシステムにデータを送るようにしたり、解像度を上げたりすることも可能です。

小泉: そうしたアラート/トリガーの設定や映像の分析は、御社のソフトウェアから行えるのですか?

横山: 弊社では、ブラウザベースのビューアをもっています(下の画像)。カメラをパソコンにつないでそのビューアを開けば、トリガーの設定などができます。たとえば、ビューアの画面から撮影画像の中に線を引き、オブジェクトを選択して、「ここを通過したらアラートを出す」というというシナリオを設定できます。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ハンファテックウィンが提供している、ブラウザベースのビューア画面。上に示した例では、部屋の中に仮想のラインを引き、AとBという領域に分けている。そして、このラインを「人」が通過したときに,何らかのアクション(アラートなど)を起こすように設定している。

横山: 一方で、映像の分析の方は、ビューアだけではできることが限られています。数台のカメラの映像を簡単に分析するには十分ですが、たくさんのカメラの映像を集約して分析したり、複数台のカメラ情報を統合して最適なオペレーションを組んだりすることは難しいです。そのため、のちに説明があるように、ジェネテックが提供しているような「VMS(Video Management Software)」の仕組みが必要になるのです。

小泉: AIカメラからは録画の生データと、それに付随する属性データ(メタデータ)が得られるわけですね。これらのデータは、カメラ本体に挿入したSDカードに保存することもできるし、クラウドに送信することもできるのですか?

横山: はい。IPカメラなので、技術的にはカメラ単体をそのままインターネットにつないで、クラウドにデータを送ることもできます。ただし、それはセキュリティの問題からあまり推奨できません。実際には、まずカメラの先にゲートウェイを設置するか、ローカルのネットワークの中に閉じます。そうしてセキュリティを担保したうえで、データをVMSの管理サーバーに送るか、別のクラウドシステムに送るという流れが一般的です。なお、メタデータは、録画データに紐づけて送ることもできますし、メタデータだけで送ることもできます。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ハンファQセルズジャパンが提供するさまざまな種類の防犯カメラ。同社のカメラ技術は、電機メーカーのハンファテックウィン(旧サムスンテックウィン)が開発している。韓国最大のテクノロジー企業サムスン電子の流れを汲む企業だ。ハンファQセルズジャパン セキュリティ事業部 事業部長のユ・ジンソク氏は、「カメラにとってまず重要なのは画質です。しかし、弊社にとって画質がよいのはあたりまえのこと。弊社のカメラ技術の特徴は、ハードウェアだけでなく画像認識のソフトウェアなどを含めた、トータルの映像監視ソリューションを提供していることです」と語る。

小泉: AIカメラの性能について、とてもイメージがわきました。一方で、お客さんのニーズはどうでしょうか。これほど性能のよいカメラであれば、すぐに使ってみたいと思うものなのでしょうか。

横山: 実際のところ、そういうお客様はまだ少ないです。AIカメラを利用するメリットの一つは、担当者のオペレーション(不審者の捜索など)が軽くなることです。しかし、オペレーションが発生するのは問題が生じたときなので、そのときにならないとメリットを実感できないことが多いのです。一度オペレーションを経験してとても苦労したという人であれば響くかもしれませんが、そういうケースは多くはありません。

そこで、まずはAIカメラの性能を知っていただき、「AIカメラを使えばこんなことができる」というメッセージを、日本のお客様に伝えていきたいと考えています。

5万台の監視カメラを一元的に管理できる、ジェネテックの「Security Center」

小泉: 続いて、ジェネテックの会社概要について教えてください。

ジェネテック・ジャパン 室川豪氏(以下、室川): ジェネテックはカナダのモントリオールに本社を置く企業で、1997年に設立されました。ビデオ監視システムや入退管理システムの開発を主に手がけています。日本のビデオ監視システムの市場は、世界に比べてまだ小さい方です。そこで現在、ハンファさんと一緒に日本のマーケットを開拓しようとしているところです。

とはいえ、日本法人のジェネテック・ジャパンは2012年に設立されており、日本のお客様も多いです。たとえば、あるお客さまでは敷地内に約1,500台のカメラを設置し、それらの情報を弊社のビデオ監視システム(VMS)「Security Center」で統合し、一元的に管理しています。

VMSを利用されるお客様の多くは、設置するカメラ台数の多い企業です。というのも、カメラの台数が多い場合、VMSを選ばざるをえない理由があるからです。通常のレコーダーシステムは、対応できるカメラの台数は最大で128台です。それ以上の台数を扱うには、システムをもう1つ用意し、別々に管理しなければならないのです。

VMSを使えば、対応できるカメラの台数は、理論上は無制限です。グローバルのお客様では、たとえばスターバックス様で約34,000台、フランスのシャルルドゴール空港様で約21,000台のカメラの情報を、弊社の「Security Center」を使って一元的に管理しています。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ジェネテック・ジャパン株式会社 カントリーマネージャー 室川豪氏

小泉: 「Security Center」の画面では、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

室川: まず、カメラ映像を1つの画面で同時にいくつも表示できます。最大で64分割が可能です。ただ、64分割で見たいというニーズは、最近は減ってきています。画面が多すぎて、管理している人が確認しきれないからです。

「Security Center」で最も重要な機能の一つは、目的に応じた画面を、お客様が自由に作成できることです。たとえば、特定の建屋を監視することが目的だとしましょう。この場合は、まず建屋全体の地図とカメラの位置を表示します。地図と監視カメラの映像が並んで表示されることで、全体を把握しやすくなります。また、あらかじめ立ち入り禁止の区域を設定しておけば、そこにヒトが映りこんだときにアラームが出るようにできます。

また、カメラの監視映像だけでなく、天候などの外部情報や、カメラ以外のセンサーによるIoT情報、カメラのファームウェアが最新であるかどうかなどの管理情報などもすべて統合して、1つの画面で管理できます。「Security Center」では、このように目的に応じた監視画面を、ほとんどカスタマイズすることなく簡単に作成することができます。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ジェネテックが提供する「Security Center」の利用画面。カメラの映像のみならず建物内部のマップやヒトの数などさまざまなデータを、ユーザーの目的に合わせて一つの画面で管理することができる。

小泉: 「Security Center」を使う場合の、システム構成について教えてください。

室川: 簡単にいうと、カメラ、サーバー、ストレージという構成です。サーバーのOSは「Microsoft Windows Server」で、ここに「Security Center」のソフトウェアをインストールします。なお、弊社ではクラウドサービスも提供していますが、海外を含めてほとんどのお客様はオンプレミスで利用されています。

室川: 「Security Center」はオープン・プラットフォームです。あらゆるメーカーや機種のカメラに対応できます。現在はハンファさんとの連携をとくに強めていますが、もしお客様の方で他社メーカーのカメラをお持ちであれば、それも活用できます。また、サーバーのOSは「Microsoft Windows Server」なので、それを動かすディスクも幅広く選ぶことができます。

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ジェネテックが提供する「Security Center」のシステム構成とエコシステム。カメラとデータのストレージは、さまざまな企業の製品とオープンに接続することができる。

ハンファとジェネテックの連携により、生まれる価値とは

小泉: ここであらためて、ハンファとジェネテックが連携することのメリットを教えてください。

室川: まず重要なのは、ハンファさんのAIカメラの性能です。カメラ側で解析を行い、属性データを付加した状態で録画までできるという機能は、世界的に見てもほとんど例がありません。通常のカメラでは、とりあえず録画しておいて、問題が生じればそこから人が検索するしかないのです。

あるいは、専用の解析ソフトを使えば、あとから録画データをもとに解析することはできます。しかし、それではすぐに分析にとりかかることができませんし、専用の解析ソフトやサーバーを別途購入する必要があります。また、そもそもデータがリアルタイムで蓄積されていないので、いざ解析をすることになっても、どの録画データまで遡ればよいかわからない、ということになります。

ハンファさんのAIカメラと弊社のVMSをつないでおけば、カメラの属性データがリアルタイムに収集されていくので、ただちに映像の分析や最適なオペレーションを行うことができます。それまで通常のレコーダーシステムを利用していたお客様は、この便利さにとても驚かれます。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ハンファのAIカメラと連携した「Security Center」の利用画面。部屋に入ってきた人(室川氏)がマスクを装着しているか、装着していないかを判別している。装着していない場合、「マスク未装着」としてアラームを出したり(画面左上)、その情報が映像データに自動でブックマークされるように設定したり(画面下)することができる。

室川: AIカメラとVMSの連携について、具体的なシーンをもとにご説明します。先程、ハンファさんのAIカメラの説明の中で、マスクの有無を識別するという機能がありました。その機能をVMSで連携させることで、たとえばヒトが部屋の中にマスク無しで入っていくと、「マスクをしていない人を発見」というイベントとして検出することができます。これによりアラート通知を出すだけでなく、イベントが映像に自動でブックマークされるように設定することもできます。

小泉: なるほど。ブックマークのデータはハンファのカメラ側から上がってきていて、それをジェネテックのVMSで可視化しているということですね。見事な合わせ技ですね。

室川: また、カメラとVMSを連携することで、どのような種類のカメラを何台、どこに置くと効率的な監視システムを構築できるか、ということも最適化できます。たとえば、施設のある場所に人感センサーを設置しておき、そこを人が通ったら、PTZ型のカメラ(首振り機能をもったカメラ)がいっせいにその方向を向くようにする、というような設定ができるのです。

小泉: 必要な映像解析やトリガー設定は、ほとんどVMSでできるのですか。

室川: はい、基本的に必要な機能はVMSで提供されています。ただ、ハンファさんと弊社の連携だけで足りない部分は、他の企業のソフトウェアと連携することで、補うことができます。たとえば、カメラの映像からヒトの転倒を検知する「転倒検知」の機能は、現時点ではハンファさんのカメラと弊社のVMSでは対応していません。しかし、VMSはこの転倒検知ができる他社のソフトウェアと連携していますので、お客様には必要に応じて利用いただくことができます。

製造業や交通、リテールなどさまざまな分野にも拡大していく

小泉: 今回、AIカメラの技術がとても進化していることがわかりました。今後はどのような方向性で開発などを進めていくのでしょうか。

横山: まず一つは、解析の機能をさらにカメラ側に乗せていくということです。たとえば、先程話題に上がった「転倒検知」の機能は、現時点では弊社のAIカメラに搭載されていませんが、技術的にはすでに可能です。このように、さまざまな解析機能をさらにカメラ側に搭載し、カメラだけでもできることを増やしていきたい。

もう一つは、利用シーンの拡大です。現在はまだセキュリティ業界、つまり防犯カメラとしての用途がほとんどですが、今後は工場や交通、リテール、ビルなどさまざまな分野にも進出していきたいと考えています。

たとえば、現在では海水浴場の人数カウントに弊社のAIカメラが利用されています。カメラで人数をカウントすることで、海水浴場にどれくらい人が来たか、どれくらい混んでいるかを可視化するのです。簡単なことに思えるかもしれませんが、屋外の広い範囲の人数を正確に捕捉するのはかなり大変なことです。

小泉: その場合、ヒトの顔が録画データに残ることになりますが、個人情報はどのように配慮されているのでしょうか。

横山: 海水浴場の例では、録画はしませんでした。つまり、ヒトのカウントデータだけを抽出して、活用しているのです。一方で、マスキングやモザイク処理の技術もありますし、ジェネテックさんの「Security Center」と連携することでも、色々な対応が可能です。

監視カメラ×画像認識AIの技術はここまできた ―ハンファQセルズジャパン・ジェネテック・ジャパン インタビュー
ハンファQセルズジャパン株式会社 セキュリティ事業部 事業部長 ユ・ジンソク氏

小泉: 足元のターゲットはセキュリティ業界になると思いますが、AIカメラとVMSのメリットをどのように訴求していこうとされているのでしょうか。

ハンファQセルズジャパン ユ・ジンソク氏: まずは、グローバルでの成功事例を伝えていきたいですね。日本は安全で治安のいい国であることなどから、映像監視ソリューションの市場は世界の他の国に比べて小さいです。そのため、日本ではそこまでなじみがないかもしれませんが、ジェネテックさんはこの分野で世界シェアNo.1です。弊社はそのジェネテックさんと協力しながら、AIカメラがもたらす価値を日本の企業に伝えていきたいと思っています。

室川: AIカメラとVMSで何ができるのかを、まずは知ってもらうことが重要だと思っています。なぜならそこに技術があると、色々なアイデアが生まれてくるからです。たとえば、コロナ禍においては、カメラを利用した検温やマスクの着用有無の検知のソリューションが登場しましたが、これは初めからそのニーズがあって開発されたというより、すでにそこに技術があったので、生まれたものです。

実際に、VMSを利用いただいているお客様からは色々なアイデアが出てきています。何となく、インターネットという技術が登場したときに似た雰囲気も感じています。しかし、アイデアごとに個別のソリューションを開発していては、逆にお客様に負担をかけることになります。ですから弊社としては、さまざまな機能や利用シーンを必要に応じて拡張していけるようなプラットフォーム(基盤)を提供していければと思います。

小泉: 新しい施設を建てるときには、必ず防犯システムを検討しますよね。その際に、AIカメラとVMSで何ができるのかを知っておくことはとても重要だと思います。防犯カメラで何ができるのかを知らずにコストだけで選定してしまっては、あとから損をしてしまうこともあるでしょうから。

室川: おっしゃるとおり、実際にお客様からの引き合いが多いのは、建物を新設した場合です。とくにハイセキュリティの施設ですね。また、食品工場のように、商品の賞味期限が来るまでデータを長期間保存しておかなければならないような場合にも、VMSが求められます。なぜなら、クラウドサービスでも監視システムは構築できるのですが、その場合はデータ保存が最大で1週間までといった制限があり、長期間の保存ができないことも多いからです。

一方で、VMSの利用はスモールスタートでもまったく構いません。先程、スターバックス様では34,000台のカメラを管理しているといいましたが、1店舗あたりの台数は3~4台で、それらは各店舗の単位で管理されています。

重要なのは、ヒトがインテリジェンス(人間ならではの知性)を発揮した仕事ができることです。映像から必要な情報を抽出するのに、ヒトがずっとその映像を見ていないといけないというのは、とても効率が悪いです。また、会社で物が紛失したとき、それを探すのに無駄な時間がかかっているということも多いでしょう。そうした課題はどの企業にもあるはずです。それを解決するための手段として、まずはAIカメラとVMSを検討いただければと思います。

小泉: 本日は貴重なお話をありがとうございました。