カブドットコム、ストック・レンディング業務に人工知能技術を採用、業務拡大と省力化を同時に実現

カブドットコム証券株式会社(以下、カブドットコム)は、機関投資家向けストック・レンディング(株券等貸借取引)業務において、業務拡大と省力化を同時に実現することを目的として、株式会社日立製作所(以下、日立)の人工知能Hitachi AI Technology/H(※1)を利用したトレーディング支援システムを開発・検証し、実際の業務においてその有用性を確認することが出来た。

これにより、業務判断や操作において人手が介在することが多い証券基幹業務においても、人工知能を利用した同システムを本格的に採用することで、人員を増やすことなく業務を拡大し、また同時に、省力化も実現できることが実証された。

ストック・レンディング業務における貸出レートの決定は、これまでは、レンディング業務の担当者が過去の経験と各種の市況情報を用いて総合的に判断し算出していた。このため、場合により銘柄毎に数十分単位での時間を必要とすることもあった。

同システムは、優秀なレンディング・トレーダーの判断に近似した貸出レートを瞬時に自動的に生成するものだ。具体的には、まず、カブドットコムのストック・レンディング業務における過去のトレーディングデータや需給バランス、各種の指標など、合計で1,000種類を超える数値データをHitachi AI Technology/Hで分析し、貸出レートの予測方程式を作成。そして、この方程式の変数として直近のトレーディングデータなどを入力することで、最適な貸出レートを自動的に生成する。また、同システムでは銘柄毎に予測方程式を作成することができるため、各銘柄の特性に応じた貸出レートを算出することができる。

なお、実際の業務での活用にあたっては、同システムと既存のトレーダー双方の判断を併用し、トレンド変化のフォローや急激なレート調整が必要となる部分には、優秀なトレーダーの判断余地を残す。これにより、トレーダーによる判断内容を、次回以降に同システムで予測方程式を作成する際の元データとして利用し、さらなる精度向上を図ることができる。

同システムにより自動的に生成された貸出レートは、計算に人手を介在させる必要がない大半の銘柄において、既存の優秀なトレーダーによるものと同程度の品質を期待して利用することが出来るため、同業務の拡大において新たにトレーダーを増員させる必要がない。既存のレンディング・トレーダーは、借入ニーズの高い銘柄のトレードに特化し、結果、カブドットコムの顧客が利用する「貸株サービス」(※2)でのより魅力的で合理的な貸借料率での還元を実現する。

カブドットコムは1999年の創業以来、「金融のIT化」をその起業理念の一つに据え、技術主導によるリスク管理の追求と顧客満足度の向上に注力してきた。2016年1月にはFintech領域における先端研究・事業開発を行う社内プロジェクトチームとして「kabu.com Fintech-Lab」を設立、これまでの経験とノウハウを踏み台として、次世代金融サービスへの挑戦と同時に、これまで以上に顧客志向で利便性が高いサービスの提供と拡充を目指していく。

また、日立は今後もHitachi AI Technology/Hをはじめとする先進的なITを駆使し、カブドットコムにおける次世代金融サービスの開発・提供を支援していくという。

※1 Hitachi AI Technology/H:ビジネスに関連する大量かつ複雑なデータの中から、売上やコストなど組織のKPIとの相関性が強い要素と、その改善施策の仮説を効率的に導き出す人工知能。

※2 貸株サービス:カブドットコムに預託している株式、ETF、REITをカブドットコムに貸出し、その分の貸株料をお支払いするサービス。銀行にお金を預ける(貸す)と利息が付くように、証券会社に株式を預ける(貸す)と貸株料(貸株金利)がもらえる。

【関連リンク】
カブドットコム(kabu.com)
日立(HITACHI)

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