ファーウェイ、HUAWEI CONNECT 2016で同社クラウド戦略の全体像を明らかに

ファーウェイは、8月31日に開会した「HUAWEI CONNECT 2016」において、同社のクラウド戦略の全体像を明らかにした。ファーウェイの輪番CEO兼取締役副会長である胡厚崑(ケン・フー)氏は、同カンファレンス最初の基調講演で、ファーウェイはインテリジェントな世界を実現するイネーブラーとなり、またそれを推進するドライバーとなることを目指すと表明した。

ファーウェイは今後も顧客志向の企業文化を堅持しつつ、ICTインフラに注力したクラウド技術を提供し、デジタル変革とクラウド変革で選ばれるパートナーになることを目指していくという。同時にオープンな協業を通じて、ともに成功を分かち合うことでクラウド・エコシステムの発展にも積極的に貢献していくという。

胡氏は、ICTがインテリジェントな世界の基礎となると述べ、これを次の3つの要素に分けて説明した。あらゆるモノが周囲の状況を感知できるようにする「感覚器」としてのデバイス、すべてのモノをつなげるネットワーク、すべてのモノの背後で動きインテリジェンスの源泉となるクラウドの3要素だ。このデバイス-パイプ-クラウドの3要素が協調して動作するひとつのアーキテクチャこそが、将来に向けたファーウェイの投資における戦略的フォーカスとなるという。

胡氏はまた、次のように述べている。 「今後5年から10年で、多様なユース・ケースに自動で適応するさまざまなスマート・デバイスが登場するでしょう。すべての人とモノが周囲の状況を感知できるようになり、これらのスマート・デバイスがインテリジェントな世界への入口となるでしょう。また、光ネットワークや無線ネットワークはユビキタスで超高速なネットワーク接続を提供するでしょう。一方で、世界各地で互いにつながりあったコンピューターは膨大なデータを集め、クラウド上で『デジタル・ブレイン』を形成するでしょう。この『デジタル・ブレイン』はリアルタイムで進化し、老化することもなく、超高速通信とスマート・デバイスを介して人々やマシンが必要とする知性をいつでも提供することができるのです」

さらに胡氏は、今後は企業がクラウド時代の主役となり、業界や企業の具体的なニーズをもとにソリューションのイノベーションが実現されると語った。こうしたなか、ファーウェイは顧客志向を貫き、個々の企業顧客のニーズを深く理解し、それに対応できる技術を開発していくと述べた。

ファーウェイはこうした方針に基づき、統合されたオープンなアーキテクチャをベースとする、デリバリーと運用が容易なハイブリッド・クラウド・ソリューションを提供している。オープンで安全性の高いこうしたソリューションは、エンタープライズ・グレードのパフォーマンスをワンストップの統合環境で実現するもので、顧客の課題を直接的に考慮して設計された多様な機能を備えているという。

またファーウェイは、顧客への価値創出を軸としたクラウド・エコシステムを発展させ、エコシステム内のあらゆる組織が独自の付加価値で貢献することを重視している。胡氏は、ファーウェイが自社のみであらゆるクラウド・ソリューションを提供することはなく、エコシステムのイネーブラーとして、顧客が求めるさまざまなタイプのクラウド構築を支援することを目指すと強調した。

現在、クラウド分野で生まれた企業が最初のクラウド時代(クラウド1.0)の発展をリードし、世界各地で産業界に破壊的イノベーションをもたらしている。胡は、今後10年はクラウド2.0の時代となり、無数のインダストリー・クラウドが登場するとの考えを示したうえで、2025年までにすべてのエンタープライズITソリューションがクラウド化され、85%以上の企業アプリケーションがクラウド・ベースになるとのファーウェイの予測を紹介した。こうした時代では、あらゆる企業が自社の中核事業をクラウドに統合し、自社に最適な形のクラウド・ソリューションを追い求めるようになる。

胡氏は、ファーウェイ自身のクラウド化における経験の一部を紹介し、クラウドから価値を創出することが重要だと強調したうえで、企業が価値を創出するための3つの方法を提唱している。

「はじめに、企業はICTに対するマインドセットを変えることが不可欠です。 企業はICTを業務支援システムではなく、ビジネス創出のための中核システムとして捉え、テクノロジーを積極的に活用してビジネス・プロセスを刷新すべきです。二つめに、企業は人材に対する考え方を改め、自社の社員に基礎的なICT知識、とりわけクラウド技術に適用できるような知識を身につけさせることが必要です。三つめとして、企業は大きなビジョンを持って小さなアクションを積み重ねていかなければなりません。周到かつ段階的な改善によって前進していけば、新たなテクノロジーやそれがもたらす成功へのゆるぎない自信を構築できるでしょう」

胡氏は続けて、「クラウドはすべてを変化させています。私たちは変化を新しい時代に向かう過程と捉えています。クラウド2.0時代を生きる企業にとって、変化は希望です。アクションを起こすことで、未来を創造できるのです」と述べている。
 
【関連リンク】
ファーウェイ(Huawei/華為技術)

無料メルマガ会員に登録しませんか?

膨大な記事を効率よくチェック!

IoTNEWSは、毎日10-20本の新着ニュースを公開しております。 また、デジタル社会に必要な視点を養う、DIGITIDEという特集コンテンツも毎日投稿しております。

そこで、週一回配信される、無料のメールマガジン会員になっていただくと、記事一覧やオリジナルコンテンツの情報が取得可能となります。

  • DXに関する最新ニュース
  • 曜日代わりのデジタル社会の潮流を知る『DIGITIDE』
  • 実践を重要視する方に聞く、インタビュー記事
  • 業務改革に必要なDX手法などDXノウハウ

など、多岐にわたるテーマが配信されております。

また、無料メルマガ会員になると、会員限定のコンテンツも読むことができます。

無料メールから、気になるテーマの記事だけをピックアップして読んでいただけます。 ぜひ、無料のメールマガジンを購読して、貴社の取り組みに役立ててください。

無料メルマガ会員登録