スマートメディカルの音声感情解析技術「Empath」、UAE政府にて正式採用、解析音声データでうつ病診断も可能と発表

スマートメディカル株式会社は、2016年9月にアラブ首長国連邦(以下、UAE)の国家キャンペーンである「Express your LOVE for UAE (1): (UAEへの愛を示そう)」に対して、UAE国内におけるEmotion AI技術「Empath」(2)のライセンスを提供した。このキャンペーンは、サイフ・ビン・ザーイド内務大臣が率いる組織アクダール(3)が担当しており、UAE国民全体の愛国心と団結心を向上させる目的で様々な広報活動が実施されてきた。今後、12月2日のUAE建国45周年記念式典に向けて、公式ウエブサイト中に同技術を利用したアプリケーション(4)を導入予定だという。

スマートメディカルは、今年3月に幸福省を設立したUAE政府がかかげる、「世界一の幸福国家の実現」の支援に向けて、UAE国家機関職員や国民のメンタル管理にもEmpathが活用されることを目指している。

また、Empathで解析した音声データを使うことにより高い精度でうつ病診断が可能であることを経済産業研究所から論文発表した。

これは慶應義塾大学医学部精神神経科学教室の宗未来先生、独立行政法人経済産業研究所、統計数理研究所リスク解析戦略研究センターとスマートメディカルとの共同研究で、被験者の性別や年齢などの基本的な属性データのほかに、Empathで解析した音声データだけでうつ病状態の有無をどれだけ正確に診断できるかを検証し、音声データを使うことで高い精度でうつ病診断が可能であることを確認したという。詳細は経済産業研究所ホームページを参照。

(1) Express your LOVE for UAEキャンペーン
2006年にアクダールの発案で開始された国家キャンペーン。自国民人口100万人弱の国であり、産油国として、また中東の金融と観光の中心地として208か国の外国人を公務員として雇用するUAEでは、国家アイデンティティ確立と愛国心を向上させるための各種プログラムを実施している。

(2) Emotion AI技術「Empath」
Empathは、スマートメディカルが開発した音声気分解析技術。音声の物理的な特徴量から感情の状態を独自のアルゴリズムで判定するプログラムで、数万人の音声データベースを元に喜怒哀楽や感情の浮き沈みをリアルタイムで判定する。東京大学、奈良先端科学技術大学院大学との共同研究や株式会社NTTドコモの被災地支援事業で採用された。2016年3月にはWeb Empath APIがリリースされ、国内外の企業約70社がAPI利用に登録をしている。2015年3月には、同技術を活用した取組みが第一回ジャパン・レジリエンス・アワード(一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会より)で最優秀賞を受賞。またEmpath技術を利用したストレスチェック義務化対応アプリ「じぶん予報」は2015年12月のMCPC award 2015のプロバイダー部門において優秀賞を受賞。

(3) アクダール
UAE内務大臣兼副首相を務めるサイフ・ビン・ザーイド王子が主催する組織。
英文正式名称: Khalifa Student Empowerment Program : Aqdar
イブラヒム・アルダバル会長 (Dr. Colonel Ibrahim Al Dabal)

(4) 同技術を搭載したアプリ
アイラブUAEキャンペーン向けに開発されたアプリ。音声を入力するとリアルタイム解析により、瞬時にその時のポジティブな感情のレベルがゲーム的に表示される。

【関連リンク】
スマートメディカル(Smartmedical)
Express your LOVE for UAE
アクダール(Aqdar)
慶應義塾大学(Keio University)
経済産業研究所(RIETI)
統計数理研究所(ISM)
東京大学(The University of Tokyo)
奈良先端大(NAIST)
NTTドコモ(NTT docomo)

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