ルネサス、自動運転およびIndustry4.0の中核となる次世代高速ネットワークEthernet TSNの規格適合性を実証

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は、Ethernet Time-Sensitive Networking (TSN)規格に関して、世界で初めて(注1)、Ethernet TSNのプラグフェスタにて(注2)、Ethernet TSNの最大の特長となるフレーム割り込み処理に関する規格遵守性、および、相互接続性を実証した。Ethernet TSNは、現在、IEEE802.1のTSNタスクグループにより規格化が進められており、同グループは、イーサネット上の決定的通信(Deterministic Communication:遅延時間を保証し、データ消失のない、信頼性の高い通信)を、車載・産業通信の両用途で実現することを目指しているという。

TSN規格は、現在、プロオーディオ、車両内ネットワーク等に導入が進んでいるEthernet AVB (Audio Video Bridging)規格を拡張したもので、時刻同期、転送制御、割り込み優先制御(Preemption)、入力データ量統制 (Ingress Policing)を含むいくつかの特徴を持っている。これらの特徴により、Ethernet TSN規格は、自動運転の実現に向けた車載用途、および、Industry4.0の実現に向けた産業用途に十分対応可能な高速ネットワーク技術に進化するという。

ルネサスは、既に車載ネットワークへの導入が進んでいるEthernet AVBに対応した各種半導体ソリューションを提供しており、車両内通信に関する知見を活かしてTSN規格を推進し、世界に先駆けてフレーム割り込み処理に関する規格適合性を実証した。ルネサスは、現状の制御系システムのイーサネットによる置き換えも視野に入れ、TSN規格が車載ネットワークにより広範に導入されることを推進し、より安全な自動運転の実現に貢献するという。

また、ルネサスは、各種産業イーサネット通信に対応する産業ネットワークソリューションを提供し、Industry4.0の実現に向けて貢献している。これまでの産業用イーサネットは、さまざまな特定のデータリンク層(注3)技術により実現されており、そのことが異なる複数の産業用イーサネット間の接続を困難にしていた。ルネサスは、現状の産業用ネットワークをTSNによって接続することにより、ユーザが現在使用中の産業ネットワークを将来に渡って最適に使い続けられるよう、各種規格を相互接続することを可能とするソリューションの検討を開始している。

イーサネットスイッチを実現するために必要な多数のTSN規格の主な特徴は以下のとおり。

  1. 時間制御ストリームデータの転送制御(注4)
    同技術は“Credit-Based Shaping”として知られている、転送クラスごとに必要な転送帯域を予約することにより優先度の高いデータを優先的に転送する技術。
  2. スケジュールされた転送処理の拡張(注5)
    同規格により転送データは8種類のクラスのうちの1つに割当てられ、各クラスのデータはクラスごとに規定された周期で通信される。
  3. 時刻同期(注6)
    同規格は各ネットワークノードの時刻を同期するマスタースレーブプロトコル。
  4. フレーム割り込み/超優先転送(注7)
    TSNで導入された新しい方式で、時間制約の厳しいフレームがそれ以外のフレームの転送中に割り込むことで、遅延を最小化する技術。ルネサスは2016年に世界で初めて開催されたフレーム割り込み処理に関するAVnuプラグフェスタに参加し、同社技術の規格遵守性、および、相互接続性を確認している。

ルネサスは、Ethernet TSNの規格推進と、車載用、産業用での普及促進をとおして、自動運転ならびにIndustry4.0社会の発展に貢献していく。

(注1)2016年8月に世界で初めて開催されたフレーム割り込み処理に関するAVnu Alliance 主催プラグフェスタ(注2)にて実証

(注2)Ethernet TSNの接続性仕様を規定している団体であるAVnu Allianceにより主催され、同正規認証機関である、米国ニューハンプシャー大学(the University of New Hampshire, UNH)の相互接続性研究所(Interoperability Laboratory,IOL)により実施された接続性試験のイベント

(注3)ISO OSI参照モデルの第2層

(注4)時間制御ストリームデータの転送制御:Forwarding and Queuing Enhancements for Time-Sensitive Streams(IEEE 802.1Qav)

(注5)スケジュールされた転送処理の拡張:Enhancements for Scheduled Traffic(IEEE 802.1Qbv)

(注6)時刻同期:Timing and synchronization(IEEE 1588v2 / IEEE 802.1AS)

(注7)フレーム割り込み/超優先転送:Frame preemption/Interspersing Express Traffic(IEEE 802.1Qbu/802.3br)

【関連リンク】
ルネサス(Renesas)

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