【定点観測】アマゾンも自動運転カービジネスに参入-自動運転カー 1月アップデート

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自動運転カーが完全な実用化を達成するまでにまだ相当な時間が必要だが、多くの大手自動車メーカーはすでに実社会向けの自動運転車のテストを行っている。顧客のフィードバックや実際に走行した自動車から得られる道路交通情報を取得し、将来の自動運転カーのデザイン及び製造を、より実用的なものにすることを目指している。

また、新たな技術も相次いで研究開発されており、自動運転技術の発展をより推進させることが見込まれている。

ボルボ、4人家族を対象にした自動運転カーの実証実験を実施

ボルボはスウェーデンのヨーテボリ市で4人家族を実験対象にし、2017年中に自動運転カーへの乗車体験を可能とするする「Drive Me」プロジェクトを発表した。今まで道路上での自動運転カーのテストでは後部座席に同伴する乗客がいることもあったが、大抵の場合、同社のエンジニアなどが同乗していた。ボルボはこの新たな自動運転のテストを通じて、自動運転に関する顧客のフィードバックを資料として、今後、自動運転車設計の改善に使うというのだ。

今まで顧客が同乗した自動運転の実証実験は、Uberがピッツバーグ市とサンフランシスコ市で実施されたテストが有名だ。この場合でも、テスト中に顧客は確かに同乗していたが、運転席にいたのはUberのエンジニアであった。

一方、今回のボルボが実施する自動運転の実体験テストは、クルマの運転まで顧客に任せることになっている。

ボルボは一般的な顧客が、いかに自動運転車を操作するのかを把握し、顧客の好みと行動による自動運転の乗車体験の変化も明確することができるようになるのだ。

今後ボルボだけではなく、このようなテストは多くの自動車メーカーが実施することになると考えられている。

ロンドンで複数の自動運転車テストが実施

【定点観測】アマゾンも自動運転カービジネスに参入-自動運転カー 1月アップデート

ロンドン市内の道路状況は非常に複雑であるため、自動運転カーの実証実験地として理想的な環境であるといわれている。特に、車内搭載された人工知能システムにできる限り多くの実験データを獲得するためには、様々な環境で試運転する必要がある。

日産は2017年2月に最新バージョンの日産リーフ電気自動車を実験対象にし、ロンドンで自動運転カーのテストを実施することを決めた。

これで、日産はヨーロッパで自動運転カーのテストを行う、初の日本自動車メーカーとなる。ボルボも2018年に自動運転であることを明記しない自動運転カーをロンドン市内で走行させることを計画している。今まで実験してきた自動運転カーは、ほぼ全部が特別なマークをつけており、他の通行車両が普段と異なる挙動を示す可能性があるため、実験のデータと結果に影響を及ぼすかもしれないと考えられる。

ロンドン政府は2015年の始めから都市周辺地及びイギリスの一部地域で自動運転テスト実施に許可を出した。同テストの実施期間は18か月間から36ヶ月間まで続くが、公共道路で実験されることが一度もない。そして、官民パートナーシップを強化するグリニッジ市の「ゲートウェイプログラム」の一部として、2016年初にグリニッジ市内で自動運転のシャトルバスを運行し始めた。

しかし、今後ロンドンが、世界中でも代表的な自動運転カーの実験場になれるかどうかはわからない。アメリカの連邦政府と一部の州政府もかなり力を入れており、自動運転カーにたいしてより友好な環境を構築することを宣言している。業界の連携と自動運転カーの発展をより促進するために、アメリカ合衆国運輸省(The US Department of Transportation、DOT)は全国で10つの自動運転の試運転車道を作り、実験センターも様々な自動運転車メーカーに対して共同開放することを計画している。全体的に見ると、実験場の増加は自動運転カーの技術の発展にとってよく働き、自動車メーカー間の情報及びデータの交流も促進できるだろう。

アマゾン、自動運転システムの特許を取得

【定点観測】アマゾンも自動運転カービジネスに参入-自動運転カー 1月アップデート

大手の自動車メーカーのほかにも、Eコマース事業を運営するアマゾンが、最近自動運転に関する車線指定の技術の特許を取得した。この特許では、自動運転カーは、リバーシブルレーン(※)のある道路上でもナビゲートすることができ、車両の道路管理システムを通じて最適な車線を指示することができるという。

※リバーシブルレーン:渋滞緩和のため全幅3車線以上の道路において中央線(センターライン)の位置を時間帯によってずらし、交通量が特に多い方向の車線を特定の時間帯のみ増やす交通規制のこと

アマゾンはこの技術を即時に実用化させることはまだできないが、企業戦略として将来の自動運転技術を活用するロジスティクスのサービスの実現を狙っているという。

これにより、同社の輸送トラックに自動運転技術を組み入れ、他社の輸送サ―ビスの利用コストを下げることだけではなく、ドライバーの人件費をなくすこともできる。また、ドローンの配達サービスと組み合わせると、大規模なロジスティクスのサ―ビスを構築し、アマゾンのネットリテールビジネスに関する運営コストを多くに削減することも可能となる。

そして、自動車メーカーや技術会社、カーサービス会社などが自律車両の実用を進めるとともに、リバーシブルレーンのある道路上でのナビゲーションも、今後より重要になる。アマゾンはこの技術の特許があるため、車線走行の技術及び関連サ―ビスを自動運転サ―ビスが必要な会社に提供する事業も展開することができる。

他のロジスティクス会社はこの技術を利用してコストダウンを行い、さらにアマゾンと連携して運営コストを削減することも可能となるのだ。

一方で、アマゾンは自社のロジスティクスサービスを展開するためにいくつかの難関を乗り越える必要がある。UPSやDHL、FedExなどの大手ロジスティクス企業は何十年も産業経験とすでに立ち上げた大規模なインフラがあるため、アマゾンにたいして強力なライバルであると考えられている。そして、ロジスティクスの事業を発展させるためには、アマゾンは膨大な投資と政府との交渉も必要である。

アマゾンと同様に、多くの会社は積極的に自動運転技術の開発を進めている。例えば、3~6年でクルマのハードウェアを更新する伝統的な自動車メーカーと異なり、テスラは一年ごとに主要なハードウェアを開発することを公表している。

従来の自動車のビジネスモデルと区分し、テスラはフォードやGMなどの自動車メーカーより、アップルのような革新的な技術会社として発展していくことを狙っているのだ。

自動運転カーの技術やハードウェアの更新時期を短縮することと共に、クルマのモビリティも向上させることが期待できる。

関連リンク:volvo
Nissan
Amazon特許

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