経産省とIoT推進ラボが主催する、第三回 IoT Lab Selection レポート

3月13日に経済産業省とIoT推進ラボ主催による、IoTを活用した優れたプロジェクトを選定・表彰する「IoT Lab Selection」が一橋講堂にて開催された。本イベントにて最終選考に選ばれた8件のプロジェクトについて、公開プレゼンテーションによる審査が行われ、グランプリ、準グランプリが選定・表彰された。

IoT Lab Selection概要

IoT、ビッグデータ、人工知能等によって、世界的に産業や社会の在り方が大きく変わりつつある状況を踏まえ、日本における新たなIoTビジネスモデルの創出やIoTプラットフォーマーの発掘・育成を図り、新たな成長の原動力とすることを目的としたIoT推進ラボと経済産業省によるプロジェクト支援。

グランプリ 「大切な人が倒れたとき、命が助かる可能性を上げるアプリ」Coaido株式会社

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本イベントで最優秀賞となるグランプリを受賞したのはCoaido株式会社のAED利用のネットワークであった。このネットワークは急病患者がオフィス内などで発生したときにアプリを利用して周辺にいる人間に救援を要請することができるというものだ。

心停止になってから時間が経過すればするほど生存の可能性が少なくなるためAEDによる現場での心肺蘇生などの応急処置はできるだけ早く行われる必要がある。

近年AEDの設置が進んでいるが、利用法が周知されていなかったりどこに存在しているかの把握がなされていないため本来であれば助けられるはずであった命を救えないという事態が数多く発生している。

そういった問題を解決するためにCoaidoは119番通報が行われた際に位置情報を把握し、近隣のAED設置施設に連絡を行い、さらに近くの救命知識保有者にSOSを発信し、応急処置の指示を仰いだり実際に現場に駆けつけてもらうといったことができる。また、チャット機能を備えておりGPSなどでは把握しきれない救命現場の階数などを伝えることも可能になっている。

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既に愛知県と宮城県で実証実験が行われており、2017年には東京都での実証実験が予定されており、使われるべきタイミングにもかかわらず使われていないAEDの活用、救えるはずの命を救う一助となっていくと考えられる。

準グランプリ 「野生動物装着センサ網による時空間情報ネットワーク」小林博樹(東京大学空間情報科学研究センター)

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準グランプリを受賞したのは小林博樹氏による野生動物をを利用した情報ネットワーク構築であった。これは野生動物を利用して山の中などの情報インフラが整っていない地域でのデータ収集を可能にするというものである。

 

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仕組みとしては僻地にあるマイクなどのセンシング機器のデータを付近にいる野生動物に搭載したストレージへ短距離無線などを使用して送信を行う。野生動物間のデータ通信を行う際には常に通信モジュールをアクティブにしていると電池の減りが早くなり実用的ではないため、野生動物が他の野生動物に遭遇した際に行う威嚇行動を加速センサーで検知し他の動物と接触があったと思われる場合に通信をアクティブにすることで電池の減りを極力減らすことができる。

講評

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IoT推進ラボ 座長 冨山氏は講評として「回を重ねるごとに作品のクオリティが上がっており、今後もIoT Lab Selectionには期待したい。また、グランプリ、準グランプリなど問わずにファイナリスト8組のプロジェクトに関しては規制緩和などを通じて経済産業省から支援を行っていくので、継続して協力していきたい」と述べた。

【関連リンク】
IoT推進ラボ(IoT Acceleration Lab)
経済産業省(METI)