OKI、車載電子機器・装置のEMC試験と信頼性試験を行う「カーエレクトロニクス テストラボ」開設

OKIグループの信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(以下、OEG)は、埼玉県本庄市に「カーエレクトロニクス テストラボ」を開設し、4月13日より稼働開始した。需要が急伸している車載電子機器・装置のEMC試験(※1)と信頼性試験の受託サービス体制を強化し、対応能力を大幅に増強するという。

車載電子機器・装置の高度化・高密度化・IoT化に伴い、製品の対象試験や規格も多様化が進んでいる。また将来、運転支援などのため車車間や路車間で通信するコネクテッドカーが増加すると見込まれており、車載電子機器・装置は、今まで以上に車内外で発生する多方向からの多様な電磁環境に曝される。これに伴い高額な専用試験装置や、熟練した高度なスキルをもった技術者による、EMC試験と信頼性試験が求められており、最先端の試験装置と技術者を揃えた試験専門会社の受託サービスに対する需要が高まっている。

OEGでは、車載電子機器・装置のさらなる増加に伴い試験サービス需要もさらに増加し既存設備稼働の飽和状態が続いていた。今回、車載電子機器・装置の試験設備を強化・統合して、顧客を待たせることなく円滑にワンストップで試験サービスを提供する「カーエレクトロニクス テストラボ」を本庄事業所内に新設した。

新設の「カーエレクトロニクス テストラボ」は、車載電子機器・装置専用の電波暗室4室と電磁波を持続的に反射反響させるための電磁波攪拌装置を設置して、多方向からの電磁波耐性試験が可能なリバブレーションチャンバー(※2)など、EMC試験設備、熱衝撃や泥水・塩水に対する耐性評価を行うアイスウォーター衝撃試験や、冬季の道路使用環境を模擬した塩水複合サイクル試験などの信頼性試験設備を備えている。

隣接する「第一EMCセンター」「第二EMCセンター」の大型機器用電波暗室2室や、「北関東試験センター」のガス腐食試験など各種環境試験設備と連携することで、多様な試験要求への対応を可能としている。また半導体デバイスの評価・解析を行う氷川台本社ラボとの連携で、顧客製品の高品質を実現するという。

同ラボの稼働により、試験待ち時間が短縮されることで、顧客の製品開発時間の短縮に貢献するとともに、今後のさらなる試験需要増に応えるための体制も整い、顧客の試験ニーズに応え製品の信頼性向上に寄与していくとしている。

「カーエレクトロニクス テストラボ」の主なサービスは、コネクテッドカーに搭載される、車載電子機器ユニット・車載電子部品の環境試験(振動、高圧、水、塵埃、赤外線、紫外線、オゾン、塩水、温湿度、気圧、ガス、二次電池充放電など)やEMC試験(耐電磁波)を模擬し、耐性を評価。

OKI、車載電子機器・装置のEMC試験と信頼性試験を行う「カーエレクトロニクス テストラボ」開設

「カーエレクトロニクス テストラボ」の主な試験設備の仕様は以下の通り。

  • 車載電波暗室 L:6.5m x W:7.0m x H:4.0m
  • リバブレーションチャンバー L:6.9m x W:4.6m x H:3.8m
  • 大型恒温恒湿室 L:3.9m x W:2.5m x H:3.0m
  • 大型塩水噴霧試験機 L:1.0m x W:2.0m x H:0.5m(試験槽内寸)
  • 複合環境振動試験 L:0.8m x W:0.8m x H:0.8m(試験槽内寸)

※1. EMC試験
EMC(Electromagnetic Compatibility)は電磁的両立性であり、EMI(Electromagnetic Interference)電磁妨害EMS(Electromagnetic Susceptibility)電磁耐性とからなる。EMC試験は、供試体の電子機器から電磁的ノイズを発生し他に妨害を与えないこと(EMI試験)、および外部からの電磁波で供試体の電子機器が影響を受けないこと(EMS試験)を確認する試験。

※2.リバブレーションチャンバー
多方向からの電磁波を模擬するため、金属製の内壁で覆われ、電磁波を攪拌させ反射させる装置を内蔵した、反射反響環境を作り出す部屋のこと。

【関連リンク】
沖エンジニアリング(OEG)

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