マイクロソフト、産官学連携で構築する「農業データ連携基盤」でMicrosoft Azureを活用したデジタル農業を実現

日本マイクロソフト株式会社は、慶應義塾大学を代表に産官学が連携して構築する情報連携プラットフォーム「農業データ連携基盤」において、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(以下、Azure)」を活用した基盤構築を中心に協力する。「農業データ連携基盤」は、農業におけるICT活用推進に向けて、農業ICT関連の様々なサービスの連携、データの共有・活用、そして公的機関等の保有する農業・地図・気象関係のデータ(オープンデータ化)を構築するもので、デジタル農業の実現を目指すという。

現在、日本の農業は、高齢化の進行による若い農家の担い手の不足や、ベテラン農家の技術継承の問題など、大きな課題があり存続の危機が謳われている。この課題を解決する為に、ICTを活用して農業の生産性を高める取り組みが始まっているが、各農業ICTサービス間の相互連携が無いことや、公的データが散在していること、ICT活用が困難な状態のデータが多いことなどが大きな阻害要因となっている。

この課題を解決する政府の方針としても第6回未来投資会議において、安倍首相より、官民で気象や地図などのデータを出し合い、誰でも簡単に使える情報連携プラットフォームを本年中に立ち上げると表明があった。この情報連携プラットフォームは「農業データ連携基盤」として、様々な農業ICTサービス、農業機械、IoTセンサー間でデータを連携し、農業ICTベンダーの壁を越えて、異なるシステム間でのデータの活用を実現する。

また、公的機関や研究機関が保有する様々なデータの集約、更に一定のルール下で農家個々人のデータの共有が可能となるビッグデータを形成できる。この取り組みにより、ベテランの経験と勘のみに頼るのではなく、データを活用した農家の経営改善や生産性向上、気象データ等を活用した作物の安定供給、更にはベテラン農家の技術継承やこの技術とデータを融合した高品質生産などのより、おいしく安全な作物を収穫でき、もうかる農業を目指すとしている。

Azureの活用における利点は以下の通り。

  • 民間企業のみならず世界の多くの政府、行政機関で社会インフラを担う仕組みの基盤として採用され、国内外を問わず農業分野でも数多くの実績がある
  • オープンソースのプロジェクトを含む様々なサービスを仮想環境で円滑に運用できるだけでなく、データ基盤としてIoTやビッグデータ、AIなど先進的な機能を用意に利用しサービスを構成することができるPaaS機能を備えていて、「農業データ連携基盤」で求められるさまざまな業界をまたがる多くの事業者からのデータの連携、格納、利用が容易に実現できる
  • 最高レベルの国際標準が設定されたセキュリティ
  • Azureが、日本セキュリティ監査協会JASA-クラウドセキュリティ推進協議会が制定した「クラウド情報セキュリティ監査制度」において、日本初となる「クラウドセキュリティ(CS)ゴールドマーク」を取得
  • 国内2拠点(東日本、西日本)にある堅牢性を備えたデータセンターからサービスが提供され、災害対策環境が整備されている
  • 日本のデジタル農業の輸出を想定し、海外利用でもパフォーマンスを出せるクラウドプラットフォームである

データを活用した農業は以前から取り組まれていたが、製造業など他の業種にくらべて関係者での情報の連携、活用が遅れていた。特定の事業者に依存しない共通の連携基盤が整備されることにより、農業生産者だけでなく流通、販売や金融、保険にいたるまで農業に関連する事業者がデータを活用した事業に変革することができる。Azureは既に多くの事業者で業務サービスの基盤として採用されているため、様々な農業ICTサービスとも容易に連携することができるという。

また、これまで個別に管理していたデータを第三者が利用し、海外販売や6次産業化などの新しい農業にかかわるビジネスを創出することが期待できる。海外の農業生産者、販売事業者などとも容易に連携ができる為、Azureを活用したデジタル農業は、日本の農業を強化し、大きく発展することへ貢献するとしている。

<「農業データ連携基盤」( データプラットフォーム )の概要>

プロジェクト名 農業データ連携基盤の構築
期間 ~平成31年3月末(SIP予算)
プロジェクト概要 農業の担い手誰もがデータを駆使して生産性の向上や経営の改善に挑戦できる環境を生み出すため、データ連携機能やオープンデータの提供機能を有する「農業データ連携基盤」を平成29年中に構築。構築に向けて、農業ICTベンダー、農業機械メーカー、研究機関、農業者及び農業者団体等の農業分野に関係する多様な主体が参画したコンソーシアムを設立。
併せて、ほ場の地図情報、市況データ、土壌データなど公的機関等の保有する情報のオープン化を進める。
農業データ連携基盤の機能 (1) データ連携機能農業
ICTベンダーや農機メーカー等の壁を越えて、様々な農業ICT、農業機械やセンサー等の間のデータ連携を可能にする。
(2) データ共有機能
一定のルールの下でのデータの共有が可能になり、データの比較や生産性の向上に繋がるサービスの提供を可能にする。
(3) データ提供機能
土壌、気象、市況など、様々な公的データ等のオープンデータ、民間企業による有償データ等の蓄積を図り、無償・有償での農家に役立つ情報の提供を可能にする。
(4) サービス連携機能
精密気象予報、精密地図等、既に提供されている民間の有償サービスとの連携を図り、プラットフォームを介し、個々の農業者が目的や時期に合わせてこれらサービスの利活用によりエビデンスベース農業の実現を図るための措置。
プロジェクト代表 慶應義塾大学SFC研究所
農業データ連携基盤( データプラットフォーム )参画機関 井関農機株式会社、NEC(日本電気株式会社)、NECソリューションイノベータ株式会社、NTT(日本電信電話株式会社)、NTT空間情報株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社ハレックス、株式会社クボタ、慶應義塾大学SFC研究所、全国農業協同組合連合会、ソフトバンク・テクノロジー株式会社、株式会社日本総合研究所、公益社団法人 日本農業法人協会、 日本マイクロソフト株式会社、株式会社ネクストスケープ、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構、農匠ナビ株式会社、パナソニック株式会社、株式会社日立ソリューションズ、株式会社ビジョンテック、富士通株式会社、ヤンマー株式会社、株式会社ライフビジネスウェザー
関係省庁 内閣府、農林水産省、内閣官房、総務省
予算等 同研究は、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」(管理法人:生研支援センター)によって実施される。

【関連リンク】
マイクロソフト(Microsoft)
慶應義塾大学(Keio University)

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