&AND HOSTEL, 変なホテルにみる、ホテルのIoT ーBACKSTAGE2017 レポート

人件費の削減という課題というよりは、高級ホテルですら、「なり手不足」を解消しないといけないという切実な現実、2020年の東京オリンピックに向けたインバウンド対策、観光の拠点としてどうホテルが機能すべきなのか、などホテルが解決すべき課題は多いといえる。

体験型マーケティングに学ぶという趣旨で、虎ノ門ヒルズで開かれた、BACKSTAGE2017だが、その中でもホテル業界でのIoTやAI、ロボットの利用に関してレポートする。

アンドファクトリーが仕掛ける、スマートホテル &AND HOSTEL

BACKSTAGE2017 AND HOSTEL
代表取締役CEO 小原 崇幹氏

スマートフォンアプリを作るコトからスタートしたアンドファクトリーは、体験型IoTホステルを経営する企業で、&AND HOSTELというホテルを聞いたことがある人もいるだろう。

&AND HOSTELは、 ドミトリーやカプセルホテル、ユースホステルと同じ価格帯で提供していて、ドミトリー方式の部屋とIoT Roomとなる個室があるのだという。

BACKSTAGE2017 AND HOSTEL

現在、IoT Roomは10個くらいのデバイスがはいっており、それを体験することができるというのだ。

BACKSTAGE2017 AND HOSTEL

福岡県の中洲にあるホステルは、海外のドミトリーで泊まる人や周辺の人もあつまっていて、稼働率も93.2%と高い稼働率が実現できているという。また、今年の5月に浅草、6月に上野でオープンしており、2018年には10店舗まで拡大する予定ということだ。

&AND HOSTELでできること

これまでのIoTデバイスは「鍵を開ける」、「電気をつける」、「エアコンを操作する」など、それぞれの専用のアプリが必要であった。そこをプラットフォーム化し、一つのアプリ開発の知見を活かして、全てのIoTデバイスを操作できるように独自開発したという。

BACKSTAGE2017 AND HOSTEL

例えば、快適な目覚めを演出するために、MESHで光量をとり、morninでカーテンを開ける。それとともに、BOCCOが起こしてくれて、iRemoconでテレビが自動でつく。他にも、スマートロックが開くとライトがつくということが実現できているのだ。こういったデバイス連携による体験価値の向上を行っているところが面白い。

また、IoTを人件費削減に使いたいという要望が多いが、こういう取り組みを行うことで削減予知は多いと述べた。

さらに、この取り組みからSONY、 SOFTBANK、KDDIなどとの協業も進めているということだ。AND HOSTELをマーケティングの場として活用したいというメーカーもあるという。

プロダクト先行でユーザからの声が取れないという課題がナショナルクライアントでもでていて、この施設を通した定量的、定性的フィードバックを行うことができているからだ。

他にも、町ぐるみの取り組みとして、福岡、中洲川端商店街では、&AND HOSTELで宿泊客が指紋登録することで、指紋で決済をする「Liquid」のでの決済を実現する、という取り組みを、インバウンド向けに行っているということだ。

ハウステンボスからスタートし、すでに千葉、愛知でも展開している 変なホテルとそのソリューションの提供

BACKSTAGE2017 変なホテル
ハウステンボス・技術センター株式会社 岩爪猛氏

今年の3月に25周年を迎えたハウステンボス。そこで話題となっていて少なからず知っている人も多いであろう「変なホテル」。そのの立ち上げの責任者となっていた、岩爪氏から変なホテルのその後について話された。

実は当初、ロボットホテルを開業させるというミッションはあったものの、理系でもなかった岩爪氏は、「自分があって便利なものはなにか?」ということの自問から始めたのだという。

当初、「ロボットがホテルの運営なんてできるわけがない」と否定的な意見も多かったが、今やっと時代が追いついてきて、様々な場所で展開できていると、岩爪氏はいう。

BACKSTAGE2017 変なホテル

また、当初は、「ロボットが人の仕事を奪うので、人はなにをするのか?」という質問が多かった。しかし、実際は人手不足で人材がいない状況で、どんどん高齢化もすすみ、次世代の人材が育つ前に退職されてしまう。過去の知識なども受け継がれていないのが現状だという。

これらのことから、実際はもう、ロボットが単純な仕事はやらなければならない時代がきているのだと述べた。

これまでは、人の仕事を奪うと誤解されてきたが、これからは、最新の技術をつかってロボットとも共存する社会が出来上がっていくのだ。

ロボットがサービスに組み込まれる時代

BACKSTAGE2017 変なホテル

2007年6月28日にアメリカでiPhoneの初号期が発売された、そこからたった10年でロボットがサービスするホテルがオープンした。

日常の中にロボットがいる、単純な仕事はロボットにさせる。人間は知恵を使う仕事、頭を使う仕事にシフトしてるのだ。

スマートフォンが登場してから10年ほど経過し、様々なデータが蓄積されたことで、ここ1−2年で人工知能の活用もすすんでいる。

本来、ロボットなどには無縁な、エルメスやルイヴィトンような伝統や歴史を重んじるようなブランドまでデジタルを取り入れ、その世界に進出してきていると考えている状況で、例えば、ルイヴィトンのスマートウォッチは、アンドロイドが組み込まれていて、シリコンバレーで作られているという。

フルサービスホテルでの導入を目的としたポーターの例

BACKSTAGE2017 変なホテル

こんな中、誰もが知っている一流ホテルで、より最新の技術を使ったポーターサービスを実現しようとしているという。

現在、ホテルのチェックインでは、フロント1名、ベル係1名、お部屋へのご案内係1名、計3名のスタッフが1組のお客様を担当する。

お客様がチェックインしている間に、高級ホテルでは裏動線でお客様の部屋に荷物を運ぶ。様々な説明が終わったところで別の係が部屋に案内するという業務フローだ。

そこで、ポーターロボを導入することで、この1名分は削減可能となるのだ。

最後に、今後、反復作業はロボットに変わっていく。今後の人材は経営学を学び、クリエイティブな仕事をやっていくことが重要だと述べ、ロボットサービスを導入する場合、まずは、プランニングし、検討する。その後ホテルを立ち上げた時の経験を活かして、ちゃんと機能するまで、実施とオペレーションの確認をやっていくということが必要だと述べた。

参考:
&AND HOSTEL
変なホテル

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