ファーウェイ、 同社初の開発者会議においてデベロッパー・エコシステム戦略を発表 開発者支援に総額 10 億米ドルを投資

ファーウェイは10月19日、「第1回ファーウェイ・デベロッパーズ・コングレス(HDC)」において、同社のオープンなICTデベロッパー・エコシステム戦略を発表し、今後、10億米ドル(約1,194億円※)を投じて開発者支援をしていくことを発表した。

ファーウェイ、 同社初の開発者会議においてデベロッパー・エコシステム戦略を発表 開発者支援に総額 10 億米ドルを投資
深圳市内のユニバーシアード・スポーツ・センターで開催された「第1回ファーウェイ・デベロッパーズ・コングレス」

ファーウェイ専務取締役兼プロダクト・ソリューション・グループプレジデントである丁耘(ライアン・ディン)は次のように述べている。

「ファーウェイはこれまで、ICTインフラに注力し、革新的かつ先進的なICTソリューションを開発者にオープンにするとともに、通信事業者および企業向けにオープンな開発環境と開発支援プラットフォームを構築してきました。その目的は、開発者による革新的なサービスの開発を支援し、お客様のビジネス・ニーズに迅速に応えることです。ファーウェイは今後5年間で10億米ドルを開発者支援に投じるとともに、開発支援プラットフォームを構築し、開発者の皆様と協力してイノベーションを創出していきます」

丁はまた、ファウェイがこれまでクラウド・コンピューティング、ビッグデータ、IoT、モバイル・ブロードバンド、SDN、BYODなど最先端技術を開発者向けに公開してきたことにも触れ、このような技術協力や人材育成に加えて、今後より一層、開発者とのパートナーシップ構築を強化していくと述べた。

ファーウェイ、 同社初の開発者会議においてデベロッパー・エコシステム戦略を発表 開発者支援に総額 10 億米ドルを投資
HDCで基調講演を行うファーウェイ 専務取締役兼プロダクト・ソリューション・グループ プレジデント 丁耘

 

ファーウェイは、LEADS(Labas aService:サービスとしてのラボ、End-to-end:エンド・ツー・エンド、Agile:アジャイル、Dedicated:専用、Social:ソーシャル)という考え方に基づき、eSDK(Ecosystem Software Development Kit)と呼ばれる開発者中心のプラットフォームを構築することを発表した。

このプラットフォームは、開発者による技術イノベーションを加速し、他と一線を画すソリューションの開発を効率的に進めることを可能にする。

ファーウェイプロダクト・ソリューション・グループ戦略・ビジネス開発担当プレジデントである肖然(エバン・シャオ)は次のように述べている。「ファーウェイは、クラウド・ベースのサービスとしてのラボ、エンド・ツー・エンドの開発リソース、アジャイルな開発プロセスとツール、24時間365日オンライン・サポートを行う専任のエキスパート、パートナー企業間の交流をサポートするデベロッパー・ゾーンを提供します」肖はさらに、開発者支援プランに含まれる以下の5つの取り組みについて説明した。

  • イノベーション基金
    革新的なソリューションを共同で開発するパートナー企業に機器、資金、技術を提供
  • 開発サポート
    開発者が自社のビジネスに注力し、ソリューションを効率的に開発するためのオープン・プラットフォームとリモート・ラボを構築
  • ファーウェイによる認証制度
    開発者の開発力とソリューションに対する認証を実施
  • 人材育成
    研究開発、セールス、デリバリーに関するトレーニングを提供
  • 開発マーケティング基金
    開発者によるソリューション・エコシステムの構築、革新的なソリューション・マーケティング、セールス・インセンティブを支援する資金を提供

ファーウェイはHDC本会議において、パートナー企業との成功事例に加え、パブリック・クラウド、ビッグデータ、IoT、SDN、アジャイル・ネットワーク、eLTE、BYODなど分野における同社のオープンな取り組みを紹介した。

ファーウェイのエンタープライズ・クラウドには、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ、データ分析など10分野にわたる19のオープン・クラウド・サービスが含まれている。また、ファーウェイは中国の放送設備メーカー索貝(Sobey:ソーベイ)とともに革新的なHDメディア・コンテンツの製作方法に関する共同研究を行っているほか、湖南テレビ局による先進的なコンバージェント・メディア・クラウドの構築も支援している。

ファーウェイは、同社のIoTコネクション・マネージメント・プラットフォームにおいて、ネットワークAPI、セキュリティおよびデータをオープン化した。また、ファーウェイは、エージェント、SDK、LiteOS、デバイス用チップ、アクセス・ゲートウェイ用チップの開発サポートも行っている。これらは、IoT向けアプリケーションの開発において、デバイスへの迅速なアクセス、独自のユーザー・エクスペリエンスの提供、接続セキュリティの確保、オンデマンドでのデータ取得を実現するために最適なものだ。

ファーウェイのオープンなSDNコントローラーを活用し、米F5ネットワークスは、ネットワーク・パフォーマンスの最適化やセキュリティ保護などの先進的なエンタープライズ・アプリケーションを提供し、顧客企業のサービス・エクスペリエンス向上に成功した。

また、中国・北明ソフトウェアは、ファーウェイのアジャイル・ネットワーク・アクセス・ルーターおよびアジャイル・コントローラーを使って、モバイル・バス運行システムを開発した。このシステムによって機器、アプリケーション、車内広告の集中管理が可能になり、バスの運行効率が大幅に向上した。

救急・警備サービスを提供する中国の上海廸愛斯(DS)は、ファーウェイのeLTEブロードバンド・トランキングおよびマルチメディア・マネージメント・ソリューションを使って、ビジュアル・マルチメディア・サービス向けスケジューリング・システムを開発した。このシステムは、顧客リクエスト対応とリソース・スケジューリングをより迅速にし、緊急指令の発信を効率化するといった多くのメリットを生み出し、中国内外の多くのプロジェクトに採用されている。

HDCでは、米ACニールセンのほか、中国で企業向けモバイル・インターネット・ソリューションを提供する訊盟(シュンメン)やヘルスケア・ウェブサイトを運営する91160.comなどのパートナー企業が、通信事業者のオープン技術(位置情報、会議機能、音声通話、ビデオ機能など)を使って、広告やマーケティング、モバイル・オフィス、O2OEコマース・キャンペーンの差別化を行った成功事例を紹介した。

2日間にわたる同イベント期間中、ファーウェイは米マイクロソフトや中国石油グループ傘下の中油瑞飛などのパートナー企業と戦略的提携を締結した。また、印インフォシス、中国のアイソフトストーン、墨提斯(モティス)などのパートナー企業との共同ソリューションの立ち上げも行った。さらに、FushionSphereアライアンス、OpenLifeアライアンスBYODアライアンスなどファーウェイが主導する取り組みにおいても、最新の進捗について議論した。

HDC会場に設けられた6,000平方メートルにおよぶ「イノベーション・ファクトリー」では、さまざまな業界でファーウェイのオープンなICTソリューションが活用され、オープンAPIを使ったアプリケーション開発が行われている事例を紹介した。来場者はデモやハンズオンを通じて、オープン・プラットフォームやツールがもたらす効率や利便性を体験した。
※1米ドル=119.48で換算(2015年10月19日現在)

 

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