ルネサスとCodeplay、ADAS開発に向けてR-Car用のOpenCLおよびSYCLを共同開発

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)と、マルチコア向け並列コンピューティングおよびコンパイラの専業メーカであるCodeplay Software Ltd.(以下、Codeplay)は、ルネサスの車載用SoC(System onChip)「R-Car」向けに、Codeplay独自のOpenCLフレームワーク「ComputeAorta」を提供すると発表した。

今後、ルネサスとCodeplayは両社の協業の下、ComputeAortaを「R-CarV3M」を中心に、「R-Car H3」を含む他のR-Carにも拡充していく意向だ。

新フレームワークは、ルネサスが長年開発に注力している、低消費電力で高い並列処理性能を実現する画像認識およびコグニティブ処理専用IP(Intellectual Property)「IMP-X5」用のソフトウェア開発をサポートする。また、Codeplayは、OpenCLとC++を単一ソースで記述可能な言語SYCLをサポートする「ComputeCpp」を提供する。

ルネサスとCodeplay、ADAS開発に向けてR-Car用のOpenCLおよびSYCLを共同開発

ルネサスとCodeplay、ADAS開発に向けてR-Car用のOpenCLおよびSYCLを共同開発

これらにより、ユーザはC++の特長であるオブジェクト指向プログラミングの手法を取り入れつつ、標準的なC/C++言語の開発環境で、画像認識ソフトウェアやオープンソースのTensorFlowライブラリ等を使用したディープラーニングのソフトウェアを開発できる。

したがって、ユーザはR-Carの高性能と低消費電力というメリットを享受しながら、自社のイノベーション開発に注力することで、先進運転支援システム(Advanced Driving Assistance System: ADAS)の開発期間を短縮できるのだという。

R-Car向けComputeAortaおよびComputeCppの主な特長は以下の通りだ。

1. マルチスレッドプログラミングによる高いコンピューティング性能を最大限活用可能

ComputeAortaは、自動車のOEMメーカやTier1メーカが、R-Car、特にIMP-X5のコンピューティング性能を最大限に活用するためのOpenCL向けハードウェア抽象化レイヤだ。

ComputeCppは、OpenCLをC++に拡張するためのフレームワークであるSYCL実装の一つであり、ユーザはComputeCppを使用することで、ヘテロジニアス環境でのマルチスレッドプログラミングを単一のC++ソースコードで実装できる。

ユーザは、これらのフレームワークを使用することで、マルチスレッドによるIMP-X5のコンピューティング性能を100%活用できるという。

2. 開発工数を削減し、開発期間を短縮

ComputeAortaとComputeCppのサポートにより、ユーザは標準的なC/C++言語の使いやすい開発環境を使用できる。また、ユーザは標準化されたOpenCLおよびSYCL言語仕様のみを学習すればよく、IMP-X5ハードウェアの詳細を理解する必要はない。

これにより、従来は一カ月程度の期間を必要としていたIMP-X5上のマルチスレッドプログラミングをわずか数日で完成させることができ、システム開発期間を短縮できるという。

3. オープンソースのエコシステムを活用

ユーザやメーカは、OpenCLやSYCLを使用した画像認識およびコグニティブソフトウェアを開発するオープンソースコミュニティに参加することにより、既存のソフトウェア資産やエコシステムによる成果を利用できる。

【関連リンク】
ルネサス(Renesas)
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