エスアイアイ・セミコンダクタと大成建設、電源・配線が不要な漏水検知システム 「T-iAlert WD」を開発

セイコーインスツル株式会社(以下、SII)の子会社で、半導体の製造・販売を行うエスアイアイ・セミコンダクタ株式会社と大成建設株式会社は、エスアイアイ・セミコンダクタの「CLEAN-Boost技術」(※1)によるICタグを用いた、電源や配線工事が不要な漏水検知システム「T-iAlert WD」(※2)を共同開発した。2018年内の製品化を目指す。

同システムを導入することにより、電源や配線敷設などの電気工事を行わず、建物内での漏水位置を正確かつ迅速に検知することができるため、早期に建築物修繕などを実施でき、定期点検の効率化が可能になるという。

建物内の雨漏りなどによる漏水は建築材料や設備機器の劣化などの要因となり、早期に発見し修繕することが重要だ。しかし、従来の漏水検知システムは建物内に漏水検知帯を張り巡らせる必要があるため、電源や配線工事が必要であり、またワイヤレスタイプの漏水検知システムでは漏水検知センサーのサイズ自体が大きく、個別の電源や一部配線工事が必要なことから高コストにつながるという課題があった。

そこで、エスアイアイ・セミコンダクタと大成建設は、ICタグを用い漏水位置を的確に検知するメンテナンスフリーのシステム「T-iAlert WD」を開発した。同システムの特徴は以下のとおり。 

  1. シンプルな仕組みで漏水検知が可能
    2種類の金属を組み込んだ漏水検知部とICタグで構成され、検知部が水と接触した際に自己発電により微弱電力を発生させ、この電力を電源としてICタグが電波を発信。このため、従来のセンサーに必要だった電源、配線敷設、電池交換が不要となり、簡便かつ自由な配置で検知部を設置することができる。
  2. 漏水位置を正確に特定し、情報を共有
    漏水検知に用いるICタグには予めIDが設定され、IDと設置場所が紐付けられている。ICタグから発信された情報は、ートウェイを介してインターネットと接続したクラウド上に集約され、漏水位置・時間を正確に特定することが可能。パソコンやスマートデバイスなどを用いて、関係者間で情報共有することができる。
  3. 低コストで検知が可能
    従来の検知システムと比較して、電源や配線が不要なため、約3割のコスト削減が可能となる。また、早期の漏水検知により建築物の修繕維持費を低減することができる。
  4. リニューアルへの対応が可能
    設置の際に電源や配線敷設などの電気工事を必要としないため、稼働中の施設への漏水検知システムの導入にも容易に対応することが可能。

※1 CLEAN-Boost 技術
エスアイアイ・セミコンダクタが開発した微少なエネルギーを蓄電、昇圧して利用する回路技術で、コアとなる蓄電昇圧回路技術は立命館大学との共同研究によって生まれた。

※2 T-iAlert WD
T-iAlertは、大成建設が計測・予測・評価に基づく安全安心の確保や災害防止などを実現するツールとして開発を進めている自動警報技術の総称で、今回の技術名称で使用しているWDは、水検知を示す英文表記(Water Detection)の略称。

【関連リンク】
エスアイアイ・セミコンダクタ(SII Semiconductor)
大成建設(TAISEI)
立命館大学(RITSUMEIKAN UNIVERSITY)

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