NXPセミコンダクターズが車載プロセッシング・プラットフォーム「S32」を発表、EVや自動運転車の開発スピード向上に寄与

大手車載半導体サプライヤであるNXPセミコンダクターズは、車載プロセッシング・プラットフォーム「NXP S32」を発表した。

同プラットフォームは、スケーラブルな車載コンピューティング・アーキテクチャ。プレミアム・カー、量産車の双方で近く採用予定で、統一化されたアーキテクチャのマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(MCU/MPU)製品群と、多様なアプリケーション・プラットフォームに対応可能な単一のソフトウェア環境を提供する。

現代の自動車はさまざまなアプリケーションと完全に異なるソフトウェア開発手法が複雑に混在しており、自動車メーカーにとってそれらの統合が大きな課題となっている。

自動車業界の推定によると、先進的な自動車ではソフトウェア・コードの行数(LOC)が最新の旅客機よりも多くなると言われる。こうした複雑さにより、自動車メーカーと車載サプライヤにとってさらに厳しくなる市場投入期間の制約の中で、高度なエレクトロニクス機能への市場の期待に対応することが、非常に大きなプレッシャーとなっている。

NXPのS32プラットフォームは、車載MCU6、MPU製品群へのスムーズな移行手段とさまざまな車載アプリケーションにわたって対応可能な単一のソフトウェア開発環境の提供により、こうした課題に対応する。

S32のソフトウェア開発環境により、デベロッパーはコストのかかる研究開発成果のリユースが可能で、車載アーキテクチャの変更時や市場投入期間に対する厳しい要求に迅速に対応できるようになる。

既存顧客のアプリケーション内の既存NXPソフトウェア・コードの分析に基づき、NXPはソフトウェアのリユースにより、さまざまなアプリケーション内で最大90%、複数のアプリケーションにまたがった際に40%以上の大幅なソフトウェア開発負荷軽減が可能になると予測している。

OEM企業15社のうち8社が次世代モデル車へS32プラットフォームを採用する予定だという。

NXP S32プロセッシング・プラットフォームの特長は以下の通り。

  • さまざまな車載機器に対応可能なスケーラビリティ:
    小型低消費電力Arm Cortex-Mから、リアルタイム処理向けに最適化されたArm Cortex-R、最高性能のArm Cortex-Aクラスに至るまで、広範なパフォーマンス要求をカバーしており、各性能レベルでASIL-Dを提供
  • Over-the-Airによるアップデート:
    セキュアなゲートウェイ経由でS32アーキテクチャ・ベースのECUに対して、フル・ロールバック・オプション付きのゼロ・ダウンタイムOTAが可能
  • セキュリティ:
    S32ファミリで発表された新SoCすべてにわたって最高のNXPコア・セキュリティ・コンセプトを提供し、自動車業界のベンチマークとなるスケーラブルなソリューションを実現
  • 共通のIPセット:
    S32 SDKとの組み合わせで、アーキテクチャで一貫性のある開発環境を提供。これにより、異なる領域のために開発した成果の共有が可能になり、ソフトウェア・モジュールの重複開発を解消
  • 各マイクロコントローラの特定アプリケーション向けIP:
    セキュア・ゲートウェイ、レーダー、パワートレイン、モーター制御などのキーのアプリケーションに対し、最も適したハードウェア・アクセラレーション・サポートを提供
  • ユニークなテクノロジー・ノード独立型アーキテクチャ:
    再合成可能なNXPのIPを使用したS32マイクロコントローラ・ファミリは、異なるテクノロジー・ノード上においても共通のファンクションを構築し、一貫したアーキテクチャと挙動を示すハードウェアとソフトウェアを提供
  • 人工知能:
    ADASアプリケーションをターゲットとした多様なAIアクセラレータをサポート。これにより、各種アルゴリズムによるビジョン、レーダー、センサ・フュージョン分野での物体の検出や分類などの機能のパフォーマンスを加速

【関連リンク】
NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)

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