NXP、リアルタイムOS拡張とTSNサポートを備えた産業用Linuxディストリビューションを発表

NXP Semiconductors N.V.は、ファクトリ・オートメーション分野の企業向けに、リアルタイムOS拡張とTime-Sensitive Networking(TSN)サポートを備えた産業用Linuxディストリビューションを発表した。

Open Industrial Linux(OpenIL)は標準コミュニティ・ベース・ディストリビューションにおけるリアルタイム・コンピューティング/ネットワーキングへの障壁を除去し、製造機器メーカーに対しインダストリー4.0を促進するものだという。

OpenILディストリビューションにはTSNサポート、per-stream policing、ネットワーク・トラフィックのtime-aware shaping、802.1AS時刻同期が含まれている。

TSNイーサネットはNXPが本年3月に発表したLayerscape LS1028A産業用アプリケーション・プロセッサに統合されている。

製造業の現場において、工場のマネージャーや産業機器メーカーはオペレーションの安定性、セキュリティ、所有コストの面からLinuxへの移行が進んでいる。

同様の理由で、ベンダー固有のネットワーキング・プロトコルを代替するために、イーサネットへの移行も進められているという。

NXPが開発したOpenILの基礎機能には、ネットワーキング・スタック、ウェブ・サーバ(コンフィギュレーション管理に有用)、スクリプト記述ツールのほか、通常Linuxディストリビューションの一部となるシステム・ユーティリティなどのITインフラ・ソフトウェアが含まれている。

OpenILにより、製造機器メーカーは広く普及しているUbuntuのユーザー空間ファイルシステム・レイアウトのインスタンス化オプションを使用し、広範なLinuxエコシステムからソフトウェアを容易に追加できるようになるという。

OpenILディストリビューションのその他の主要機能は以下の通りだ。

  • UnixへのXenomaiリアルタイム拡張により、VxWorksやpSOSなどのリアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)からのポーティングを容易に
  • TSN向けの拡張マークアップ言語(XML)とNETCONFベース・ネットワーク・コンフィギュレーション・ユーティリティ
  • 汎用Precision Time Protocol(gPTP)とlinuxptpデーモン
  • イーサネット・インターフェースとNXP SJA1105T TSNスイッチ向けドライバ
  • エッジ・コンピューティング・サービス向けサポート

【関連リンク】
NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)

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