アマゾン、エッジデバイス向けに6つのIoTサービス群を発表

Amazon Web Services(AWS)は、先日開催されたAWS re:Invent2017にて、エッジで機能するコネクテッド・デバイス向けに6つの新たなサービスと機能を発表した。

  1. AWS IoT 1-Click~ワンクリックでIoTを開始
  2. AWS IoT Device Management~デバイスを大規模にオンボード、整理、監視、遠隔管理する
  3. AWS IoT Device Defender~デバイスのセキュリティ対応
  4. AWS IoT Analytics~デバイスのデータを大規模に消去、処理、保存、分析する
  5. Amazon FreeRTOS~小型の低消費電力デバイスをクラウドに容易かつ安全に接続
  6. AWS Greengrass ML Inference~自社デバイスに機械学習機能を追加できる

以下でそれぞれのサービスについて紹介する。

1. AWS IoTを簡単に使い始めることができるAWS IoT 1-Click(プレビュー提供)

IoTについて考えるとき、顧客としてはまず、デバイス上でシンプルな機能を簡単な方法で実行できるようにしたいと考える。

例えば、テクニカルサポートへの連絡、商品やサービスの再注文、貴重品の場所の追跡などを行えるシングルボタンのデバイスなどだ。

AWS IoT 1-Clickにより、モバイルアプリをダウンロードして、AWS IoT 1-Click対応デバイスを登録/選択するように手軽に、デバイス上でAWS Lambda機能を利用できる。つまり、クリック1つでAWS Lambda機能を関連付けられるのだ。

また、SMSやeメール送信のような操作を実行できるプレビルドのAWS Lambdaコードが付いているため、顧客は他のLambda機能を簡単に追加したり、アップロードすることもできる。

ヘルスケア専門のeコマース・マーケットプレイスで、医療用品や薬、医療用具、医療技術を販売しているiRemedy社では、本年8月に500個の「iRemedy NOW Internet of Things(IoT)ボタン」を同社のヘルスケア・プロバイダーのクライアントに提供する計画を発表した。

このボタンを押すだけで、医療用品や薬のサンプルを注文したり、同社のサービスセンターから電話をかけ直す等のリクエストを送ることができ、顧客のサプライチェーン・コスト抑制につながるのだという。

大規模なデバイス群により生成されたデータを管理、保護、分析する新しいAWS IoTサービス

IoTソリューションは、コネクテッド・デバイスをサポートするために今後も数十億単位に規模を拡大して成長すると予想されている。

これまでは、デバイスの実装と管理に時間がかかり、複数のシステムを統合してモニタリングやセキュリティ、監査、アップデートのようなタスクを管理する必要があったことから、より多くの時間を割かなくてはならなかった。

そして、このようなタスクを実行するソリューションの構築には多くの時間がかかり、ミスもしやすく、複雑なサードパーティのソリューションを使用しても、セキュリティやコンプライアンス面で発見しにくい欠陥が生じる可能性がある。

また、デバイス群の運用を開始した後、次に顧客が直面する課題は分析だ。IoTデータは高度に構造化されたデータではないため、既存のアナリティクスツールでは処理できない。

実世界のIoTデータは多くの場合、大きな欠陥や壊れたメッセージ、間違ったデータが含まれるため、独自にカスタムのIoT分析ソリューションを構築するか、サードパーティのソリューションを統合する必要がある。

そこで、新たに発表されたAWS IoT Device ManagementとAWS IoT Device Defenderにより、IoTデバイス群のオンボード、管理、保護が簡素化される一方、AWS IoT Analyticsにより、簡単にデバイス上で生成されたデータを分析できるという。

2. AWS IoT Device Management

AWS IoT Device Managementにより、最初のセットアップからソフトウェア・アップデート、使用停止に至る、ライフサイクル全般にわたり、IoTデバイスを大規模にオンボード、整理、監視、遠隔管理できる。

AWS IoT Consoleにログインし、デバイスを個別またはまとめて登録して、属性、認証、アクセスポリシーをダウンロードするだけで簡単に使い始めることが可能だ。

デバイスがサービス状態になった後は、デバイスのグループ化や追跡を簡単に行える他、ほぼリアルタイムでデバイスを見つけ、トラブルシューティングを施したり、デバイス・ソフトウェアの遠隔アップデート、遠隔リブート、リセット、パッチ、工場出荷状態へのリストアを実行でき、大規模なIoTデバイス群の管理コストや手間を削減できるという。

3. AWS IoT Device Defender(2018年上半期提供予定)

AWS IoT Device Defenderは、デバイスに関連するセキュリティポリシーを継続的に監査し、セキュリティのベストプラクティスから逸脱していないかをチェックする。

セキュリティポリシーに準拠しないデバイスを検知した際は、ユーザーに警告を発する。また、デバイス群の行動を監視し、セキュリティ問題を起こす可能性のある異常行動を識別することができる。

例えば、AWS IoT Device Defenderを使用して、デバイス上でオープンにするポート、デバイスの接続先、デバイスから送受信するデータ量を定義でき、その後、デバイスのトラフィックを監視することで、未知のIPアドレスからのトラフィックなど、異状が検出されたらユーザーに警告する。

4. AWS IoT Analytics(プレビュー提供)

AWS IoT Analyticsは、IoTデバイスのデータを大規模に消去、処理、保存、分析するフルマネージド分析サービスだ。分析したいデバイス・データを指定するだけで簡単に使い始めることができる。

AWS IoT Device Registryやその他のパブリック・データソースを使用して、デバイスの種類や位置情報などIoT専用のメタデータを任意で追加することもできる。また、統計的推論といったより高度な分析機能が備わり、デバイスのパフォーマンスを理解し、デバイスの不具合を予測して、時系列分析を実行することも可能。

Amazon QuickSightと組み合わせることで、容易に構築可能なビジュアライゼーションとダッシュボードからインサイトを得ることもできる。

5. 小型の低消費電力デバイスをクラウドに容易かつ安全に接続できるAmazon FreeRTOS

多くのデバイスがすでにクラウドに接続可能で、その数は飛躍的に増え続けている。これらのデバイスの多くは、十分なオンボード・コンピュート能力(CPU)を備えており、AWS IoTサービスを活用できる。

しかし、電球やベルトコンベアー、動作感知装置などその他の多くのデバイスは小型なためCPUを搭載できず、代わりにマイクロコントローラ(MUC)を搭載している。

これらのデバイス向けのオペレーティング・システム(OS)には、単純なタスクを実行できるオープンソースのマイクロプロセッサ向けOSであるFreeRTOSがある。しかし、FreeRTOSはIoT専用に設計されていないため、デバイスが安全にクラウド接続できる機能を備えていなかった。

Amazon FreeRTOSは、小型の低消費電力デバイスから、AWS IoT CoreのようなAWSクラウド・サービスやAWS Greengrassを稼働するより強力なエッジ・デバイス/ゲートウェイに安全に接続できるソフトウェア・ライブラリにより、FreeRTOSを拡張する。

Amazon FreeRTOSにより、ネットワーキング、無線ソフトウェア・アップデート、暗号化、認証処理など、一般的なIoT機能を備えたデバイスを開発することができるという。

Amazon FreeRTOSコンソールやFreeRTOS.org、GitHubから、Amazon FreeRTOSを構成し、ダウンロードすることが可能。

すでにMicrochip、NXPSemiconductors、STMicroelectronics、Texas Instruments、Arm、IAR、Percepio、WITTENSTEINなど、複数のマイクロコントローラ・メーカーとAWS Partner Network(APN)パートナーがAmazon FreeRTOSをサポートしているという。

6. 機械学習をエッジにもたらすAWS Greengrass(プレビュー提供)

AWS Greengrass ML Inferenceは、アプリケーション開発者に特別な機械学習スキルがなくても、自社のデバイスに機械学習機能を追加できる、AWS Greengrassの新しい機能だ。

IoTデバイスは大容量のデータを頻繁に収集、送信しており、そのデータを使用して、機械学習がリアルタイムで決定を下している。これを実現するために、クラウド内のIoTデータに対して機械学習モデルを構築し、学習させ、稼働させる必要がある。

しかし、アプリケーションの中には、わずかの遅延に非常に敏感なものもあり、ネットワークに常時接続しなくても決定する能力が求められる。AWS Greengrass ML Inferenceにより、ネットワークに接続していなくても、デバイス上で機械学習モデルを稼働して、ローカルで推論を実行し、結果を得ることができる。

Amazon SageMakerやその他の機械学習フレームワークを使用すれば、自社の機械学習モデルをクラウド上で構築し、学習させることができ、その後は、AWS Greengrassコンソールで数クリックするだけで、そのモデルを好きなデバイスに転送することができるという。

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