富士通、流通業界向けIoT活用サービス基盤「SMAVIA」を販売開始

富士通は、流通業界の顧客が保有する販売管理や在庫管理、輸配送などをはじめとしたサプライチェーンの各システムに蓄積されたデータや、作業員の位置情報、バイタルなどのセンシングデータを連携させ、新たなデータ利活用を実現するIoT活用サービス基盤「FUJITSU IoT Solution SMAVIA(スマーヴィア)」(以下、SMAVIA)を本日、販売開始した。

「SMAVIA」は、業務システムでそれぞれ管理されているデータを、クラウド上に収集・統合し、物流倉庫などの現場における人・物・環境などのセンサーデータと組み合わせて、販売や在庫の状況、物流コスト、人の作業効率などを分析することで、流通業界で課題となっている人手不足への対応や売上の最大化に向けた最適な改善施策へつなげ、顧客のさらなる競争力強化を実現するサービス基盤だとした。

業務システムやIoT機器のセンサーデータを収集・蓄積し、流通在庫の最適化や作業員の能率の可視化などの機能を実現する同社の独自アルゴリズムをAPIとして提供する「FUJITSU IoT Solution SMAVIA プラットフォーム」(以下、「SMAVIA プラットフォーム」)と、それらのデータをもとに顧客の業務を分析・可視化し、改善を支援するデータ利活用サービス3種で構成されている。

なお、同プラットフォームの販売価格は月額550,000円(税別)から、提供開始時期は2018年3月2日だ。

背景

近年、流通業界の現場では、消費者の嗜好の多様化に伴い、商品が多品種にわたり、販売・配送手段も高度化が進んでいる。

一方、就業者の高齢化や減少などの問題も深刻化し、就業者1人あたりの業務負荷が高まっている。このような課題解決に向け、業務システムのデータに加え、センサーなどのIoT機器で取得した現場のデータを収集・分析するなど、デジタル革新の加速が求められている。

同社は、金融ソリューションの体系「FUJITSU Financial Solution Finplex」、ものづくりデジタルプレイス 「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」に続く、「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」上で展開する業種向けプラットフォームの第三弾として、流通業界のIoT活用サービス基盤「FUJITSU IoT Solution SMAVIA」を提供し、事業改革や新ビジネスの創造を支援するとした。

「SMAVIA」について

「SMAVIA」は、サプライチェーンの各システムにおける様々なデータと、倉庫や店舗などに設置されているIoT機器などによって収集される人・物・環境の現場センシングデータを、当社の物流業や小売業などの流通業界向けソリューションやサービスの提供を通じて蓄積されたノウハウを基に連携し、横断的なデータ利活用を促進するIoT活用サービス基盤だ。

流通業界の様々な業務システムデータや現場センシングデータを収集・蓄積し、それらを組み合わせて独自のアルゴリズムにより解析や予測などを行うAPIを保有した「SMAVIAプラットフォーム」と多様な業務シーンに合わせたデータ利活用サービスで構成されている。

今回提供される「SMAVIAプラットフォーム」とデータ利活用サービス3種

1. サプライチェーンの各種データをつなげ、新たな価値を創出する「FUJITSU IoT Solution SMAVIA プラットフォーム」

「SMAVIA プラットフォーム」は、顧客のデータ利活用シーンにあわせて、サプライチェーンの業務システムや現場のIoT機器などから必要なデータのみを収集し、蓄積する。

それらのデータは同社の社内実践や流通業界の顧客へのシステム構築・運用で培ったノウハウをもとに開発したAPI、さらに同社のAI技術「Zinrai」を用いることで、顧客の業務に有効なデータ活用を支援する。

「SMAVIAプラットフォーム」を活用して、顧客固有のシステム構築も対応可能だ。

2. 作業効率を分析・可視化する「FUJITSU IoT Solution SMAVIA 倉庫作業員パフォーマンス」

「SMAVIA 倉庫作業員パフォーマンス」は、同社の社内実践で培ったノウハウをもとに、顧客の倉庫管理データと、倉庫作業員の位置や動線のセンシングデータを組み合わせて分析・可視化することで、業務効率を客観的に把握できるサービスだ。

同サービスでは、顧客の業務システムで管理されている業務指示データや実績データと、同社のロケーションバッジやバイタルセンシングバンドなどのセンサーで取得した現場センシングデータを「SMAVIA プラットフォーム」に収集し、倉庫作業員ごとの作業時間や移動距離、動線を可視化する。

さらに、それらのデータをもとに作業効率の平均値を算出し、その数値と比較した各作業員の改善ポイントを洗い出し、作業員のスキルの平準化や生産性向上を図る。

3. RFIDと在庫管理データを組み合わせ、瞬時に商品の所在を把握する「FUJITSU IoT Solution SMAVIA 店舗在庫探索アシスト」

「SMAVIA 店舗在庫探索アシスト」は、RFIDを活用して、店舗の在庫を店頭とバックヤードごとに管理・閲覧できるサービスだ。

同サービスでは、在庫品の出し入れの際に、ハンディターミナルで商品に付けたRFIDタグを読み取り、店頭とバックヤードのどちらに商品があるかの所在情報を付与する。

それらのRFIDデータと、在庫システムやPOSシステムのデータを「SMAVIA プラットフォーム」上で組み合わせて管理することで、店員は常に店舗の最新の在庫状況と商品の所在をスマートフォンやタブレット端末から瞬時に把握することが可能になる。

また、店員がハンディターミナルを持って探している商品に近づくと、ハンディターミナルがRFIDを読み取って音を発する機能により、商品を探す時間を従来よりも大幅に短縮することが可能となるため、販売機会のロスを防ぐ。

4. AIチャットボットの活用で顧客対応を支援する「FUJITSU IoT Solution SMAVIA 質問回答アシスト」

「SMAVIA 質問回答アシスト」は、店舗の接客において、同社の現場でのコミュニケーション活性化を支援する「スマートコミュニケーション」を活用して、店員がAIチャットボットとのテキストベースのやりとりにより、顧客からの問い合わせに対して、スムーズな回答を支援するサービスだ。

例えば、店員が携帯するスマートフォンから問い合わせ内容を入力すると、AIチャットボットが機械学習した「SMAVIA プラットフォーム」上の系列の他店舗も含めたFAQデータの中から問い合わせへの的確な回答を自動抽出する。

これにより、店員は即時に回答できない問い合わせにもスムーズに回答できるようになり、迅速な顧客対応が可能だ。

また、業務ノウハウの幅広い共有を実現。さらに、「SMAVIA プラットフォーム」に蓄積された日々の問い合わせデータを機械学習させ、顧客の関心や売れ筋商品の予測、店舗ごとに異なる顧客の傾向を分析し、店頭ラインナップの企画に活用するなど、マーケティング戦略や接客品質の向上に役立てていくとした。

【関連リンク】
製品情報サイト「FUJITSU IoT Solution SMAVIA」

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