マルチメーカーの産業用ロボット x IoTが体感できる展示場が開設、ロボットSI教育も ーSF Conductor Labo

栃木県小山市に、Smart Factory Conductor Labo(略称、スマラボ)と名付けられた展示場が5/16より開設される。

ファクトリーオートメーション用のIoTが得意なFAプロダクツ、ロボットシステムインテグレーターであるオフィスFAコム、そして、FAプロダクツの天野会長が新しく立ち上げた、ロボット導入の構想設計を専門でやる会社となるロボコムが提供している。

敷地面積としては、300㎡で、安川電機、ファナックをはじめ、7社のロボットが導入され、IoTプラットフォームとしてはシーメンスのMindsphereが採用されているということだ。

「国内に42万社もある製造業だが、その7割が中小企業ということで、そこを支援していきたい」と天野氏は言う。

FAプロダクツの貴田氏は、「関東での工場の設立は、埼玉、群馬、栃木、茨城、千葉に集まっていて、栃木はそのへそにあたる。東京から1時間程度だ。施設としては、自由に来場するというよりも、工場のエンジニア、ロボットのSIerが使う日を週に数日設定して、アテンド、研修、ワークショップを行う」のだと述べた。

Smart Factory Conductor Labo(スマラボ)とは

冒頭、ロボコム株式会社 代表取締役社長 天野 眞也 氏(タイトル画像)は、スマラボは、ロボットxIoTを体感・体験できる場所だ。背景としては、日本の製造業の成長率が横ばいになっていて、家電などいくつかの分野でのシェアにおいて韓国・中国勢が中心になってきている。今後は、自動車産業もEV時代に突入し競争が激化されるという危機感からスタートしたのだという。

スマートファクトリーコンダクターラボ

もともとコストパフォーマンスが良かったことで勢いのあった日本の製造業だが、格安製造を行う中国勢や、プレミアム路線で強いドイツ勢に挟まれていて、両方からシェアが奪われて行っているのだ。

スマートファクトリーコンダクターラボ

一方で、日本のロボット技術は高く、トップ10の中にも6-7社が入っている。IoTに関しては、取り組みの状況としては米国、イギリス、ドイツが役9割の企業で取り組みを始めたと言われる中、日本は出遅れていて、6割くらいの企業が取り組み始めている状態なのだ。

導入が進まない理由1:ロボット・IoTの導入イメージがわからない

導入が進まない理由として、一つ目は、ロボットやIoTの導入イメージがわかないからなのだという。(ロボコム 天野氏)

そこで、体験・体感をする設備の必要性が、今回のスマラボを作るきっかけにつながったのだ。

ここでは、「食品」「物流」「自動車/機械」「IoT」という、4つのカテゴリーのリアルな体験・体感ができるということで、例えば、物流業で「ダンボールの積み付けをしたい」という場合に、ロボットの大きさ(導入スペース)や価格・導入までのプロセスを知ることができたり、「IoTで生産性向上をしたい」といった場合に、稼働・品質・在庫ロケーション、保全といったリアルなIoTの方法と効果がわかる施設となっているということだ。

スマートファクトリーコンダクターラボ

スマートファクトリーコンダクターラボ

画像認識や制御、コンベアなどの部品だけではなく、全体のイメージがわくようなものを展示していて、例えばすべてのラインを入れるスペースがないといった中小物流センターの場合でも、一部のロボットを導入することでこれまで5人でやってきた作業を4人で作業可能とするといった、今後発生する人材不足への対応もイメージしやすいものとなっている。

また、その場でやりたいことをある程度検討したら、価格もわかるようになるのだという。

FAの世界では当たり前の構想設計と呼ばれる、工場の構成を検討したり見積もりをしたりするフェイーズが、食品加工業などのような、これまであまりロボット化が進んでこなかったような業界ではやられてこなかったため、こういう領域を専門で行う企業が必要になる。そこで、ロボコム社がその部分を担当するのだということだ。

スマートファクトリーコンダクターラボ

スマートファクトリーコンダクターラボ

さらに、実施内容が決まったところで、オフィスFA COMがその開発を担うといったことも想定されているようだ。

また、FAプロダクツは市場調査や企画を担当しているという。

スマートファクトリーコンダクターラボ
スマラボでは、これらの実機を体験・体感することができる

導入が進まない理由2:技術者が不足している

スマートファクトリーコンダクターラボ
株式会社オフィス エフエイ・コム 代表取締役社長 飯野 英城 氏

製造業従事者は、この10年で90万人が減っていてロボットで補う必要がある一方で、推進する技術者が不足している。そこで、ロボットxIoTを推進する技術者の育成も重要なのだという。(オフィスFAコム 飯野氏)

そこで、情報システム産業のように、ロボットシステムでもSIerが必要なのだという。スキルとしては、工程分析、システム企画・構想、基本設計・詳細設計・製造・組み立て、設置など、工程毎のスキルが必要となる。
今後、機械、電気、ソフトウエア、ネットワークの連携・統合力が必要となる。

しかし、人材の育成は簡単ではない。そこで、スマラボにおいて、人材教育の仕組みを整えていくことで解決するというのだ。

スマートファクトリーコンダクターラボ

実際に、オフィスFAコム社は、栃木県ですでに4日間の座学、3日間の実技が学べる、基礎研修を行っていて、40-60名(さらに自社社員30名)を育成した実績があるのだという。

スマートファクトリーコンダクターラボ
スマラボでできること

未来への展望

スマートファクトリーコンダクターラボ
株式会社FAプロダクツ 貴田 義和 氏

将来は、最新工場を増やし、世界に販売することで製造業を創っていきたいのだという。具体的には、

  • 自動化、自立化する工場の増加
  • 人に依存しない生産体制の確立
  • メイドインジャパンの復活

ということをやっていきたいのだという。(ロボコム 天野氏)

今後、アジアに作られる新設工場が主戦場になるとし、「ドイツの標準化・モジュール化」vs「日本のロボット技術・すり合わせ技術」の戦いになるのではないかと予想している。

スマートファクトリーコンダクターラボ

例えば、タイの巨大な工業団地である、アマタナコーン工業団地や、現在これを超える工業団地として建設中のミャンマー、ティラワの工業団地など、日本のロボット技術を必要としている地域での活動を視野に入れているということだ。

参考:
株式会社FAプロダクツ
株式会社オフィス エフエイ・コム
ロボコム株式会社

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