ベッコフオートメーション、産業機械が「見る」「聞く」「話す」時代へ ーハノーバーメッセ2018レポート4

ハノーバーメッセレポートの第四弾はベッコフオートメーションだ。

ベッコフオートメーションはドイツに本社を持つ産業用PCやネットワーク機器、コントローラーなどのメーカーだが、今回の展示では、人工知能を活用して「見る」「聞く」「話す」を実現する展示を行っていた。

ベッコフオートメーションの日本代表取締役社長である、川野俊充氏にお話を伺った。

ハノーバーメッセ2018 ベッコフオートメーション
かなり広いブースで各種展示が行われていた

スマートファクトリーに必要なソリューションがAIを搭載する時代に

ハノーバーメッセ2018 ベッコフオートメーション
光が当たっているところはカメラで画像認識をしているところだ

これまで製造業は異なるコントローラーを組み合わせてラインを作ってきたが、最近は産業用PCを使ってコントロールする流れが多くなってきている。

同期している時間軸の中で、製造を進めていこうという取り組みが進んでいるのだ。

そんな中、ベッコフオートメーションはこれまでも「TwinCAT」という産業機械の「動作」をコントロールする制御をするソリューションがあったが、今回の展示では「視覚」や「聴覚」、そして「話す」ということも取り入れたのだという。

ハノーバーメッセ2018 ベッコフオートメーション
ベッコフオートメーションの高速処理を実現する産業用PC

これまでも外観検査のためのソリューションはあったが、TiwnCAT VISIONという機能が組み込まれることで、PLCのプログラミングができれば画像の解析もできるようになったのだという。

具体的には、「OpenCV」と呼ばれるインテルが公開した画像処理のライブラリが使えるため、検査用のプログラムをPLCのプログラマでもできるようになったというのだ。

さらに、「TwinCAT Speech」という機能を使うことで、産業機械とコミュニケーションをすることができるようになってきたのだという。

ハノーバーメッセ2018 ベッコフオートメーション
TwinCAT Speechと呼ばれる音声認識エンジンを搭載したデモ。「緑の製品を作って」というと、ラインと連動して緑の製品を作り始めるのだという。

これまでは、タッチパネルなど、人が触らないと機械の情報を見たり指令を出したりすることができなかったのだが、このソリューションでは「マニュアル出して」と言えばマニュアルが表示されたり、「危ない」というと機械を停止したりすることができるようになるのだ。

報告に手入力が多い現場などでも、音声での登録ができるようになることで作業量も減ることが期待されている。

今後この技術が実現されるなかで、産業機械とも対話ができるような世界が実現できてくるのかもしれない。

EtherCAT P

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EtherCAT Pは、電源とネットワークを1本の線の中に入れてしまうという、省配線のソリューションだ。

これまでの製品では、センサーしか対応していなかったが、今回はモーターなどの駆動系でも利用できるようなったのだという。

これまでは配電盤のあるところにすべての配線がまとまるため、配線が長くなったり複雑になったりするケースが多かったが、カスケード接続も行うことができるため、省配線が進むことになるのだ。

ケーブル1本で100mの長さまで対応している。

TSNへの対応

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上部がTSN、下部がEtherCATで上からだんだん目のカプラが変換をしている

高速同期性能が高いEtherCATに対して上位系も含めてコントローラー間の同期は必ずしもEtherCATである必要がない。

そんな中、TSNは、現在上位系のネットワークで注目受けているが、TSNカプラを使うことで、TSNによるネットワークとEtherCATによるネットワークを接続することができるのだ。

Huaweiとの5G対応

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産業機械から取得いたデータを、右側のHuaweiの通信デバイスから5G通信を使って他所の産業機械に指示をするというデモだ。

通信用のネットワーク機器や5G関連の開発に強いHuaweiだが、産業用途でも1ms程度の遅延で実現出来る5Gへの期待がかかっている。

まだ、リアルタイムでは通信できない5Gだが、用途によって5Gを利用することで無配線が実現出来るのだ。今回HuaweiのXLabと呼ばれる研究機関にベッコフのメンバーも参画し、今回のような実証実験を行っているのだという。

例えば、ロボットのティーチングを日本から中国の現場で行う、といった利用シーンで、現場にいかなくても学習の仕組みが搭載された産業機械にテーチングができるようになる。

人間と機械の間のインタラクションであれば、5G通信の遅延でも問題ないが、機械と機械の通信ではこの遅延が問題になる可能性はある。

今後、うまく用途による利用を行うことが重要になるのだ。

進化する超小型産業用PC

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昨年のハノーバーメッセでも紹介した小型産業用PC

前回のハノーバーメッセでも手のひらサイズの産業用PCを紹介したが、既設の設備をIoT化する際、既存の制御機器の構成を変えずにやりたいときに、こういった小型の産業用PCをIoTゲートウェイとして利用しているのだという。

今回、この発展系として、インタフェースを追加したものが発表された。少し肉厚になっているのはインタフェースを追加したというだけでなく、UPS付きのモデルもあるからだという。

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中規模の製品は、インタフェースが増え、UPSも利用可能だということだ。

一方、もっと強力なIntel i7ベースのCPUを搭載したモデルも発表されていて、画像処理なども行うことができるということだ。

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大型の(といっても小型だが)産業用PCはIntel iCore7を使っていて、画像処理などの重い処理にも対応している。

関連リンク:
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