富士ゼロックス、AI技術を活用し文書処理や専門知識を体系化する3つのサービスを提供

富士フイルムグループの富士ゼロックス株式会社は、新たな価値提供戦略「Smart Work Innovation(スマートワーク・イノベーション)」を具現化するサービスとして、独自のDocument AI(※1)技術を活用した3つのサービスの提供を開始した。

業務の効率化や競争力強化に向け、AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)など新技術の活用への期待が高まっているが、オフィス内の情報はコンピューターが処理しにくいものが多く残っており、こうした情報の活用は十分に進んでいない。

このため、特に手書き帳票や図面情報の内容調査・確認・判断には、多くの人手をかけた繰り返し業務が発生している。また、専門性が必要な業務が一部の人材に偏っており、幅広い人材の活用が困難になっている。

富士ゼロックスは、複合機ビジネスを通したドキュメントによるコミュニケーション支援だけでなく、ドキュメントに記載された情報そのものの解析・活用に向け、Document AI技術の研究・開発を進めてきた。

このほど、この技術をオフィスワークで実利用できるサービスとして確立し、大量の帳票・図面情報の利活用を低負荷で促進するとともに、専門性の高い文書の活用や文書活用プロセスを改善、人材活用・人手不足対策にも活用。さらに、同社製複合機とこれらサービスとの連携も強化し、顧客の利便性を向上させていく狙いだ。

※1:Document AIとは、オフィスに蓄積するドキュメント(文書)から「価値ある知」を抽出し、業務での利活用を実現する富士ゼロックス独自の人工知能技術。インターネットで流通するビッグデータを処理してモデル化する一般的なAIの処理方式とは異なり、オフィス内の質の高いデータを使用するため、比較的少ないデータ量でも、高度な処理が可能。

提供サービスの概要は以下の通りだ。

  • サービス名: 高精度データエントリーサービス
  • 参考価格(税別): 検証サービス(※2):150万円~  同運用サービス:都度見積り
  • サービス提供方法: SEによる業務環境構築(※3) または、アウトソーシングサービス(※4)
  • サービス名: 図面情報抽出サービス
  • 参考価格(税別): 検証サービス:150万円~  同運用サービス:都度見積り
  • サービス提供方法: アウトソーシングサービス
  • サービス名: 専門知識体系化サービス
  • 参考価格(税別): 検証サービス:1,000万円~ 同運用サービス:都度見積り
  • サービス提供方法: SEによる業務環境構築

 
※2:本格的な投資を行う前に費用対効果を確認するため、顧客が実業務で利用している帳票を使った検証。
※3:同社システムエンジニアによる顧客の業務環境構築支援サービス
※4:業務プロセス全体を受託するアウトソーシングサービス

提供サービスの詳細は以下の通りだ。

1. 高精度データエントリーサービス

提供価値

受発注処理や請求支払い処理、加入者登録などで発生する大量の帳票データ処理を効率化し、人手によるミスを低減、後工程を含めた業務全体の効率化・業務品質向上を支援。

適用業務例

金融業(銀行/保険会社)における口座開設や請求依頼、サービス業における申込書や住所変更届けなどの業務では、手書き文字情報のコンピューター入力における入力ミスや抜け漏れなどを防止するため、二人の担当者による相互確認を行っており、人員確保が課題となっている。

ある金融業の顧客とのサービスの検証では、手書き帳票からのデータ入力の生産性を約2倍以上高め、人員を半分に削減。同サービスは、金融業のみならず、官公庁、医療、流通業などさまざまな分野で応用可能で、幅広い業種向けサービスを順次展開する。

技術的特長

人の視覚情報処理の仕組みを利用した独自のAI技術で、活字や手書きの文字情報を高精度で読み取る文字認識と、その結果に対する確信度に応じて目視確認の必要性を振り分ける業務プロセスを確立。両者の組み合わせで、人とAIの協業によるプロセス改善を促進。

2. 図面情報抽出サービス

提供価値

図面に記載された部品番号や技術標準番号と他の技術文書の照合を行う検図業務などのプロセスを改善し、設計者の作業を軽減、品質の高い業務遂行を支援する環境を提供する。

適用業務例

製造業(組立加工業)では、図面に記載されている部品番号や寸法といった情報を、技術者が一点ずつ目視で確認しており、抜け漏れの発生やその結果の作業の手戻り、発注間違いによるロスコストが課題となっている。

また、技術者が本来振り向けるべき創造的業務の時間も圧迫されている。ある製造業の顧客行った同サービスの検証では、専門の設計者が確認作業に費やす期間を約半分に抑えることができたという。

同サービスは、製造業に加え、全国規模で多数の設備を抱える建設業や通信業などにおける保全業務にも適用可能だ。

技術的特長

図面上の文字情報を特定する独自のレイアウト解析と文字認識技術により、読み取りたい文字情報の場所指定などの前処理なしで、候補指定した文字列情報を効率的に抽出する。

3. 専門知識体系化サービス

提供価値

膨大な専門性の高い文書を参照しながら、知識や経験に基づいて実施する問い合わせ対応や申請書の作成業務など、専門的な業務を支援する環境を提供する。

適用業務例

製造業で設計変更が行われた際、輸出先国の法規制への影響を確認する業務や、プラント設備業での保全業務の技術問合せ対応などに適用可能。

これらの業務は専門知識をもった担当者が関連する膨大な文書を参照しながら行っており、少数の熟練者に業務が偏るだけでなく、結果として生産性の向上や若手社員への技術伝承を妨げている。

専門的な知識を体系化することで、特別な知識がない担当者でも業務に対応することが可能になる。同サービスを、法律で定められた商品に関する申請書を作成する同社内の業務で活用したところ、関連図面と部品データの整合性確認作業を知識の体系化により自動化することで、熟練者の作業時間を約80%削減できたという。

このような法規制と社内文書の照合を必要とする業務など、幅広い業務に適用可能だ。

技術的特長

文書に記載された語句を独自の自然言語処理技術を活用して解析し、複数の文書間の語句と語句との意味的な関係性を紐付ける(リンキングする)ことで専門知識の体系化を支援する。

【関連リンク】
富士ゼロックス(Fuji Xerox)

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