富士通、ブロックチェーンを活用したデータ流通・利活用サービス「Virtuora DX」を販売開始

富士通株式会社は、企業や組織が保有するデータの価値を安心・安全に見える化、共有し、データの概要情報を活用した異業種間共創を行うクラウド型サービス「FUJITSU Intelligent Data Service Virtuora DX(バーチュオーラ ディーエックス) データ流通・利活用サービス」(以下、Virtuora DX)を本日より販売開始する。

「Virtuora DX」は、ブロックチェーンの機能を拡張し、外部環境にデータを置くことなく企業間のデータ取引を実現する株式会社富士通研究所の独自技術「富士通VPXテクノロジー」を実装している。

企業などのデータ提供者は、データ自体は自身の環境に保有したまま、データに紐づくIDや属性情報のほか、データの内容や収集方法などといった概要情報を「データジャケット」(※)の形で、共通のデータ活用を目的に集う参加者でグループ化された「Virtuora DX」内のコンソーシアムへ登録する。

登録された「データジャケット」は、その記載内容が自動的にテキストマイニングされることで関連するデータ同士のつながりを可視化した形でコンソーシアム内に共有され、コンソーシアム参加者間でのデータを活用した新たなサービスやビジネスの共創を促進する。

※データジャケット:
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻の大澤幸生教授が考案したデータ記述モデル。データの詳しい内容は明かさずに、データの概要や取得期間、取得場所などの情報を記述することで、デジタル情報の羅列である実際のデータの価値を人が理解できる形式で記述する手法。

背景

近年、IoTの普及などによって人やモノに関連した様々な情報がデータ化、蓄積され、ビッグデータ解析やAI(人工知能)の活用によって新たな価値創出を目指す取り組みが加速している。

欧州では、個人データ保護に関する法的要件を規定した一般データ保護規則(GDPR)が2018年5月に施行されるほか、日本においても、改正個人情報保護法が2017年5月に施行され、特定の個人を識別されないよう加工した情報の第三者への提供が認められるなど、各国においてデータ利活用に関する規定が定められつつある。

今後データ活用社会の実現に向け、企業が競争力を維持・向上していくためには、各社・団体が保有するデータを業種や業界を超えて共有し、活用していくことが重要となっている。

上記の背景から富士通は、ブロックチェーン技術を拡張し、安心・安全なデータ流通・利活用を実現するサービス「Virtuora DX」を5月14日より販売開始し、異業種間共創による事業革新や新ビジネス創造を支援していくとした。

富士通、ブロックチェーンを活用したデータ流通・利活用サービス「Virtuora DX」を販売開始
富士通が提唱するデータ流通・利活用の世界

「Virtuora DX」の特長

「Virtuora DX」は、データの改ざんが実質不可能であるブロックチェーン技術を拡張し、企業や組織が保有するデータの概要情報をポータルサイト上で安心・安全に共有、見える化することで、異業種間共創を加速するデータ流通・利活用サービスだ。

サービス利用者は、特定のデータ活用のテーマでグループ化されている既存のコンソーシアムへ参加するか、自身で活用したいデータに関するコンソーシアムを立ち上げて参加者を募ることで、データを活用した共創活動を行うことができる。

データ自体は各企業の環境下に置いたまま、データに紐づくIDや属性情報のほか、所有するデータの概要情報を「データジャケット」という記述手法を用いて「Virtuora DX」に登録し、その情報をもとに新たなサービスやビジネスの共創活動を推進する。

「Virtuora DX」の主な特長は、以下の通りだ。

ブロックチェーンを活用した分散型のデータ流通基盤

「Virtuora DX」は、ブロックチェーン技術を拡張した「富士通VPXテクノロジー」を活用し、データ自体は提供者自身の環境に置いたまま、データと紐づけられるIDと属性情報をブロックチェーンの分散台帳上に登録する。

データ利用者は、登録された属性情報から必要なデータを検索し、該当するデータの提供者へ利用申請することが可能だ。

データ提供者は、利用者の申請を承認したのち、対応したデータを利用者に対して暗号化して送付。なお、データを暗号化して送付する機能は、2018年度中に「Virtuora DX」に実装予定だ。

データの価値を示す記述手法「データジャケット」の採用

収集されたデータの内容はデジタル情報の羅列で表記されているため、その価値を理解できるのは専門家に限られている場合が多い。

この課題を解決するため、データ提供者は、データと紐づけられたIDと属性情報だけでなく、東京大学 大澤幸生教授が考案した、データの内容や収集方法、共有条件などデータの概要情報を記載する記述形式「データジャケット」に沿って「Virtuora DX」上にデータを登録する。

これにより、データ利用者は、データの価値をデジタル情報から読み解く必要が無く、自身が必要とするデータを容易に判別することが可能になるという。

データの繋がりを示す「KeyGraph」を実現するテキストマイニング技術の搭載

「データジャケット」の記述内容から使用頻度の高い単語を抽出し、同様の単語が使用されている他のデータとの関連性をマッピングして示す「KeyGraph」(※)を実現する、富士通独自のテキストマイニング技術を搭載している。

これにより、コンソーシアム内に登録される膨大なデータの中から関連性の高いデータ同士を直感的に捉えることが可能になり、データ同士を組み合わせた新たなサービスやビジネスにつながるアイデア創出を促進することができるという。

KeyGraph:
東京大学 大澤幸生教授が提唱したデータ間のつながりを可視化する手法。多数の「データジャケット」の記述内容に含まれる単語や関連用語などの情報要素の記述頻度などを解析し、データ間の相関関係としてネットワーク図の形式で可視化する。

富士通は今後、各企業が有するデータを暗号化して特定の相手へセキュアに送付する機能の追加など、「Virtuora DX」を継続的に機能拡張するほか、「Virtuora DX」を活用した共創活動を加速するためのコンソーシアムの立ち上げや、データ利活用促進のための支援サービスを順次展開するとした。

「Virtuora DX」の基本サービス(イノベーターライセンス)は10ID:月額125,000円(税別)、50ID:月額600,000円(税別)だ。

また、コンソーシアム内の「データジャケット」の閲覧やチャット機能などに権限を絞った「メンターライセンス」の場合は50ID:月額70,000円(税別)だ。

2020年度末までに累計5,000社へ販売し、500コンソーシアムの形成を目指すとした。

提供:富士通

【関連リンク】
「FUJITSU Intelligent Data Service Virtuora DX データ流通・利活用サービス」製品情報サイト

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