2体のロボがAIで共同作業、テムザックと積水ハウスの建築施工ロボット“Carry” “Shot”

株式会社テムザックは、以前から積水ハウス株式会社と開発を進めていた、2体の「天井石膏ボード貼り」建築施工ロボット、Carry・Shotを発表した。

ロボット同士でコミュニケーションをとり、“協調作業”を行う/AI技術

​人間が施工をする場合も、互いにコミュニケーションを取って作業を行うが、2体のロボットも同様に、互いに声掛けをするという。

それぞれの現在位置を互いに教え合い、全体の作業がスムーズに進むよう自分でどの位置にいるべきか・どんな行動をとるべきかを判断。また、作業の進捗状況や精度の必要な作業の際も互いに話し合いフォローしあうという。

自律行動・衝突回避/自動運転技術

施工箇所により、石膏ボードの大きさは常に異なる。Carryは人間と同様に、持っている石膏ボードの大きさを把握し、そのサイズを含めて、今の自分の大きさを把握する。

石膏ボードを持っているCarryはShotへ自分の今の大きさを伝え、作業の優先度を考慮し、どちらがどちら側へ避けるべきかを話し合い、衝突を回避することができるという。

足元が不安定な状況での、高精度な施工作業

人と同じように自由に動き回り、柔らかい足元や明るさが変わるといった不安定な環境でも、指先の精度を保ち四隅含む天井への正確なビス打ちができるという。

天井情報の認識・伝達

人の目でサイズを計測するのに代わり、Carryが施工箇所(天井)の正確な位置を認識。把握した情報を、それぞれ、人にはぴったりと合う石膏ボードのサイズを、Shotには施工位置やビス打ち位置を伝える。

このような人と2体のロボットの協調作業により、石膏ボードの重なりや隙間がない、精度の高い作業を行うことができるという。

簡便性と頑強性を両立したハードウェア​

大型の建築現場とは異なり、個人住宅への施工では、運搬が容易であることが必要だ。今回のロボットは分割して作業現場に運び込むことができ、組み立ても短時間で行えるという。

また、そのような躯体であっても、従来の施工工数を保つ。またCarryは重さの異なる石膏ボードを持っても、重さに応じた対応が可能のため、一連の作業に支障をきたすことがないという。

開発の背景​

積水ハウスから、建設業での施工従事者の不足による施工力の低下が懸念されており、施工従事者の確保が喫緊の課題となっているということを受け、今回のロボットの開発に至ったという。

個人住宅での建築施工ロボットの開発には、ゼネコン等で活用されている大型や据付型の装置とは異なり、施工現場への搬入が容易で、機動力がある、小型化・軽量化されたロボットであることが必須だった。

そこで、人とほぼ同じぐらいの大きさの小型のロボット2体に分割し、それぞれ異なる機能を持たせ、ロボット同士の協調作業を行わせることとなった。

【関連リンク】
テムザック(tmsuk)
積水ハウス(Sekisui House)

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