Arm、モバイルデバイス向け最新プロセッサIPスイートを発表

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英Armは、モバイルデバイス向けの最新プロセッサIP(半導体設計資産)スイートとして、CPU「Arm Cortex-A76」、GPU「Arm Mali-G76」、およびビデオプロセッサ「Arm Mali-V76」を発表した。

これらのIPにより、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)や人工知能(AI)/機械学習(ML)における処理性能を向上できるとともに、UHD(Ultra HD)の視聴体験の水準をより高めることが可能になるとしている。

過去5年、スマートフォンのCPUパフォーマンスは年率で平均20%以上向上しており、しかもバッテリー駆動時間は犠牲になってはいない。

しかしArmによると、同じことがラップトップに当てはまるわけではない。ここ数年は、減速気味のムーアの法則に追いつくことも難しく、パフォーマンスの年間成長率は平均1桁台にとどまり、バッテリー駆動時間の延長にも失敗しているという。

Qualcomm社によるArmベースのSoCが、初の常時接続型PC製品に搭載されたこともあり、Armによるスマートフォンのパフォーマンス効率の向上は、WindowsラップトップPCのエコシステムからも注目されることになった。

20時間超というバッテリー駆動時間でArmベースのラップトップPCはすでに十分な活躍を見せており、OSとアプリケーションの継続的な最適化によってパフォーマンスを向上させているという。

しかし、Armベースの第1世代ラップトップは、急ピッチなデバイス・パフォーマンスの年間成長の第一歩にすぎないという。

Armはこのほど、コンピューティングおよびマルチメディアIPを含む、高性能モバイル向けクライアント・ソリューションの最新スイートを発表。これらの製品は、スマートフォンにおけるイノベーションの機会を拡大し、CPUの設計を通じ、パフォーマンスを前年比で向上できるという。

Armは、これによりラップトップPCでのパフォーマンスの溝は、取るに足らない問題になるとしている。

Cortex-A76:ラップトップクラスのパフォーマンスへの道のりをサポート

Arm Cortex-A76 CPUはDynamIQテクノロジーをベースとしており、ラップトップクラスのパフォーマンスを発揮しつつ、スマートフォンの電力効率を維持。現在すでに、ArmベースのWindows10 PCが市場に出荷されており、20時間以上ものバッテリー駆動時間や、LTE常時接続PC、信頼できるWindowsアプリのエコシステムを実現しているという。

Cortex-A76 CPUは、こうした機運を受けて開発されたもので、対前年比で35%のパフォーマンス向上、40%の効率性向上を達成し、信頼性の高いアーキテクチャによって消費者に選択肢と柔軟性をもたらすとしている。

また、Cortex-A76は、エッジ側に4倍ものAI/ML演算性能を提供でき、PCやスマートフォンの優れた応答性とセキュリティ体験を実現するという。

Mali-G76:ゲームに要求される高い性能、クロスプラットフォームのユーザー体験

ゲームの市場規模は2018年に1,379億米ドルに達する見込み(※)で、ハイエンドゲームを外出先で楽しむという欲求を満たすため、多くの消費者がより高いグラフィック性能を求めているという。

Mali-G76は、効率性が30%、面積あたりのグラフィック性能も30%向上し、開発者と消費者のニーズに応える。

開発者にパフォーマンスの余力を提供し、モバイルアプリのエコシステムでは、より高品質なゲームタイトルを開発できるようになり、そして、拡張現実と仮想現実を私たちの日常生活に取り入れた、より高性能な最新アプリといったメリットを消費者に提供するとしている。

※出典: https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-reaches-137-9-billion-in-2018-mobile-games-take-half/

Mali-V76:夢中になれるUHD体験を実現

世界がUHD 8Kコンテンツへと向かう中、ArmのIPも例外ではなく、モバイル機器でのエンコード/デコードに対応したコンテンツのサポートに取り組んでいる。

Mali-V76は、最大60fpsの8Kデコードに対応するとともに、60fpsの4画面4Kストリーミングにも対応。これにより、映画などの4Kコンテンツを4画面で同時再生したり、あるいはビデオ会議をしながら録画したり、4つのゲームを4Kで視聴することも可能だという。

さらに、解像度は抑えられるが、フルHDでは最大16画面のストリーミングを同時実行でき、中国市場などで人気の高い使用事例として、4×4のビデオウォールを作成することが可能だとしている。

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