スマートプロダクトは、スタートアップから生まれるモノなのか

しかし、ドローンといえども、ドローンメーカーだけが存在すれば良いということではない。街の上空を飛ぶには様々なルールの整備が必要で、技術的にも対応すべき課題が多い。

今後、ドローンにカメラ以外の何を搭載するのかということに注目が集まる一方で、ドローンが飛ぶ社会を前提とした周辺産業も盛り上がりを見せる可能性がある。これまでできなかったことをデジタルの力で実現することができれば、カテゴリーキラーとなるモノが登場する可能性もあることを示している。

世界で1,000万台の発売をマークしている、ウェアラブルウォッチに関していうと、Fitbitのようにヘルスケア分野が得意なモノや、Apple Watchのようにスマートフォンを切り出した機能が便利とされるモノなど、その役割を徐々に明確にしながら利用者数を伸ばしている。

我々の生活には、スマートウォッチに期待されるような、「時間をみる」「友達とのコミュニケーション」といったこと以外にも、「寝る」「食べる」「歯磨きをする」「お風呂に入る」「洗濯をする」・・・など、様々な行動があるわけだが、それぞれの行動における、課題や改善点が潜んでいる。

家電メーカー、消費財メーカー、食品メーカー、飲料メーカー、化粧品メーカー、住宅メーカーなどの普段から生活者の行動を観察している、消費者向け企業がこれまでの研究や学術的成果とデジタルの力を掛け合わせることで、思いつきを超えた、新しいカテゴリーキラーとなる商品を生み出す可能性があるのだ。

実際、2018年1年を通して、大手化粧品メーカーや消費財メーカー、AVメーカーなど、いくつかの企業ではそういった、これまでの強みを活かすイノベーションに向けた取り組みも始まっている。

スタートアップがダメだということではない。ドイツの電動カーメーカーである、e.GOは、スタートアップでわずか3年で市販車を生み出している。

しかし、e.GOも産学官連携施設で、多くの大企業や有識者の支援を受けてクルマの製造を行なっている。ガレージでスタートするインターネット系スタートアップとは違い、IoTプロダクトを作りたいスタートアップは、蓄積された知見や製造ノウハウなどを持つ企業との密な連携が現実的だと言える。

いずれにせよ、多くの失敗を踏み台にして、2019年以降、生活者の観察とデジタルの掛け合わせによって、生活に取り込みたくなるモノが次々登場するのが楽しみだ。