株式会社REVORN(以下、レボーン)は、独自開発の香りセンサー「iinioi Sensor」と香りに特化したAI「iinioi AI」を活用し、各業界のさまざまな課題を香りで解決する「iinioi Project」を開始した。
「iinioi Sensor」とは、レボーンが独自開発した香りセンサー。水晶振動子とAI、感応膜などを組み込み、ある特定の空気の香りを分子レベルで計測することができる。シリンジを使用して空気を取り込み、香りセンサーで周囲の空気の香りを測定、スマートフォンやWebサービスでのデータ確認が可能。将来的にはモバイル化され、誰でも手軽に香り採取が可能になるという。
「iinioi AI」とは、香りデータの学習に特化したAI。香りセンサーで取得した情報をAIに学習させることにより、香りデータから様々な情報を導き出すことができるという。レボーンでは、多様な香りデータベースと言語データを紐付ける特許申請技術「Fragrance2Vec」を活用して、世界中のさまざまな香りデータを学習する「iinioi AI」を開発した。
例えば、人間の鼻で感知できない可燃性ガスなどの香りを分子レベルで判別して「これは危険な匂い」だとAIに学習させることで、早期のリスク検知ができるようになる。AIが香りを学習することで、さまざまな現場でのリスク検知、品質管理、疾病の早期発見などのソリューション開発が可能になる。
さらに、ある香りが「誰にとって」「どんな気持ち」に繋がるのかという感情データとAIが学習して香りを分類することで、商業施設やアパレル店舗、飲食店などの香りによるブランディング、特定ユーザーが好む香りの企画・開発などのソリューション提供が可能だという。
レボーンは、これまでにハーブの香りや人間の呼気など約1000種の香りパターンを採取した「iinioi AI Platform」を構築している。2018年11月20日現在で取得した、AIが学習済みの実用レベルのデータは約60万となり、2019年度末には1000万を達成する見込みだという。
「iinioi Project」は、上記「iinioi Sensor」「iinioi AI」「iinioi AI Platform」を活用した各分野の課題を、嗅覚技術で解決するプロジェクト。同プロジェクトは、まず最初に、畜産・飲料・医療の3分野で、品質管理や早期のリスク検知を行うことを目的として、各現場の空気の香りをAIにより分子レベルで解析する実証実験を開始する。
- 畜産分野
家畜の糞などの匂いデータを取得・解析して、家畜の健康レベル診断や疫病などの早期リスク検知を目指す実証実験を開始 - 飲料分野
工場の製造工程などの香りデータを取得し発酵状況などを解析して、飲料の品質管理や腐敗などのリスク検知サービスの開発を目指す - 医療分野
医療現場などの匂いデータの取得・解析により、患者の体調管理や疾病などの早期検知を目指す実証実験を開始
【関連リンク】
・レボーン(REVORN)
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