医療材料を販売している販売代理店・特約店は、医療機関が使用する商品の在庫不足防止のため、定期的に医療機関を訪問して商品の使用状況を確認する必要がある。
また、製造販売業者への受発注業務を電話やメール等の手作業で行うため多くの時間を要している。
製造販売業者は手作業での預託商品の棚卸しによる作業負担や、過剰在庫の増加、滅菌期限切れによる機会損失、廃棄等による物流費用増加などの課題があり、従来の作業方法の見直しや業務効率化が期待されていた。
株式会社NTTデータは、RFIDタグを用いた医療材料の物流状況、使用状況を可視化し、医療材料を取り扱う製造販売業者との間の医療材料情報の一元管理を可能とする、医療材料IoTプラットフォーム「MD-TraC(エムディートラック)」を本年4月1日より提供開始した。
同サービスは、循環器、消化器、整形外科領域の医療材料にRFIDタグを貼付し個体識別IDを記録することで、医療材料の物流情報、利用情報を一元的に管理し、医療機関外からの在庫/使用状況をリアルタイムで確認可能にした。
これにより、製造販売業者の在庫削減や滅菌期限切れによる廃棄ロスの削減、販売代理店・特約店の受発注業務や商品確認の迅速化、効率化をサポートする。
また、医療機関での医療材料の使用状況追跡を可能とすることで、医療機関外からのリアルタイムな在庫/使用確認ができ、製造販売業者における在庫削減、および販売代理店・特約店の受発注業務と商品確認の業務効率化をサポートする。
今後NTTデータは、NTTグループとして、医療材料の使用実績と患者情報を紐付けて、医療機関内での業務の効率化およびアウトカム(※)分析等のデータ分析にも利用できるサービスを検討するなど、医療業界全体で共同利用できるトレーサビリティープラットフォームの実現を目指す。
※アウトカム:結果、成果という意味で用い、患者への機器使用後の改善度や合併症の発生率、回復率や生存率など、治療や予防による臨床上の成果を指すこと。
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