5G/IoTの導入に伴って、通信事業者がパートナー企業と連携しながらサービスを展開するB2B2Xのビジネスモデルへのシフトが加速すると想定されている。この様なサービスでは、超高速のデータ通信や超低遅延のネットワーク構築など、導入サービスの特性に合わせて柔軟に、素早く、スモールスタートで最適なネットワークを構築することが求められる。
日本電気株式会社(以下、NEC)は、5Gモバイルコアネットワークの構築で、多様化するトラフィックに対応し最適な構成を実現する仮想モバイルコア製品を開発し、2019年9月末から提供を開始する。同仮想モバイルコア製品はEPC向けで、3GPP(※1)で標準化されているオープンなインターフェースを採用し、制御信号(以下、C-Plane)とユーザデータ信号(以下、U-Plane)を分離して処理するCUPS(※2)に対応する。
CUPSの導入により、サービス提供者はトラフィックの特性に適したU-Plane装置を自由に選択できるようになり、設置場所もサービス内容に合わせて最適な場所に配備してサービスを始めることができる。また、サービス導入までのリードタイムを短縮するだけでなく、サービス事業の拡大や設備コストを削減できる。
今回開発された仮想モバイルコア製品を用いて、NECが開発したC-Plane装置とジュニパーネットワークスが開発したMXシリーズ5Gユニバーサル ルーティング プラットフォームのU-Plane装置のCUPSによる相互接続を確認した。今後もU-Plane設備多様化を実現するため、積極的に他の通信機器メーカーとの相互接続を実施する。
5G導入初期は、LTEでの運用を継続しスポット的に5Gが展開されていくことが想定される。NECは、LTEから5Gへのスムーズなマイグレーションを支援するため、今後も仮想モバイルコア製品の機能をソフトウェアのアップグレードによって進化させる。これにより、通信事業者の既存のLTE設備の有効活用を実現して効率的な設備投資に貢献し、継続的に5G導入を支援するとした。
※1 3rd Generation Partnership Projectの略称。
※2 Control and User Plane Separationの略称。
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