作業現場に変革をもたらすスマートグラス - 社会インフラテック レポート3

社会インフラテックが、東京ビックサイトにて、2019年12月4日〜6日の間で開催された。

建設現場や工場などは人手不足が喫緊の課題となり、このため、作業効率の向上が必要不可欠となっている。
このような背景から、産業界を中心にスマートグラスが普及しつつある。

日本システムウエア、RealWear / 産業用スマートグラス HMT-1

RealWear社製の産業用スマートグラス
NSWが提供するスマートグラス
HMT-1は日本システムウエア(以下、NSW)が提供するスマートグラスになる。

全ての操作を音声認識で行うことが可能なため、ハンズフリーで作業を行うことが出来る。高所など片手作業が難しい場面や、スマートグラス上で資料の閲覧などを行いながら、両手を使った作業を行えるため、作業効率が向上する。

また、遠隔地からスマートグラスで撮影した動画をリアルタイムに見ることができる。これにより、作業者と視点を共有しつつ、遠隔地のベテラン作業員が現場の作業員に指示や資料を送ることができ、コミニケーションロスを防ぐことができる。

もう一つの特徴として、スマートグラス本体にチップが搭載されているため、任意のアプリケーションをスマートグラスにインストールすることができる。様々なユースケースに合わせたアプリケーションにより、利用用途が広がる、といった拡張性を持たせている。

HISOL – フィールド業務情報共有システム

会場では、日立ソリューションが提供する、フィールド業務情報システムと連携し、作業報告書の自動作成アプリケーションなどが展示されていた。

飛島建設、ロゼッタ / 多機能ハンズフリーシステム

スマートグラスと自動翻訳アプリケーションを用いたハンズフリーシステム
飛島建設の展示スペース

建設現場では、外国人労働者とのコミニケーションに課題を感じる場面が増えており、例えば、作業指示が上手く伝わらない場合や、ヒヤリ・ハットの把握が難しいことがあるという。

こういった背景から、飛島建設はスマートグラスを活用した、多機能ハンズフリーシステムを提供する。

スマートグラスを利用することで、作業者視点での現場状況を録画し、ヒヤリ・ハットの把握や、万が一事故が生じた場合でも、原因の追及や対策を講じることができる。ただし、全ての録画データを管理者が閲覧することは現実的ではない為、特定のイベント(例えば一定以上の加速度や、”あっ”などの音声)を検出するとログを残すなど、今後は管理機能をアップデートしていくという。

また、AI翻訳の老舗であるロゼッタとパートナーを組み、スマートグラスを用いた音声通話の際に、同時翻訳を行い、スマートグラス上にテキスト情報として翻訳結果を表示することができる。

これらの機能により、外国人労働者とのコミニケーションを円滑に行いつつ、より安全面を考慮した作業管理が期待される。

この他にも、スマートグラス(HMT-1)の機能を使って、資料データの共有や、音声入力によるハンズフリーによる作業レポート作成も可能である。

ELECOM、山本光学 / Versatile

山本光学が開発したスマートグラス
ELECOMが提供するスマートグラス

特徴を一言で言えば、非常に軽量である。

スマートグラス本体には、インテリジェンスなシステムは搭載されておらず、スマートフォンとの連携が必要となる。(加速度、ジャイロセンサーは搭載されている)
そのかわり、光学ユニットとフレームを合わせても50g未満と、他のスマートグラスと比較しても軽量となる。

山本光学が開発した、光学ユニット(透過ディスプレイ)を搭載しており、透過率は85%となり、視野を遮られることなく、スマートグラス越しに対象を視認しつつ、光学ユニット上に表示された情報も読み取ることができる。

産業向けというよりは、一般消費者向けの印象を持つが、作業指示むけや顔認証むけのPOCパッケージも用意されており、様々な用途での利用が期待される。