NTTドコモ、6Gに関する技術コンセプトを公開

移動通信システムは約10年ごとに世代交代しており、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は2010年頃から5Gの検討を行ってきた。2018年からは、5Gの高度化(以下、5G evolution)ならびに第6世代移動通信システム(以下、6G)に向けた検討と研究開発を進めている。

具体的には、さらなる高周波数帯の開拓を目的とした150GHz帯の超広帯域電波伝搬測定装置の開発に成功し、100GHz超の高い周波数帯の活用を視野に入れた、新たな周波数帯の開拓に向けた研究開発に取り組んでいる。

今回、2030年頃のサービス提供開始を目指して、6Gに関するホワイトペーパーを本日公開した。同ホワイトペーパーでは、5G evolutionならびに6Gにより期待されるさまざまなユースケース、目標性能、技術要素などの技術コンセプトをまとめている。概要は以下の通り。

  1. 5G evolutionおよび6Gの進化の方向性
    • 要求条件とユースケース
    • 超高速・大容量通信、超カバレッジ拡張、超低消費電力・低コスト化、超低遅延、 超高信頼通信、超多接続&センシング
  2. 6Gへの技術発展と、候補として考えられる技術領域
    • 空間領域の分散ネットワーク高度化技術(New Network Topology)
    • 非陸上(Non-Terrestrial Network)を含めたカバレッジ拡張技術
    • 周波数領域のさらなる広帯域化および周波数利用の高度化技術
    • Massive MIMO技術および無線伝送技術のさらなる高度化
    • 低遅延・高信頼通信(URLLC)の拡張および産業向けネットワーク
    • 非移動通信技術のインテグレーション
    • 無線通信システムの多機能化およびあらゆる領域でのAI技術の活用

ドコモは5Gの性能である高速・大容量、低遅延、多数接続をさらに高めるとともに、高速・大容量や低遅延などの要求条件を同時に実現する「複数要求条件の同時実現」、テラヘルツ波などの「新たな高周波数帯の開拓」、これまでの移動通信方式では十分なエリア化が難しかった「空・海・宇宙などへの通信エリアの拡大」、「超低消費電力・低コストの通信実現」などをめざして、引き続き、5G evolution・6Gの技術規格の検討と研究開発をすすめる。

以下は、5G evolutionおよび6Gのユースケースイメージである。

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