日本電気株式会社(以下 NEC)と日本信号株式会社は、成田国際空港の職員検査場において、歩いたままでの顔認証を可能とする「ウォークスルー顔認証システム」および爆発物の微粒子を高速に探知する「ゲート内蔵型爆発物探知システム」の実証実験を実施する。実証実験の期間は本年6月14日(火)から同16日(木)まで。
近年、世界的にテロの脅威が高まる中、人の往来の重要なゲートウェイである空港においては従来よりも高度なセキュリティ機能を持つ必要性が高まりつつある。
今回、IATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)が世界で推進する航空保安セキュリティ技術の高度化のための活動の一環として、空港従業員向けセキュリティ検査に顔認証および爆発物探知を追加し、運用上の効果・課題を検証する。
ウォークスルー顔認証システムについて
「ウォークスルー顔認証システム」は、世界No.1(注1)の認証精度を有するNECの顔認証エンジン「NeoFace」を活用し、事前に撮影・登録した利用者の顔画像と、ゲートに設置したカメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行うものだ。
歩いて近寄る間に顔を撮影し、IDカードを読み取り機に着券後、即座に顔認証を行うため、カメラの前で正対して立ち止まることなくスムーズな認証が可能。また、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすましを防止することも可能。
ゲート内蔵型爆発物探知システムについて
「ゲート内蔵型爆発物探知システム」は、日本信号が文部科学省の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」事業で株式会社日立製作所および国立大学法人山梨大学と連携し開発(注2)したもの。
IDカードをゲートの読み取り部にかざした際に、高速の気流を利用して付着微粒子を採取し、内蔵した質量分析技術を用いた爆発物探知装置により分析することで爆発物の有無を3秒で探知。これにより、ゲートを通過する利用者の流れを妨げることなく爆発物の探知を実現する。
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進している。NECは、同実証実験を通じて得られる技術や知見に磨きをかけることで、2020年とその先を見据えたまちづくり、安全・安心な社会づくりに貢献していく。
日本信号グループは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します。」という日本信号グループ理念のもと、人々の安全・安心を支える価値ある製品・サービスを社会に提供してきました。日本信号は、同実証実験を通じて得られた知見を活かし、同システムの実用化に向けた取組みをより一層進めていくという。
(注1)NEC、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術 ベンチマークテストで3回連続の第1位評価を獲得
(注2)「爆発物探知装置を内蔵した搭乗券読取装置を試作」日本信号株式会社ホームページ(ニュースリリース)
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
・日本信号(Nippon Signal)
・国際航空運送協会(IATA)
・日立(HITACHI)
・山梨大学(UNIVERSITY OF YAMANASHI)
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