オムロン オートモーティブエレクトロニクス株式会社は、測定が難しい車載環境下においても高精度に脈拍を測定できる非接触脈拍センサーのプロトタイプを開発した。
今回新たに開発された生体センシング技術は、人体に電波を当て、オムロン独自のアルゴリズムで処理することで脈拍値として出力する技術だ。ドライバーの体表面に電波を送信し、体表面に当たって戻ってきた電波を受信することで、血管が脈を打つときに体表面上で発生する約100um以下の変位を検出。この信号を独自のアルゴリズムにより脈拍信号として抽出することで、脈拍値として出力する。非接触で測定できるため、体にセンサーを装着する必要が無く、ドライバーに煩わしさや運転操作への影響を感じさせることなく、リアルタイムに健康状態を把握することができるという。
近年、ドライバーの疲労による居眠りや疾病発症に起因する自動車事故が増える中、事故を未然に防止するために、運転中のドライバーの健康状態をモニタリングし、異常を早期に検出するニーズが増している。非接触脈拍センサーにより運転中のドライバーの脈拍をモニタリングすることで、眠気の状態を脈拍数の変化から推定するなど、ドライバーの異常状態を早期に検出することが可能となる。
非接触脈拍センサーをこれまでに開発した「最新AI技術を用いて運転手の状態をリアルタイムに判定する車載センサー」(2016年6月6日発表)や「手首だけで1拍ごとの血圧値を連続で測定するウェアラブルセンサー」(2016年4月18日発表)などと併用することで、ドライバーの外観状態と体の内部特性の両面からドライバーの健康状態をモニターし、より高精度に異常を検出することが可能だという。
オムロンは今後、脈拍測定以外にも複数のセンシング技術や製品を組み合わせることで、ドライバーの異常状態や異常発生リスクをさらに高精度に検出するシステムの商品化を早期に目指す。ドライバーの健康状態などに起因する事故を未然に防止する世界初の「車載ヘルスケアシステム」の実現を目指して技術開発に取り組み、安全・安心で快適な車社会の実現に貢献していくという。
【関連リンク】
・オムロン オートモーティブエレクトロニクス(OMRON Automotive Electronics)
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