低消費電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-Power Wide Area Networks)といった、長距離かつ低消費電力を特徴とする新しいIoT向け通信技術が、都市・農業・工場のスマート化や作業場の安全性向上などの分野において、新たなユース・ケースを実現しようとしている。これらのアプリケーションでは、堅牢性および可用性に加え、セキュリティが導入の鍵を握るという。
G+D Mobile Security、株式会社村田製作所およびSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、コスト効率の高いセキュリティ機能のIoT機器への統合に向けて協力している。広範なアプリケーションならびにバーティカル・マーケットに向けたこの共同ソリューションは、やりとりされるデータの完全性と機密性を確保し、完全にセキュアな手法でLPWAN鍵(※)の配布を可能にするという。
インターネットに接続される機器の数は着実に増加しており、それらの機器は、さまざまな重要なシステムで頻繁に使用される。LoRaWANのようなノンセルラー方式の接続が、IoT機器で大きな役割を果たすことが考えられる。重要なシステム内のセキュアでない機器は、外部からの操作や攻撃の標的にされやすいため、アプリケーションだけでなく、インフラ全体にとって重大なリスクになる。
3社の新しいソリューションは、機器製造段階で簡単にセキュリティを統合できるため、製品の付加価値向上だけでなく、IoTエコシステムへの保護機能の実装を効率的に行うことができるという。
このソリューションでは、STの汎用マイクロコントローラ「STM32」に接続されたセキュア・エレメント「STSAFE-A」上にG+D Mobile Securityの鍵管理システムが実装されており、STの両製品と共に村田製作所製の小型・高コスト効率のLoRaWANモジュールに組み込まれている。
この共同ソリューションは、端末のエンドツーエンド セキュリティ、LoRaWANモジュールの実装ならびにライフサイクル管理の簡略化、容易なネットワーク展開と追跡、さらにはデータ・プライバシーと完全性を提供するセキュアなLoRaWANエコシステムの基盤を形成する。このソリューションは、2017年6月7日より試用が可能になるという。
※LPWAN鍵はLPWANネットワーク内のネットワークおよびアプリケーション・データの暗号化と復号に使用される。
【関連リンク】
・G&D
・村田製作所(Murata Manufacturing)
・STマイクロエレクトロニクス(ST)
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