金沢工業大学は、石川県農林総合研究センター 林業試験場と石川県森林組合連合会、株式会社エイブルコンピュータと共同で、深層学習を用いて無人航空機(UAV)の空中写真データ等から森林境界や材積等を推定する産官学共同研究を開始した。多大な労力をかけて実施されてきた森林調査や森林所有者の合意形成に至る作業を省力化でき、原木の安定供給や木材の利用促進につなげるという。
深層学習を用いた画像認識AIエンジンの開発と、AIエンジンにより得られた森林に関する推定結果に基づき、各種地理情報等を用いてより広範囲でかつ精度よく、森林境界や、スギ・コナラ等有用樹種の材積等を推定するための手法の開発など、以下の4項目の開発を進める。
- 無人航空機(UAV)により取得する空中写真データから、新たに開発する画像認識AIエンジンを用いて、主な樹種境界や合意形成に必要となる施業を実施するための森林境界(土地の境界ではなく施業境界)を推定する技術の開発
- 全天球カメラから取得した森林内のデータを基に、今回開発する画像認識AIエンジンによって材積や販売額に直接影響する直材(A材)や小曲がり材(B材)、曲がり材(C材)等の幹の形状(材質)を効率的に判読する技術の開発
- UAVの空中写真データからコナラ等の有用な広葉樹を特定し、樹冠径等から材積や原木採材本数を推定する画像認識AIエンジンの開発
- これらの画像認識AIエンジンを組み込んだ、森林組合職員等が使いやすいクラウドアプリの開発
同研究は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターが公募した平成30年度「イノベーション創出強化研究推進事業」に選定され、2020年度までの3年計画で実施される。
【関連リンク】
・石川県森林組合連合会
・エイブルコンピュータ(ablecomputer)
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