日本電気株式会社(以下、NEC)は、インドのグジャラート州政府とアーメダバード自治体によって設立されたアーメダバードスマートシティ開発公社(Smart City Ahmedabad Development limited)から、IoTを活用した安全で正確なバスの運行を実現する「高度交通運用管理システム」を受注した。今回NECは、上記システムと連携する自動改札機なども提供し、オペレーションセンターにおける運用・保守までトータルな支援を行うという。
現在インドでは、モディ政権のもと現金のデジタル化・キャッシュレス化を推進するとともに、インド都市開発省(Ministry of Urban Development)を中心に政府重要政策の1つとしてITなどを駆使したスマートシティ化を進めているという。アーメダバード市は、インド国内でも特に急速に人口が増加しており、教育、IT、化学産業が発展したインドを代表する主要な都市。同市では、バス高速輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit):15万人/日、市バス:60万人/日と多くの人が公共交通機関を利用しており、従来から交通インフラ高度化のために、先進的なICTの活用に積極的に取り組んでいる。
今回同市は、高度交通運用管理システムの更新に伴い、乗車券のモバイル化や、従来別々に管理されていた市バスとBRTの両交通網を統合的に管理するシステムを必要としていた。NECは、これらのニーズに対応するため、多様な交通システムを導入、統合することにより、アーメダバード市におけるさらなる安全かつ正確なバス運行の実現をトータルで支援するという。
今回導入される「高度交通運用管理システム」の特長は以下の通り。
- 自動料金収受システム
EMV(※1)に準拠したインド独自の非接触決済カードやスマートフォンを使った運賃支払いを実現。また、乗客はスマートフォンから乗車券を購入出来るため、窓口や車内での乗車券購入が不要。
さらに、BRTの駅に設置された自動改札機やバス車載器の状態をオペレーションセンターで監視・管理することで乗客数などより正確な把握を実現。 - バス位置情報管理システム
1,000台を超えるバスの位置情報をリアルタイムに可視化するとともに、バスの位置情報をもとに到着予測時間を算出し、バスの定時運行を支援。また緊急事態の際は、中央管理センターとバスの双方向によるコミュニケーションも実現。 - 乗客向け情報提供システム
バス車内やバスターミナルに設置したディスプレイに、次のバスの到着予想時刻を正確かつタイムリーに表示。また次の停留所を知らせるアナウンスや案内表示も行い、乗客の利便性を向上。 - 車両運行計画システムおよび営業所管理システム
車両や乗務員などバス運行会社の様々な資源・資産の利用を最適化するとともに、運行状況を統合監視することにより公共交通システムとしての効率的な運用を実現。
さらに「統合監視システム」といったバス運行に欠かせないシステムもトータルで提供するという。
なお、同システムはアーメダバード市におけるBRTと市バス向け(※2)に導入し、2017年度中の稼働を目指していると発表した。
※1 EMV:国際カードブランドであるEuropay、MasterCard、Visaで策定された接触、非接触クレジットカードの統一規格のこと。認証方法といったセキュリティ面やクレジットカードの読み取り機器の品質担保を取り決めている。
※2 BRTバス230台・停留所158カ所および、市バス850台・停留所11カ所に導入
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。