株式会社ニチレイロジグループ本社と株式会社日立製作所は、日立グループの先端IoT技術を活用し、冷凍設備の故障予兆診断と運転・メンテナンスの効率化に向けた共同実証を本年9月から開始する。
共同実証では、日立グループのビッグデータ解析技術や音解析技術、予兆診断技術を組み合わせたシステムを、ニチレイロジグループ船橋物流センター内の冷凍設備に導入。設備の稼働データを収集・蓄積・分析することで、故障の予兆診断と設備運転の効率化を支援する。
冷凍食品や生鮮食品などを低温で流通させるコールドチェーンにおいて、冷凍倉庫は重要施設のひとつ。
冷凍倉庫内にある保管品の品質を維持するために冷凍設備の安定稼働が不可欠だが、現状は熟練技術者が巡回し、倉庫内環境や設備の計器などを目視で確認しながら冷凍設備の運転管理・設定操作を行うほか、設備点検やオーバーホールは定期的に実施するのが一般的だ。
そのため、熟練技術者のノウハウ伝承や設備の突発障害回避、消費エネルギーやメンテナンスコストの低減といった課題への解決策が求められている。
両社が開発したシステムは、日立の「Lumada」ソリューションコアである統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」をベースに、冷凍設備の各種センサーから収集・分析したビッグデータをクラウド環境に蓄積。この蓄積データを元に、音解析技術、さらに日立アプライアンス株式会社が提供する予兆診断技術を組み合せることで、高精度かつ早期に故障の予兆を検出する。
今回、シミュレーションで従来に比べて冷凍設備の運用・メンテナンスに関わるコストを約25%低減できる見通しを得たことから、実際の物流センターでの共同実証を本年9月から実施する。
具体的には、ニチレイロジグループ 船橋物流センター内の冷凍設備6台を対象にシステムを導入し、効果を検証。ニチレイロジグループは、同共同実証で得た成果をもとに、2019年度から国内拠点の約140カ所、約870の冷凍設備に同システムの導入を進めていく計画だ。
【関連リンク】
・ニチレイロジグループ(NICHIREI LOGISTICS GROUP)
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