オムロン株式会社は、人と機械が協調したモノづくり現場の実現に向け、米国子会社オムロンアデプトテクノロジーズ(以下、OAT)が開発した、「屋内用モバイルロボットLDプラットフォーム」2シリーズ4形式を2017年1月20日より世界33カ国で一斉に発売する。
独自の人口知能(AI)技術を搭載した「モバイルロボットLD」は、自動車や電子部品、食品・医療品などのモノづくりの現場をはじめ、研究施設、物流倉庫など様々な屋内空間において、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボットだ。今回の発売ではユーザーカスタマイズタイプ「OEM」と台車付オールインワンタイプ「カートトランスポーター」の2シリーズが用意される。「OEM」は上部にユーザー自らがキャビネットやコンベアなどを取り付けることで使用環境に合わせた最適な自動搬送を実現する。
内蔵するレーザースキャナーで動作環境を測定し、SLAM 技術(※1)によって移動可能な範囲の地図を自動的に作製。地図とレーザースキャナーの測定結果を照らし合わせて自らの位置を特定しながら、人や障害物をどのように動いて避けるかをリアルタイムに考え、ぶつかることなく、最大130Kgの搬送物を運ぶ。さらに、カメラオプションを搭載することで、物流倉庫など頻繁に荷物の位置が変化する環境にも柔軟に対応するという。
日本をはじめ先進国では労働人口が減少し、新興国では人件費が高騰、モノづくりの現場では作業者の小さなミスが大きな品質トラブルや生産性の低下につながるなど、解決すべき課題が山積みとなっている。「モバイルロボットLD」は、モノを移動させるという単純・単調で重労働な作業から人々を解放し、より創造的な分野での仕事に従事してもらうことで生産性や品質の向上といった社会的課題の解決に貢献するという。
世界中で人々のニーズが多様化し製品サイクルが短期化する中、モノづくりの現場では、生産する品目が変わるたびに生産ラインの組み換えが必要となっている。「モバイルロボットLD」はソフトウェア上でゴールを指定するだけで自動的に最短ルートを判断し、人や障害物を自動で回避できるため、人と通路を共有した部材の搬送を実現。国際的な安全規格(※2)にも準拠し、人との安心・安全な協働作業が行えるという。
ユーザーは最大100台の「モバイルロボットLD」を1台のコントローラで管理できるため、最適な配送管理が行え、既存の生産設備と組み合わせることで、需要の変動に合わせて生産ラインのレイアウト変更や立ち上げをフレキシブルかつスピーディに行うことが可能となる。
※1: Simultaneous Localization and Mapping
※2: CE, ANSI, JIS準拠
【関連リンク】
・オムロン(OMRON)
・オムロンアデプトテクノロジーズ(OAT)
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