国立大学法人東北大学と株式会社日立ハイテクノロジーズのジョイントベンチャーである株式会社NeUと、株式会社FOVEは、FOVEの持つ視線追跡型VRヘッドマウントディスプレイ「FOVE 0」にNeUのNIRS脳活動計測センサー(HOT-1000)をビルトインした、VR視聴時の視線情報および脳活動の同時取得が可能な一体型デバイスを共同開発した。
VR体験中の脳血流、心拍、視線のトラッキング・占有率、瞬目、瞳孔径といった複数生体指標を分析することで、仮想空間内の興味関心や集中・注意を可視化・数値化することが可能という。NeUは本デバイスを活用した新たなニューロマーケティングサービス(サービス名 NeU-VR)を、企業ユーザーを対象に11月より開始とのこと。
NeUは視線追跡型家庭用VRヘッドマウントディスプレイを開発したFOVEと協業し、脳活動と視線情報の同時計測を可能とした一体型デバイスを開発。PCとヘッドマウントディスプレイだけのシンプルなシステム構成で、高精度な視線情報および脳活動の一括計測を実現したという。
システムの具体的内容
NeUは脳血流計測を軸としたニューロマーケティングサービスを展開しており、50社以上の受注・検証実績をもつ。ヒトの共感や作業記憶を司る前頭前野の脳血流を計測することにより、広告や商品などへの興味関心や記憶の定着を評価するノウハウが強みとのこと。その経験と実績を活かし、NeU-VRを開発したという。
NeU-VRは、視線追跡型VR再生装置と、脳の前頭前野をカバーするNIRS脳活動計測センサーが一体型となった専用ヘッドマウントディスプレイ、およびPC上の専用アプリケーションよりサービスを提供する。VR体験中の脳活動、心拍および各種視線情報(視点座標・瞬目・瞳孔径)の同時計測が可能。
また、視線や瞳孔径などの生体指標からも、被験者の好みや集中度などが類推できるという。これら複数の生体指標を組み合わせることで、VR視聴中の興味関心や没頭度を精度高く可視化、客観化できるとのこと。
サービスの対象・用途
サービスの対象は、第一に企業のデザイン設計の範囲での活用を見込んでいるという。たとえば、施設や住宅のデザイン、各種ショールーム、クルマのデザインなど。従来のモックアップモデルや試作などでのデザイン確認が、容易さと製作時間の短縮を目的に幅広くVR化されている。
後からアンケートなどで振り返る主観評価から、見たものに対してそのタイミングでどう脳が活動しているかという直感的反応を可視化・数値化して客観評価することで、更にその後の改善に有用な情報を得ることが出来るとのこと。
次に、VRコンテンツの評価が挙げられるという。エンターテインメントはもちろんのこと、ものづくりでの確認や作業環境の再現など、VRによるシミュレーション体験は多様さを増しており、これらVRコンテンツ体験者の脳活動および視線情報を分析し、興味関心や集中・注意を明らかにしていくという。
サービスの開始、今後の展開
NeUが提供するニューロマーケティングサービスメニューとして、調査設計・データ取得・解析まで一貫して提供。サービス開始時期は、11月初旬を予定。価格については、案件に応じた個別見積とのこと。
【関連リンク】
・株式会社NeU
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