内田洋行ビジネスITフェア2024

NEC、リアルな映像で火災と煙を再現した「VR消火体験シミュレータ」を発売

日本電気株式会社(以下、NEC)、NECネッツエスアイ株式会社(以下、NECネッツエスアイ)およびMXモバイリング株式会社(以下、MXモバイリング)は、バーチャルリアリティ(VR)(注1)技術を活用し、一般社団法人 東京防災設備保守協会による監修のもと、リアルな映像で火災・煙を再現した「VR消火体験シミュレータ」(注2)を本年9月に発売する。

本システムは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Galaxy Gear VR with Controller」に対応したスマートフォン「Galaxy(注3)」を装着し、画面に表示される火災現場の映像を見ながら、訓練用消火器を操作して消火体験を行うものだ。

本システムの価格は、1セット(スマートフォン、HMD、訓練用消火器、ソフトウエア、指導者用モニター)で100万円(税別)から。NEC、NECネッツエスアイとMXモバイリングは、全国の消防・防災関連団体や一般企業の防災部門などに向けて、今後3年間で1,000セットの販売を目指す。なお、本システムは一般社団法人 東京防災設備保守協会での採用が決定している。

阪神淡路大震災や東日本大震災などの大災害の経験と、今後発生が予想される首都直下地震や南海トラフ地震などへの対応から、地域・学校・企業などで災害対策に向けた防災訓練の必要性が高まっている。

防災訓練の一つに消火体験があるが、その主流は、訓練用水消火器(消防署から貸出等)を用いて火災現場を模擬した的(まと)に向けて水を噴射するもので、多くは屋外や防災体験施設内で行われている。また、訓練用水消火器は粉末や液剤を噴射する実際の消火器とは異なるため、消火器の操作要領を習得できる一方で、消火器による火の消え方などを再現した消火体験は困難だったという。

こうした課題を解決するため、今回3社は、MXモバイリングのスマートフォン用のVR映像作成技術により、HMDに組み込んだスマートフォンを中核とする簡易な構成で、訓練用消火器を用いたリアルな消火体験ができるシステムを開発した。

本システムの主な特長は以下の通り。

1.場所を限定せず手軽に利用可能
スマートフォンやHMDなどを用いることで、消火用の水・薬剤や火災現場の映像を投影した大型スクリーンなどの専用施設が不要なため、屋内外の様々な場所で利用できる。

2.訓練用消火器を使ったリアルな消火体験が可能
消火する際の一連の動作を、VR機器(注4)だけでなく、訓練用消火器を使って体験できる。訓練用消火器のホース部分に取り付けたコントローラを操作し、VR映像上でホースの向きを変えながら消火剤を放射して消火を行うなどのリアルな体験ができる。また、自衛消防に関する法定講習実施機関としての専門的知見を有する一般社団法人東京防災設備保守協会の監修により、火災や煙などをリアルな映像で再現した消火体験ができる。

3.指導者によるアドバイスやスタッフによる消火体験の進行確認を効率化
体験者がHMDで見ている映像を外部モニター(注5)にも同時に表示できるため、指導者によるアドバイスや、スタッフによる消火体験の進行確認を効率的に行うことができる。また、体験者はHMD装着時でもVR映像からスマートフォンのカメラを通して現実の風景を確認できるため、自身で消火器を掴んで準備できる。

4.火災の発生が想定される様々な場面を追加
標準で用意されたオフィスにおける火災の発生場面に加え、今後のアプリの更新により、ユーザーニーズに対応して住宅のキッチン・コンセント・ストーブなどの様々な火災の発生原因を想定した場面の追加を予定している。

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