マイクロソフトは、Windows 10 Fall Creators UpdateとWindows Mixed Realityヘッドセットの提供を開始した。Windows 10 Fall Creators Updateは、Windows 10 PC上で実行可能であり、Windows Mixed Realityヘッドセットは10月17日より提供が開始されている。
Windows 10 Fall Creators Update
Windows 10 Fall Creators Updateは、PDFへの直接記入などの新しいインク機能体験、新たに追加されたFind my Pen機能、Cortanaを搭載したPCやMicrosoft Edgeなどのブラウザを搭載したスマートホンによりデバイスをまたがったシームレスなWindows体験を提供するContinue on your PC機能、セキュリティとプライバシー機能の強化、Eye Controlなどのアクセシビリティの改善といったイノベーションを提供する。
より多くの人々にMixed Reality(複合現実)を
これまで実際にMixed Realityを使うためには、没入型のVR(Virtual Reality)ヘッドセットと、体験スペースへのカメラの設置が必要であり、ヘッドセットを友人の家や職場に持っていっても簡単に体験することはできなかった。しかし、Windows Mixed Realityヘッドセットはその課題を克服するものになっている。
没入感の高いMixed Reality体験のために、マイクロソフトのパートナーであるAcer、Dell、HP、Lenovo が、MicrosoftストアおよびMicrosoft.comにおいて最初のWindows Mixed Realityヘッドセットの販売を開始した。モーションコントローラーを備えたヘッドセットの最低価格は399ドルだ。
SamsungのMixed RealityヘッドセットSamsung HMD Odysseyは本年11月6日に販売が開始される。
Windows 10 Fall Creators Updateは、Mixed RealityをPCに提供するMixed Realityビューワーを備えている。単にPC上でカメラを使うだけで、ユーザーは人々、場所、物体、さらには想像されたものから構成される外界と3Dオブジェクトを混在させて見ることができる。
ユーザーは、バーチャル ホームの中でWindowsストアの20,000種類以上のアプリを使用し、旅行、スポーツ、ライブコンサート、ゲームを楽しむことができる。
日本のパートナー企業から提供されるコンテンツの例
3D機能により人々のプロダクティビティ(生産性)をさらに向上
Windows 10 Fall Creators Updateにより、マイクロソフトはあらゆる人が3Dで創作活動を行えるようになる。1億人以上の人々が毎月「ペイント」を使用しているが、「ペイント 3D」により、これらの人々は3Dで容易にオブジェクトを操作し、作成し、シェアできる。
ユーザーは3D オブジェクトをPowerPointプレゼンテーションやWordドキュメントなどのOfficeファイルに取り込み、説得力やわかりやすさを向上できるようになった。
オブジェクトをプレゼンテーション内で回転させたり、アニメーションを付加したりすることも可能。そして、Mixed Realityビューワーにより、3Dの制作物を物理的世界に置くことができる。
ゲーミングがよりインタラクティブに
ゲームは急速に成長しているエンターテインメント分野だ。現在、Windows上のゲームがこれまでにないほどの人気を博し、Windows 10上で2億人以上のアクティブユーザーがゲームを楽しんでいるという。
eスポーツそしてインタラクティブなゲームストリーミングに対する関心の高まりにより、ゲームをプレイせずに観賞する人々の数が増えている。
あらゆる人がゲームのブロードキャスト、観賞、他のゲーマーとのやり取りをできるよう支援するために、マイクロソフトは、ほぼリアルタイムでインタラクティブなゲームストリーミングサービスであるMixerの提供を始めた。
Windows 10 Fall Creators UpdateではMixerがさらに改良され、ゲームストリームを今までより早く立ち上げて参加できるようになった。また、ゲームモードにより開発者はPCの全処理能力にアクセスでき、ゲーム専有にできる。これにより、Windows 10 上で高性能のゲーム体験が実現できる。
写真とビデオによる思い出深い作品創り
Windowsのフォトアプリとビデオアプリは多くの人々に利用されている。Windows 10のフォトアプリには2億5,000万人以上のアクティブユーザーがいる。
Windows 10 Fall Creators Updateでは、フォトアプリが刷新され、独自の3D効果、インク、トランジション、ビデオを使用して、写真を容易に思い出深いストーリーに変換できるようになった。
編集作業の経験は必要なく、ユーザーは写真を撮り、サウンドトラック、テーマ、インク、映画のような効果の付いたコラージュやビデオに容易に編集できる。
たとえば3D機能により、サッカーボールがゴールキーパーを越えてネットに飛び込むときに炎になるような、ダイナミックな効果を付加できる。
UDデジタル教科書体を搭載
株式会社モリサワの「UDデジタル教科書体」を、Windows 10 Fall Creators Update日本語版のOS標準フォントの一つとして搭載した。
UDデジタル教科書体は、学習指導要領の字型に準拠し、電子黒板やタブレット端末を活用した ICT教育においても読みやすいフォントだ。Windows 10 日本語版以外の環境でも、日本語言語パックをインストールすることで利用できる。
【関連リンク】
・マイクロソフト(Microsoft)
・モリサワの「UDデジタル教科書体」
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。