米TBCASoft, Inc.、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)およびソフトバンク株式会社は、通信事業者向けのブロックチェーン・ソリューションを活用した戦略的提携の構想を発表した。キャリア間ブロックチェーン技術を活用して、通信事業者やその携帯電話ユーザーへ新しいサービスの提供を目指すものだ。
この構想に基づき、TBCASoftは技術とソリューションを、日本IBMはブロックチェーン技術、ブロックチェーン・ネットワークの導入と拡張のノウハウ、およびソフトウエア・ソリューションを、ソフトバンクは通信事業者としての知見を提供する。
3社は、TBCASoftとソフトバンクなどが設立した通信事業者のグローバル・ブロックチェーン・コンソーシアム「Carrier Blockchain Study Group(以下、CBSG)」を通して、通信事業者のブロックチェーン技術活用に向けて共同で取り組む。
TBCASoftは、すでに世界の通信事業者18社が参加するキャリア間ブロックチェーン・ネットワークを構築しており、同ネットワークは、国際決済、ID情報管理および通信のサプライ・チェーンなど、業界特有のユースケースをサポートするように設計されている。
CBSGから実用化される最初のアプリケーションは、キャリア間決済システム(以下、CCPS)だ。これにより旅行中の携帯電話ユーザーは、海外でも現地の店舗で自身のモバイル決済アプリケーションを使用できるようになる。TBCASoftのブロックチェーン技術は、異なる通信事業者間での取引記録や清算の最適化を図るもので、オーバー・ザ・トップ(以下、OTT)決済ソリューションとも呼ばれている。
日本IBMはTBCASoftと密に連携し、コンソーシアムの戦略策定を支援し、この戦略的提携を通してエコシステムの拡張を支援する。また通信事業者がより柔軟に利用できるよう、TBCASoftはブロックチェーン基盤に「IBM Blockchain Platform」を使用し、複数のクラウド環境で利用可能なオープン・テクノロジーを提供する計画だ。
ソフトバンクは、CBSGを設立したうちの1社であり、CCPSを最初に採用した企業だ。戦略的サポートや技術支援を行うことで、CCPSの実用化を進め、2020年に同決済システムを首都圏中心に本格導入することを目指すとした。
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