経済産業省は、データの利用等に関する契約およびAI技術を利用するソフトウェアの開発・利用に関する契約の主な課題や論点、契約条項例、条項作成時の考慮要素等を整理した「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を2018年6月に策定した。同ガイドラインは、データ利活用やAI技術開発に関する契約作成の手引きとして、国内でのビジネスや研究開発の実務で参照されている。
経済産業省では、2018年12月から、同ガイドラインの内容を継続的に評価し、利便性を向上させるために、AI・データ契約ガイドライン検討会作業部会を開催して、今後の課題や実務のニーズ等を検討してきた。
今回、2018年の不正競争防止法改正(2019年7月施行)により、「限定提供データ」の不正取得や使用等に関する民事措置が創設されたこと、同年1月に「限定提供データに関する指針」が公表されたこと等を受けて、同ガイドラインに反映すべき事項について検討を行った。その検討結果から、同ガイドライン(データ編)をアップデートしたバージョンを、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1版」として公表した。
AI・データ契約ガイドライン検討会作業部会では、上記の点の他、以下のような論点についても議論・検討を行ったが、今後更なる実務の蓄積を踏まえて議論を継続する必要があると考え、現時点でその成果を公表せず、今後の同ガイドラインの改訂に向けた議論の中で引き続き取り扱うとした。
- データ共用型契約に関するモデル規約の検討
- AI技術の進展等を踏まえた、AI編のモデル契約条項の見直し
- ガイドラインを利用している事業者からのヒアリングを通じた、課題やユースケースの抽出
- AI開発及び実装に係る損害に関する責任論の整理・精緻化
出典:経済産業省ウェブサイト
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。