NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、営業車両の運行管理を手軽に実現する、IoTトライアルパック「Connected Vehicle」を2016年4月11日より提供開始した。
同トライアルでは、通信機能やGPS機能を内蔵した小型車載器を車両に設置することで、運行日報や運転傾向分析、車両稼働実績などをWebアプリケーション上で閲覧・管理することができる。これらの機能により、車両運行状況の管理や安全運転の確保が容易となるほか、交通事故削減による事故処理費用や自動車保険料などの関連コスト削減、エコドライブによる燃料費削減にもつながる。
同サービスは、株式会社スマートバリューのテレマティクスサービス*1「CiEMS 3G」を採用し、NTT Comのモバイルサービスやクラウドサービスと組み合わせることで、オールインワンサービスとしての提供を実現。
NTT Comは、今夏の本格提供開始を視野に、サービス機能の拡充に取り組んでいくという。
背景
NTT Comは2015年8月にIoT推進室を設置し、IoTソリューション拡充に向けたサービス開発に取り組んでいる。手軽にIoTソリューションを利用できるよう、トライアルパックとして、工場設備向けの「Connected Factory」や製品接続向けの「Connected Product」を、昨秋より順次開発・提供してきた。
一方、昨今、営業車両を保有する企業において、安全運転に対する意識と運行管理の重要性が高まっていることから、テレマティクス分野において実績のあるスマートバリューと連携し、車両向けのIoTソリューションの開発を進めることとした。
IoTトライアルパック「Connected Vehicle」の特長
運行日報や運転傾向分析、ヒヤリハットマップなど豊富なWebアプリ
運行日報や運転成績表(別紙図2参照)、車両稼働実績、ヒヤリハットマップ、車両所在マップなど、総務の車両管理担当者の方々が必要とする機能を、Webアプリケーション上で提供。これらのレポートは、車載器から収集した運転データ(走行時間、走行速度、位置情報、距離、燃費、急アクセル/急ブレーキ、アイドリング時間など)をもとに、IoTを活用して自動で作成される。
また、規定速度の超過、急アクセル/急ブレーキ、長時間のアイドリングなどが発生すると、所定の管理者に通知メールが送信される。これにより、Web画面を閲覧せずとも、危険な運転を把握することができる。
車載器の設置時間は約10秒、手間のかかる取り付け工事不要
車載器は、車両の運転席下部にあるOBDコネクタ*2にワンタッチで設置でき、設置した瞬間からサービスを利用できる。手間のかかる取り付け業者の手配や、車両の利用時間の調整など、全く必要がない。車両入替の際も、新しい車両に車載器を差し替えるのみ。
車載器、Webアプリ、モバイル回線などをオールインワンで提供
車載器やWebアプリ、モバイル回線などをパッケージ化し、NTT Comが一括で提供。今後、NTT Comのクラウド基盤上に同サービスを展開することで、より柔軟性・拡張性の高いIoTソリューションとして提供していくという。
トライアルの概要
対象:日本国内で営業車両を保有している企業
トライアル期間:1ヵ月
利用料金:無料
申込み受付期間:2016年4月11日~2016年7月末(予定)
申込み窓口:同社営業担当者に問い合わせ
今後の取組み
「Connected Vehicle」のグローバル展開に向けて、2016年4月よりインドやタイをはじめとした海外での実証実験を推進していく。
また、「Connected Vehicle」の本格提供にあたっては、スマートバリューなどのアプリケーション事業者との一層の連携により、デバイスからネットワーク、データ収集・分析プラットフォームまでをワンストップで揃えた、グローバルかつセキュアなサービスとして提供していく予定。
また、今後は営業車両管理以外のメニューについても拡大を検討していく。
2016年5月11日から13日に開催される”Japan IT Week 春 第5回IoT/M2M展”にてIoTトライアルパック「Connected Vehicle」などが出展される。
*1 Telecommunication(通信)+Informatics(情報科学)
自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、情報サービスを提供すること
*2 車両の故障診断用コンピューターに接続するための端子
【関連リンク】
・NTTコミュニケーションズ(NTT Communications)
・スマートバリュー(Smartvalue)
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