ノキアは、高い処理能力を誇るインターネット・ルーティング・プラットフォームを発表した。
ノキア ベル研究所では、今後5年間でIPトラフィックが2倍以上になり、2022年にはひと月あたり330エクサバイト、年間平均成長率にすると25%に達すると予測している。ピーク時のデータレートの増大はさらに急速で、年間40%近くに上るとされている。この急増の理由は、高解像度のビデオストリーミングや近年注目されている仮想現実といったサービスに対する利用者および企業の尽きない需要にあり、人やモノをつなぐ高速低遅延ネットワークの登場も拍車をかける一因となっているという。ノキア ベル研究所では、このネットワーク関連市場のコネクテッドデバイスは2025年までに1,000億台に達すると見込んでいる。
こうした新しい課題に対処するためには、インターネットインフラストラクチャの再考が必要となる。
世界最高の処理能力を誇るルーティングプラットフォーム
Nokia 7750 Service Router のSR-sシリーズは、高密度ルーティングプラットフォームとして、シングルシェルフで144テラビット/秒の構成をサポートする。また、ペタビットクラスのルータとして、新たにNokia 7950 Extensible Routing System、XRS-XCを発表した。
これは、ノキアの主要ルータ製品にとって大きな飛躍となる、高いキャパシティを実現した最新のルータだ。スイッチングシェルフを必要としないシャーシ拡張により、1基のシステムで576テラビット/秒までスケーリングが可能。
ノキアの新プラットフォームは、業界で初めてテラビットのIPフローを実現し、インターネットバックボーンの構成に使用される既存の100ギガビット/秒リンクに対して処理能力を10倍に向上させる。
よりスマートかつ安全なインターネット
FP4ベースのルーティングプラットフォームには、キャパシティ、パフォーマンス、詳細な可視性、きめ細かい制御、テレメトリー、セキュリティがバランス良く組み合わされている。これにより、ウェブスケール企業とサービスプロバイダは、クラウド、5G、IoTに関連するデータ需要への対応、変化への適応、コスト効率と安全性を確保した拡張を可能にする最新のネットワーキングシステムを構築できるようになるという。
FP4に組み込まれた高度なパケットインテリジェンスと制御技術に、ノキアのDeepfield IPネットワーク分析ソリューションと包括的なSDNポートフォリオを組み合わせることで、効率性と収益機会を高めながら、セキュリティの脅威を最小限に抑えられるそうだ。DDoS攻撃をはじめとする、生産性と経済活動に影響を及ぼすセキュリティの脅威は年々増え続けており、被害も拡大している。Deloitte Globalが公開したテクノロジー、メディア、通信に関する予測レポートによると、その件数は2017年だけでも1,000万件に上るとされている。
Nokia FP4チップのイノベーション
これらの新システムの基盤となるFP4チップは、従来製品の最大6倍の処理能力となる、世界初の2.4テラビット/秒ネットワークプロセッサを搭載し、テラビットの処理速度とペタバイトクラスのルーティング性能を実現したという。
このイノベーションは長年にわたるエンジニアリングと研究の成果であり、16nm FinFET Plusなどのチップの最新技術と多次元設計を活用している。またFP4の設計は構造的にも様々なイノベーションをもたらしている。例えば、ノキアが新たに開発したインテリジェントメモリは、パッケージサイズを最小化しながらも、パフォーマンスと効率性が向上している、と発表している。
ノキアのイノベーションに関するキーファクト
・Nokia FP4は業界初の2.4テラビット/秒ネットワーク・プロセッサ・チップ
・業界で初めてテラビットIPフローをサポート
・Nokia XRS-XCは576テラビット/秒の処理能力を提供するペタバイトクラスのルータとなる
・新Nokia 7750 SR-sプラットフォームは、シングルシェルフのNokia 7750 SR-14sは144テラビット/秒の構成をサポートし、最大288テラビット/秒まで処理能力を拡張可能
・既存プラットフォームの最大6倍の処理能力によって、広範囲に展開されたシステムへの投資を保護
・詳細な可視性ときめ細かい制御性を提供する独自の高度なパケットインテリジェンスと制御機能によって、エクスペリエンスの質を高め、資産活用を促進
ソリューションの販売は、2017年第4四半期を予定している。
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