サイバートラスト株式会社は、高度なセキュリティ対策が施された IoT 環境を実現する電子認証サービス 「セキュア IoT プラットフォーム」及びコンサルティングサービスの提供開始を発表した。
2020 年には、530 億台ものデバイスがインターネットに接続されることが予想されており、これらのデバイスから得られる膨大なデータは、 様々なクラウドシステムにビッグデータとして蓄積され、新しいビジネス創出や社会基盤として活用されることが見込まれているという。
一方で、セキュリティ対策はシステム毎に独自な方式で実装するため、個人情報やデータの保護の方法が異なり、システム間の相互接続によるビッグデータの結合が難しい、コストがかかる等の問題が指摘されることが多い。
また、パスワードに依存する従来型認証や暗号化では、外部攻撃に対して脆弱なため、常時、システム侵入や改竄、情報漏洩の検知が必要となり、セキュリティの確保には大きなコストがかかる。
サイバートラストの「セキュア IoT プラットフォーム」は、電子署名法と Web Trust に準拠した国内のデーターセンターによる公開鍵基盤 (PKI) により 「いつ」「どこで」「何が」「誰が」といった多角的な認証による真正性や、暗号化による機密性の確保、電子署名による改竄防止・完全性を、一括したシステム基盤として提供される。
また、デバイスのライフサイクルに応じた、電子証明書の発行 → デバイスへの組み込み → 認証情報(いつ、どこで、なにが)の管理 → 電子証明書の失効 → デバイスの廃棄までを確実に管理するためのノウハウをコンサルティングサービスとして提供し、 低コストで高いレベルの情報セキュリティ要件を満たす IoT サービスを短期間で構築できるよう顧客を支援するという。
年内には実証プロジェクトで構築したシステムをベースにしたトライアルキットの有償提供を予定しており、 トライアルキットは、株式会社ユビキタスと共同で開発した GPS 位置測位システムを活用したリアルタイムモニタリングから提供を開始される。
本トライアルキットでは、イベント運営におけるスタッフ・観客、配送業務における要員、積荷などの現在位置情報の自動収集、端末に表示した地図上での確認、画像・メッセージ送受信機能などが利用できる。
サイバートラストは、今後もセキュア IoT プラットフォームの普及促進のため、パートナー各社とトライアルキットの拡充、システム構築サンプル等を順次提供していく予定としている。
また、IoTシステムでは、デバイスの持ち去りや、システムなりすましによる改竄・妨害など、従来の PC やスマートフォンでは考えられないセキュリティ課題が発生するため、サイバートラストでは、2014 年より旭川で「セキュア IoT プラットフォーム」を活用した「メンタルヘルスケアプログラム」実証実験を実施、加えて本年よりスーパーラグビーボランティア動態管理システムや、 Bluetooth ビーコンシステムの PKI 化の共同開発、PKI と生体認証システムの統合など、システムに対する柔軟性、堅牢性、信頼性を多角的な評価が行ってきた。
サイバートラストでは、これらの知見をもとに「セキュア IoT プラットフォーム」の改良を継続しており、 IoT ベンダーのセキュリティ要求を、短期間・低コストで実現していく計画だ。
セキュア IoT プラットフォームの主要な機能
電子証明書・デバイス管理
・電子証明書の自動配付、自動更新、失効
・電子証明書のバルク発行
・デバイスステータス、廃棄時の証明書失効連携
認証
・センサーデータへの電子署名・タイムスタンプ付与・検証
・GPS情報への電子署名・タイムスタンプ付与・検証
・プログラムコード署名・検証
・各種ハッシュ値の保管、照合
コンサルティング
・デバイス製造工程、プログラム開発工程、保守工程でのリスクアセスメントとセキュリティ対策、運用手順の策定
【関連リンク】
・サイバートラスト(Cybertrust)
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コンサルタント兼IoT/AIライター 人工知能エンジン事業の業務支援に従事するかたわら
一見わかりにくいAIの仕組みをわかりやすく説明するため研究中