経済産業省の調査によると、これまでのIoTサービスは、自社のサービス内で閉じており、異なる会社のIoTサービスを相互接続できる商用サービスはほとんど存在しなかった。また、現状のIoTサービスを連携する方式には以下の3つがあるが、「接続数が増えると接続コストが逓増してしまう」「他人の開発したAPIを理解し対応する事が難しい」「連携先を見つけ、個別に契約するのが面倒」などの課題があった。
- 自己負担型
各社が独自に開発したAPIを、自社の責任で取りまとめて連携する方式 - 負担強要型
Amazon社やGoogle社の公開API仕様に合わせて各社がそれぞれ対応する方式 - 負担平等型
デファクトや標準化を狙う企業や団体が定めるAPIに各社が対応する方式
このような中、東京大学生産技術所での研究成果が社会実装され、プロトコルの異なる多種多様なデバイスを接続する「クラウド間相互接続サービス」を提供する会社として、本年5月にIoT-EX株式会社が設立した。今回、IoT-EXは、IoTの連携を検討している企業や組織向けに、IoT連携に必要な仕組みを汎用化し、IoT活用成功パターンをIoT-EXの機能を活用し、簡単に試せるIoT相互接続サービス「IoT-EX POCパック」を提供開始した。

「IoT-EX POCパック」は、箱から出してすぐに使用可能で、設置環境に依存しない。「IoT-EX POCパック」の内容は以下の通り。
- Android端末(IoTルータ):必要なアプリがインストールされている
- AWS IoTボタン:センサーからのイベントを、疑似的に発生させるために使用
- Echo Dot(スマートスピーカー):通知(防災放送情報等)を音声で知らせる
- Wi-Fi中継器:IoTルータからネットワーク接続できない場合に中継する機能を提供
- Hueブリッジ:Hue専用コントローラ
- Hue(LED電灯):照明を点滅させる
- 電源タップ:「IoT-EX POCパック」で利用する機器全部に対応した集合コンセント
「IoT-EX POCパック」に含まれるサービスは以下の通り。
- 1年間の保守・サポート:IoT-EX、MDMとリモートコントロールサービスの利用が前提
- IoT-EX、MDM、リモートコントロールの年間利用料
「IoT-EX POCパック」に含まれないサービス(カスタマイズ対応)は以下の通り。
- IoT-EXドライバ操作アプリ(旧IoTサービス)
- 設定変更:ドライバ、簡易IoTアプリを利用可能に
- ドライバ開発
- 簡易IoTアプリ開発
自社の機器をIoT化しても、手間やコストが掛かるだけで、単独では投資を回収できないと考えている場合でも、他社の機器やサービスと連携することでIoTビジネスが成立する場合があるため、どんなモノやサービスと連携すると上手くいくのか、成功パターンを知りたいという声に、「IoT-EX POCパック」は応えた。
「IoT-EX POCパック」の価格は99,800円(税別)で、10月1日より随時出荷される。また、提供期間は出荷日より1年間(IoT-EX等のサービスが利用出来なくなるが、機器は返却不要)だ。
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