IIJ、食品関連事業者向けに「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」を提供開始

株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、低消費電力かつ長距離通信を特徴とし、免許不要で手軽に利用できる無線方式LoRaWANに着目し、台湾のKiwi Technology社(以下、kiwitec)との協業を通じて、両社の技術を連携させたLoRaWANソリューションを提供してきた。

IIJは、HACCP(ハサップ)による衛生管理の義務化に伴い、食品関連事業者向けに、冷凍冷蔵庫や倉庫の温度を自動監視・管理するIoTソリューション「IIJ LoRaWANソリューション for HACCP温度管理」を、2020年7月15日より提供開始する。

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、微生物や異物混入等の危害が起きやすい要因(ハザード)を分析した上で、特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法のことだ。IIJはこれまでスマート農業分野においてLoRaWANをベースとした水田水管理IoTソリューションを展開しており、今回はそのナレッジをもとにHACCP分野での温度管理に関するIoTソリューションの提供に至った。

このソリューションは、「Kiwi Sense the Future 温度管理パッケージ」とIIJのサービスを組み合わせ、温度センサー、温度データをクラウドに送るLoRaWANゲートウェイ(無線基地局)、データを保存し可視化するクラウドサービスおよびアプリケーション、通信用SIMなど、温度管理に必要となる製品、サービスを、サポートを含めて一括で提供する。スーパーやコンビニエンスストア、ホテルなどの冷凍冷蔵庫、倉庫など、食品の製造、保管、販売、提供を行う現場で、温度データの自動収集と異常監視といったHACCP対応に重要な温度管理のシステムを簡単かつ低コストで導入できる。

設置イメージ(左)ボックス型温度センサー(右)プローブ型温度センサーとLoRaWANゲートウェイ
設置イメージ(左)ボックス型温度センサー(右)プローブ型温度センサーとLoRaWANゲートウェイ
センサーで計測、収集した温度データを遠隔からスマートフォンやパソコンで確認できる。また、設定したしきい値を超える異常を検知した場合はメールやアプリ経由で通知を受けることができるため、問題発生時にも即時対応することで適切な温度管理につなげる。

LoRaWANはオープン規格であるため、多様なセンサーに対応している。また、ひとつのゲートウェイ(基地局)で数メートルから数キロ範囲のセンサーとの接続ができる。広範囲に点在する様々な種類のセンサーを一元管理し、導入後、例えば振動センサーやGPSトラッカー、CO2センサーなどからのデータ収集等、他用途への拡張も容易に行うことができる。

提供機能

  • 通知機能:ある一定の値を超えた場合に通知するように設定し、メールやアプリケーションに異常通知を行うことができる
  • 可視化:表形式で温度データの推移を一元的に可視化し、アラートの履歴なども随時確認することができる
  • 遠隔監視:スマートデバイスアプリおよびPC用ブラウザから、温度情報を簡単に管理できる
  • レポート機能:蓄積された温度データを日または月単位でエクスポートすることができる

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